塾で行われるテストは、単に点数をつけて順位を競うためだけのものではなく、学習の進捗を確認し、次のステップへ進むための重要な機会です。
また、「テストに行きたくない」「休みたい」といった子どもの発言にどう向き合うべきかも、親としては悩ましい問題です。
この記事では、塾で行われるテストの種類やそれぞれの対策方法などについて詳しく解説します。
- 塾のテストで成績が伸びる子・伸び悩む子の違いとは?
- 「塾に通っているのに成績が伸びない」原因とは
- テストを結果だけで見ずに復習を行う
- 塾のテストは大きく分けて2種類
- 塾内テスト:日々の理解度と課題を確認するテスト
- 全国テスト:全国での位置と志望校との距離を知るテスト
- 塾内テストは理解度と次の課題の仕分け作業に活用
- 確認(実力)テストで日々の成果を確認
- 大手塾ではクラス分けテストで学力の向上を目指す
- レベルの高い塾の入塾テストは最初の受験
- 塾のテストや対策講座を活用して学校の定期試験にも備える!
- 全国テストは受験本番に向けた力試し
- 小学生を対象に全国規模で実施される「四谷大塚」
- 「日能研」は問題がすべて記述式なのが特徴
- 難関校を目指す受験生におすすめしたい「駿台中学部」の全国テスト
- 「東進ハイスクール」は中学生を対象に最大規模のテストを実施
- 子どもが塾のテストに「行きたくない」と言う原因と対処法
- 子どもが塾のテストに行きたくないと嫌がるよくある理由
- 親が避けたいNG対応と、代わりにかけたい言葉
- 塾のテストを休んでもよいケースと、その際にやるべきこと
- 塾のテストをできれば受けた方が良いケースと負担を軽くする工夫
- 塾のテスト活用法まとめ
塾のテストで成績が伸びる子・伸び悩む子の違いとは?
塾に通って順調に成績を伸ばしていく子と、なかなか成果が出ない子の違いはどこにあるのでしょうか。もちろん本人の学習量や資質も関係しますが、それ以上に「テストをどのように活用しているか」という姿勢の違いが大きく影響しています。
「塾に通っているのに成績が伸びない」原因とは
塾に通っているにもかかわらず成績が伸び悩むケースでは、テストの受け方や復習の仕方に問題があることが多く見られます。例えば、テスト勉強を直前になって詰め込みで行っていたり、テストが終わった瞬間に内容を忘れてしまったりするパターンです。
また、塾のカリキュラムについていくのが精一杯で、基礎的な理解が追いついていないままテストを受けている場合も、点数は伸びません。
テストはあくまでも「学習の定着度を測るもの」なので、日々の授業の理解不足を放置したままでは、いくらテスト対策をしても根本的な解決にはならないのです。
テストを結果だけで見ずに復習を行う
多くの保護者や生徒は、テストが返却されると点数や偏差値、順位を確認します。もちろん、これらは現在の立ち位置を知るための重要な指標ですが、数字だけに注目してしまうことには大きなリスクがあります。
点数が良かったからといって、内容を完璧に理解しているとは限りません。たまたま得意な単元が出ただけかもしれませんし、勘で正解した問題があるかもしれません。
逆に、点数が悪くても、以前は解けなかった問題ができるようになっていたり、計算ミスなどの修正可能なエラーが原因だったりすることもあります。
結果の数字だけで「よい」「悪い」を判断せず復習を行い、次の学習につなげることが、成績アップへの近道です。
塾のテストは大きく分けて2種類
同じ成績を確認する試験であっても、それぞれの役割や活用法が異なるため、把握して受験することが大切です。
塾内テスト:日々の理解度と課題を確認するテスト
塾内テストは、主にその塾に通う生徒を対象に行われるテストです。日々の授業内容が定着しているかを確認する小テストや、定期的に行われる月例テスト、クラス分けテストなどがこれに該当します。
これらのテストの主な目的は、学習の抜け漏れがないかをチェックし、次の単元へ進む準備ができているかを確認することです。
出題範囲は直近に学習した内容に限られることが多いため、日々の復習をしっかり行いましょう。
塾内テストの結果を細かく分析することで、苦手な単元を早期に発見し、対策を打つことができます。
全国テスト:全国での位置と志望校との距離を知るテスト
全国テストは、塾の枠を超えて全国規模で実施されるテストです。いわゆる「模試」と呼ばれるものがこれにあたります。
多くの受験生が参加するため、自分の学力が全国的にどのくらいの位置にあるのか、志望校に対してどの程度の距離にあるのかを客観的に知ることができます。
出題範囲は広く、これまで学習した全範囲から出題されることが一般的です。そのため、短期的な暗記だけでは対応できず、応用力や総合的な学力が問われます。
受験本番に近い形式で行われることも多く、試験の雰囲気に慣れるための練習としても非常に有効です。
塾内テストは理解度と次の課題の仕分け作業に活用
ここからは、それぞれの詳しい目的や活用方法について解説していきます。
確認(実力)テストで日々の成果を確認
実施内容としては、これまでの学習に対しての復習が主になります。そのため、学校の試験のリハーサルのようなものといえるでしょう。
活用方法としては、間違った問題を見つけることによって次の課題を確認するためのきっかけにすることが大切です。
点数は気になるところですが、点数だけにフォーカスするのでは、せっかくの機会を活かしきれていません。
これからの課題やまだ学習が必要な点を見つけるための機会として、ポジティブに考え活用していきましょう。
大手塾ではクラス分けテストで学力の向上を目指す
入塾時や入塾後に実施することによって、そのときの学力に応じたクラスで受講できることを目指したものとなっています。
塾によってはクラス分けテストだけではなく、全国統一模試などの結果も含めてクラス分けをするケースもあります。
クラス分けテストを活用することによって、より効率よく学力の向上を目指せるだけではなく、上位クラスになるなど目に見えた結果でモチベーションを高く保持できるでしょう。
また、レベルの高い上位クラスでは、優秀で実力のある講師が教壇に立つことも多いため、より学力の向上を目指すのであれば、クラス分けテストに力を入れましょう。
レベルの高い塾の入塾テストは最初の受験
しかし、通う生徒が多い・レベルが高いといった塾では、レベルの振り分けが目的ではなく入塾して授業内容を理解できるかを測るための「入塾テスト」を実施しているケースもあります。
試験に合格しなくては塾に通うことすらできないため、入塾テストが持つ意味合いが大きく変わります。生徒にとっては最初の受験ともいえるでしょう。
四谷大塚など試験として入塾テストを実施している塾は、ある程度レベルの高い子どもが通っているため、難関校を狙っている場合などライバル同士としてモチベーションを保ちやすいというメリットがあります。
このように、塾によって入塾時のテストは目的が異なるため、あらかじめ下調べをしておくことをおすすめします。
塾のテストや対策講座を活用して学校の定期試験にも備える!
塾で実施されるテストで経験を積み、学校の定期試験でいい結果を残すことは、理想的なテストの活用方法のひとつです。
また、一例ですが以下の表のように定期試験対策として特別カリキュラムを組む塾があります。
◆定期試験対策を実施している塾
塾名 | 個別指導の明光義塾 | TOMAS | 個別指導のone塾 |
|---|---|---|---|
指導形態 | 個別指導 | 個別指導 | 個別指導 |
対策開始時期 | テスト範囲にあわせて開始 | 自由 | 約2週間前 |
対象 | ・複数のコースに分かれて対策 ・基本と応用問題への対応力の向上を目指す | ・マンツーマン指導 ・1回90分で回数は自由 | ・理解している部分と理解していない部分を仕訳し学習をすすめる ・oneトレを利用し間違った問題の理解力を深める |
TOMAS(トーマス)は、学校の授業進度やクラブ活動などの学校行事に合わせた、自由度の高い時間割で定期試験対策をおこなっています。苦手教科の点数を伸ばしたいなどといった要望に応じて指導するため、受講数も個人で設定することが可能です。
個別指導のone塾では、50,000題もあるデータベースから、間違った問題と似た問題を何度も復習する「Oneトレ」を活用し理解を深め定着を狙います。そのため、苦手意識の克服にも役立つでしょう。
定期試験対策を実施している塾は、個別指導の塾であることが多いです。個人にあった試験対策ができるため、学校の成績を伸ばしたいという方に塾のテストや定期試験対策は最適といえます。
全国テストは受験本番に向けた力試し
全国テストは、塾生以外にも小・中学生といった入塾していない生徒も受験可能であるため、自分の実力を測るために最適の試験です。無料で開催していることが多く、受験者数が多いのも特徴です。
また、中学・高校受験に焦点をあてた試験であるため、「記述力」や「思考力」が重視されています。
ただし、全国テストを実施している塾は限られています。そのなかでも、実施規模の大きい塾を小・中学生それぞれ2つずつ解説していきましょう。
塾生ではない方も受験できるので、ぜひ参考にしてみてください。
小学生を対象に全国規模で実施される「四谷大塚」
中学受験を目標として通塾する生徒が多いため、全国テストの問題の難易度としては高い傾向にあります。
また、ほかの塾に通う生徒、そして塾に通っていない一般小学生も受験することが多いため、全国的な実力を測る試験としても高く評価されているのが特徴です。
◆四谷大塚の全国テストの概要
名称 | 全国統一小学生テスト |
|---|---|
対象学年 | 小学1年生~小学6年生・年長生 |
開催期間 | 6月・11月 |
受験料 | 無料 |
試験形式 | マークシート形式(年長・小1・小2の一部は記述式) |
出題傾向 | 基礎力と応用力をバランスよく問う |
特徴 | ・全国テストのなかでは最も大規模 ・出題問題のレベルは高め |
特典 | ・小学3~6年生の上位30名に褒賞授与 ・決勝大会成績優秀者に賞品 ・入塾資格判定が可能 |
四谷大塚では、一度受験すると「全国統一小学生テスト会員」に登録され、次回開催日が近づくとお知らせが届くなど、受験漏れがないように配慮されています。
また、受験成績が記録されているため、受験するたびに偏差値など学力の推移を測ることが可能です。
「日能研」は問題がすべて記述式なのが特徴
そのため、全国テストの難易度としては中間程度であるものの、記述式の問題のみ出題されるため、「考えをまとめる力」や「答えを導き出す力」が問われます。
◆日能研の全国テストの概要
名称 | 全国テスト |
|---|---|
対象学年 | 小学1年生~小学5年生 |
開催期間 | 年複数回 |
受験料 | 無料 |
試験形式 | 記述式 |
出題傾向 | 応用力が重視される |
特徴 | 記述式の問題が多い |
特典 | 成績優秀者には特待生制度が適用される |
日能研の全国テストは、子どもがすぐに見返せるよう回答用紙は会場でスキャンし、採点をせずにその場で返却されるようになっています。
そして、試験の翌日にはスキャンした回答に採点したものと、講師からのメッセージが塾生専用サイトで配信されるなど、フィードバックが早いのが特徴です。そのため、今後の学習に素早く結果を取り入れられるテストとなっています。
難関校を目指す受験生におすすめしたい「駿台中学部」の全国テスト
大手予備校のひとつである駿台の中学生部門である駿台中学部では、「駿台中学生テスト」を実施しています。
駿台が築き上げてきた半世紀近い膨大なデータを基に、難関校にあわせたオリジナル問題が出題されており、難易度は高め。
駿台中学生テストは、塾生外からの受験者数も多く、全国テストとしては最大規模と称されています。
◆駿台中学部の全国テストの概要
名称 | 駿台中学生テスト |
|---|---|
対象学年 | 中学1年生~3年生 |
開催期間 | ・中学1~2年生:年4回 ・中学3年生:年6回 |
受験料 | ・中1・中2駿台学力テスト(3教科:5,700円) ・中3駿台高校受験公開プレテスト(3教科:6,400円) ・中3駿台高校受験公開テスト(3教科:6,400円、5教科:6,700円) |
試験形式 | 記述式 |
出題傾向 | 難関校にあわせたオリジナル問題 |
特徴 | 出題問題のレベルが高いため、偏差値が低く出る傾向がある |
特典 | ― |
駿台中学生テストの結果は、個人成績・資料などをあわせた冊子形式となっており、2週間程度で自宅に送付されます。
国公立・私立ともに難関校を目指している中学生が多く受験するため、ほかのテストに比べ偏差値が低く出る傾向にあります。
「東進ハイスクール」は中学生を対象に最大規模のテストを実施
四谷大塚で開催される「全国統一小学生テスト」と同様に、全国各地で受験をする中学生が多いため、最大級の全国テストといえます。
◆東進ハイスクールの全国テストの概要
名称 | 全国統一中学生テスト |
|---|---|
対象学年 | 中学1年~3年 |
開催期間 | 6月・11月 |
受験料 | 無料 |
試験形式 | マークシート方式 |
出題傾向 | ・中学1~2年:学習指導要領にそったもの ・中学3年:難関高校入試レベル |
特徴 | ・志望校はもちろん、大学入試を想定したランクがわかる ・細かい診断レポート |
特典 | 決勝大会成績優秀者に賞品 |
全国統一中学生テストでは、試験結果の診断レポートが特徴的です。
教科別・学年・全学年・都道府県など細かなジャンルに分け診断したものが送付されるため、自分の位置を明確に理解できます。
また、難関校合格までに必要な課題などを教科ごとに示したレポートを受け取れるため、これからの学習に役立てることができるでしょう。
子どもが塾のテストに「行きたくない」と言う原因と対処法
子どもが「塾のテストに行きたくない」と言い出したとき、親としては焦りや不安を感じるものです。しかし、頭ごなしに叱るのではなく、その背景にある気持ちに寄り添うことが解決への第一歩です。
子どもが塾のテストに行きたくないと嫌がるよくある理由
子どもがテストを嫌がる理由の多くは、「失敗することへの恐怖」です。以前のテストで点数が悪くて親に叱られた、友達に点数で負けて悔しかった、クラスが落ちるのが怖いといった経験がトラウマになっていることがあります。
また、部活動や他の習い事で疲れていて、勉強時間が十分に取れなかったという「準備不足への不安」から行きたくないと感じることもあります。
さらに、完璧主義な性格の子ほど、100点を取らなければ意味がないと思い込み、テストそのものを過度にプレッシャーに感じてしまう傾向があります。
親が避けたいNG対応と、代わりにかけたい言葉
子どもがテストを嫌がっているときに、親がやってはいけないのが「比較」と「脅し」です。
「〇〇ちゃんは頑張っているのに」「このままじゃ志望校に行けないよ」といった言葉は、子どもの自尊心を傷つけ、ますますテスト嫌いにさせてしまいます。
代わりにかけたいのは、プロセスを認める言葉や、不安を受け止める言葉です。「今回は準備時間が短かったから不安だよね」「結果はどうでもいいから、最後まで受けるだけで十分だよ」と、ハードルを下げてあげましょう。
また、テストが終わった後に「お疲れ様!頑張ったね」と、結果に関わらず労うことも大切です。
塾のテストを休んでもよいケースと、その際にやるべきこと
明らかに体調が悪い場合(発熱や激しい頭痛など)は、無理をさせずに休ませましょう。健康を害してまで受けるべきテストはありません。
テストを休む場合は、必ず事前に塾へ連絡を入れましょう。その際、追試や振替受験が可能かどうかも確認します。
もし振替ができない場合でも、後日問題用紙と解答をもらえるよう依頼しておくと、自宅で学習に役立てることができます。
塾のテストをできれば受けた方が良いケースと負担を軽くする工夫
単に「勉強していないから点数が悪そうで怖い」「面倒くさい」といった理由であれば、基本的には塾のテストを受けさせた方がよいでしょう。嫌なことから逃げずに取り組む姿勢を育てることも、塾に通う目的の1つだからです。
ただし、無理やり行かせるのではなく、「とりあえず座っているだけでいいよ」「今回は練習だと思って気楽に受けておいで」と、プレッシャーを取り除く声かけをして送り出しましょう。
また、どうしても塾に行くのが辛い場合は、自宅受験が可能な模試への切り替えを検討するのも1つの手です。
塾のテスト活用法まとめ
ただ点数に着目するのではなく、テストの内容や間違えた問題にフォーカスし、改善していくことが大切です。また、お子さんの学力を測りたい、志望校への合格可能性を見定めたいという場合には、全国テストに挑戦をしてみましょう。
記事内で紹介したように無料で開催されているものもあるので、気になる方はぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。
