「周りの子はみんな春期講習の申し込みをしたみたい…」「高い講習費用を払っても、結局身につかずに終わってしまうのが怖い…」
新学年への進級を控えたこの時期、多くの保護者が「春期講習を受けさせるべきか否か」という問題で頭を悩ませています。
中学受験や高校受験を目指す環境にいればなおさら、「受けない」という選択が取り返しのつかない遅れに繋がるのではないかという恐怖に近い不安を感じるのも無理はありません。
結論からいうと、春期講習は「全員が受けるべきもの」ではありません。 むしろ、目的なく惰性で参加させるくらいなら、思い切って「受けない」選択をし、家庭で質の高い学習をおこなうほうが成績が伸びるケースも多々あります。
本記事では、「春期講習を受けない判断基準」と「自宅学習で成果を出す具体的な戦略」を解説します。この記事を読み終える頃には、周囲の雑音に惑わされることなく、お子さんにとってベストな春休みの過ごし方を決断できているはずです。
- 春期講習を「受けない」選択はあり?後悔しないための判断基準
- 春期講習に行かない生徒の割合とよくある理由
- 春期講習を「受講すべき子」と「自宅学習でOKな子」の違い
- 偏差値別の考え方|成績が上位なら不要?下位なら必須?
- 塾の勧誘をどう捉えるべきか
- 春期講習を受けないメリット・デメリット
- 【メリット】苦手単元に絞った「自分専用」の学習ができる
- 【メリット】費用を抑え、新学年からの授業料や模試に充てられる
- 【デメリット】学習リズムの崩れと中だるみのリスク
- 【デメリット】塾のカリキュラムが予習型だった場合の遅れ
- 講習に行かずに成績を伸ばす場合の自宅学習戦略
- 塾のカリキュラムを逆算した単元別復習リストの作り方
- 新学年につながる重要単元に時間を割く
- 市販教材やオンライン学習を活用した低コストな代替案
- 生活リズムを死守する「家庭内タイムスケジュール」の鉄則
- 塾の春期講習を上手に断る方法と角を立てない伝え方
- 「家庭学習の定着」を理由にするのが最もスムーズ
- 塾との関係を悪化させないためのコミュニケーション術
- 講習は受けず「模試だけ受ける」という選択肢もある
- 【学年別】春期講習を受けない場合の影響や注意点
- 新小学6年生・新中学3年生:自分を律する仕組みづくりが必要になる
- 新中学1年生:中学校の先取り学習は自宅で可能
- 新中学2年生:最も中だるみしやすい
- 春期講習は目的の有無で決める|受けないなら学習準備を徹底しよう
春期講習を「受けない」選択はあり?後悔しないための判断基準
「講習を受けないなんて、受験を諦めたと思われるのでは?」と心配する必要はありません。
まずは、冷静に受講の必要性を判断するための基準を見ていきましょう。
春期講習に行かない生徒の割合とよくある理由
春期講習に参加しない生徒は一定数存在します。
その理由は、「苦手単元が明確なので、塾のカリキュラムより個別対策を優先したい」「新学年のスタート前に家族でリフレッシュする時間を持ちたい」など、非常に戦略的で前向きなものもあります。
春期講習を「受講すべき子」と「自宅学習でOKな子」の違い
春期講習を受講すべき子の特徴は、「一人では机に向かう習慣がない」「新学年の内容(2月・3月分)がまったく理解できていない」「ライバルがいないとやる気が出ない」というタイプです。
一方で、自宅学習でOKな子は、「自分の弱点がどこかわかっている(例:算数の割合が苦手、英語の不規則動詞が不安など)」「決められたスケジュール通りに自学できる」「塾の集団授業に無駄を感じている」というタイプです。
つまり、「自己管理能力」と「目的意識」の有無が最大の分岐点となります。
偏差値別の考え方|成績が上位なら不要?下位なら必須?
カリキュラムにもよりますが、成績上位層(偏差値60以上)の場合、塾の春期講習は「既に知っていることの確認」になってしまう場合があります。この層は、講習を休んで難問対策や弱点補強に時間を充てるほうが効率的な場合があります。
反対に成績下位層の場合、塾のスピードについていけず、講習が「ただ座っているだけの時間」になるリスクがあります。下位層こそ、塾の講習に行くよりも、プロ家庭教師や個別指導、あるいは親御さんのサポートによる「遡り学習」が必要なケースが多いのです。
塾の勧誘をどう捉えるべきか
塾側にとって春期講習は大きな収益源であり、また生徒を他塾へ流さないための「囲い込み」でもあります。
そのため、「受けないと新学期についていけなくなる」といった強い言葉で勧誘されることがありますが、お子さんの状況を見て判断するのが得策です。
塾のカリキュラムを確認し、それが「復習」メインなのか「新出単元(予習)」メインなのかを把握した上で、家庭の状況と照らし合わせる冷静さが求められます。
春期講習を受けないメリット・デメリット
春期講習を受けないメリットとデメリットを天秤にかけることで、後悔しない決断が可能になります。
【メリット】苦手単元に絞った「自分専用」の学習ができる
集団塾の講習は、良くも悪くも「平均的なカリキュラム」です。わが子が既にマスターしている単元に3時間かけることもあります。
春期講習を受けない最大のメリットは、その時間をすべて「本当にできない単元」に投入できることです。
【メリット】費用を抑え、新学年からの授業料や模試に充てられる
春期講習の費用相場は数万円、6年生になれば10万円近くになることもあります。
この費用を浮かせることで、4月以降の個別指導のスポット利用や、夏期講習、志望校判定模試などのここぞという出費に備えることができます。
【デメリット】学習リズムの崩れと中だるみのリスク
最大の懸念は、生活リズムです。塾という強制力がなくなることで、「昼まで寝ている」「ゲーム時間が延びる」といった状況になりやすく、4月の学校・塾再開時に体力や生活リズムが戻らないリスクがあります。
自宅学習を選択するなら、生活リズムの維持が親の最大の役割になります。
【デメリット】塾のカリキュラムが予習型だった場合の遅れ
もし通っている塾が「春期講習で新しい単元を進める」タイプ(予習型)だった場合、春期講習を受けないことで4月の授業開始時に「習っていない前提」で進んでしまうリスクがあります。
この場合は、講習のテキストだけを購入して自習するか、市販教材で補完しておく必要があります。
講習に行かずに成績を伸ばす場合の自宅学習戦略
春期講習を受けないからには、塾に通う以上の成果を目指しましょう。そのためには綿密な戦略が欠かせません。
塾のカリキュラムを逆算した単元別復習リストの作り方
2月・3月のマンスリーテストや小テストをすべて並べ、間違えた問題を単元別に集計してください。
「ケアレスミス」なのか「概念が理解できていない」のかを分類し、優先順位をつけましょう。この「自分だけの穴埋めリスト」こそが、春休みの最強の教科書になります。
新学年につながる重要単元に時間を割く
春休みに全教科を網羅しようとするのは失敗の元です。積み上げ科目である「算数(数学)」と「英語」を中心に時間を割きましょう。
- 算数(数学)は論理の土台を固める
例:小学4・5年生は「計算の工夫(分配法則など)」や「図形」の基礎、小学6年生は「比と割合」、中学生は「正負の数」と「文字式のルール」の完全定着など。 - 英語は言語のルールを再構築する
例:英単語の総復習、基本5文型の定着
これらが固まっているだけで、4月からの学習が驚くほどスムーズになります。
市販教材やオンライン学習を活用した低コストな代替案
塾のテキスト以外にも、優れた教材はたくさんあります。
たとえば、『スタディサプリ』などの月額制サービスを利用すれば、一流講師の授業を苦手な場所だけピンポイントで視聴できます。
また、AI教材『すらら』などの無学年方式の教材は、子どもの弱点を自動で診断してくれます。
これらを組み合わせることで、塾の講習費の10分の1以下のコストで同等以上の学習効果を得ることも可能です。
生活リズムを死守する「家庭内タイムスケジュール」の鉄則
塾の講習時間と同じ時間帯(例:午前9時〜12時)は、必ず机に向かうルールを徹底してください。
また、図書館の自習室や学習カフェを利用するなど、「場所を変える」ことで集中力を維持する工夫も有効です。
塾の春期講習を上手に断る方法と角を立てない伝え方
ここでは、塾側との関係を良好に保ちつつ、スマートに春期講習を辞退するためのノウハウを紹介します。
「家庭学習の定着」を理由にするのが最もスムーズ
角を立てずに伝える際、「本人が今の塾の課題を消化しきれておらず、この春休みは一歩止まって基礎を固め直したい」という説明をしましょう。
これは教育的にも正当な理由であるため、塾側も強く反論しにくくなります。「経済的な理由」や「塾への不満」を出すよりも、ずっと建設的です。
塾との関係を悪化させないためのコミュニケーション術
「春期講習は受けません、以上」で終わらせるのではなく、「4月からの通常授業には非常に期待していますし、本人のやる気も高まっています。この春休みで遅れを取り戻して、4月からまた頑張らせたいんです」など「前向きな意欲」をセットで伝えるのがコツです。
講習は受けず「模試だけ受ける」という選択肢もある
講習は辞退しても、講習後におこなわれる「講習テスト」や「実力判定模試」だけは外部受験や塾内受験を申し出てください。
これにより、自宅学習の成果を客観的に測ることができ、塾側にも「学習を継続している」という姿勢を示すことができます。
【学年別】春期講習を受けない場合の影響や注意点
学年によって、講習を受けないことの影響が異なります。
新小学6年生・新中学3年生:自分を律する仕組みづくりが必要になる
受験学年の場合、講習を受けないことは勇気のいる決断です。この時期の講習は、内容そのものよりも「受験生としてのスイッチを入れる」側面があります。
自宅学習を選択する場合は、模試の結果などで自分を律する強い仕組み作りが必要です。
新中学1年生:中学校の先取り学習は自宅で可能
この時期は「小学校の総復習」と「中学校の英語・数学の先取り」が必要です。実は、この内容は市販の「中学準備ワーク」などで十分対応可能です。
むしろ、塾で拘束されるよりも、英語のリスニング習慣をつけたり、読書をしたりする時間を確保する方が、後々の学力に寄与することもあります。
新中学2年生:最も中だるみしやすい
いわゆる「中2の壁」です。最も学習意欲が下がりやすい時期なので、受講しないとなると、まったく勉強しない空白期間になる恐れがあります。
この学年の場合は、短期集中(3日間だけなど)の講座や、1教科だけの受講といった「ハーフ受講」も検討の価値があります。
春期講習は目的の有無で決める|受けないなら学習準備を徹底しよう
春期講習を受けるか受けないか。その正解は、各ご家庭の状況によって異なります。
春期講習を受けないという選択は、決して「サボり」ではありません。それは、お子さんの現状を誰よりも理解している保護者の戦略の一つといえます。
受けないと決めたなら、今日から代替となる「春休みの自習プラン」を作成しましょう。学習計画や過ごし方を準備していれば、4月のクラス分けテストで驚くような結果を出し、「あの判断は正しかった」と納得することができるでしょう。
新学期に最高のスタートを切れるよう応援しています。
