「周りのお友だちはみんな春期講習に申し込んだみたいだけど、うちはどうしよう」「新学年が始まったばかりで、子どもが少し疲れている。春休みくらいゆっくりさせたいけれど、遅れてしまうのが怖い」
2月から新年度がスタートする中学受験塾において、春休みは大きな転換点です。保護者の方々の間では「春期講習は受けて当たり前」という空気が流れていますが、その一方で、わが子の現状や家庭の教育方針に照らして「受けない」という選択肢を真剣に考えている方も少なくありません。
結論からいえば、中学受験において春期講習を受けないという選択は、戦略的におこなえば十分に「アリ」です。 むしろ、目的なく惰性で参加させるよりも、家庭で弱点補強に徹したほうが、4月以降の偏差値を劇的に伸ばせるケースもあります。
そこで本記事では、春期講習を受けない場合の判断基準やメリット・デメリット、塾に行かずに成績を伸ばすための具体的な自宅学習戦略を解説します。
- 中学受験の春期講習を受けないのはアリ?
- 2027年入試に向けた春休みの重要性の変化
- 塾が受講と勧めてくる際の冷静な向き合い方
- 後悔しない!春期講習を受講する判断基準
- 春期講習を受講した方がよい子の特徴
- 春期講習を受講しなくてもよい子の特徴
- 学年別に見る春期講習を受講しないリスク
- 春期講習を受けないメリット・デメリット
- 【メリット】苦手科目だけに特化した対策が可能
- 【メリット】体力・精神面の回復と中だるみの防止
- 【メリット】講習費を節約し、志望校対策に回せる
- 【デメリット】学習リズムの崩壊と塾の友だちとの情報格差が生まれる
- 【デメリット】復習テストやマンスリーテストの順位が落ちる
- 講習に行かずに成績を伸ばす!春休みの自宅学習計画のヒント
- 塾のカリキュラムを逆算した弱点克服スケジュールを作る
- 重要単元の対策に重きを置く
- 低コストかつ高効率な学習方法を検討する
- 親が無理なくできる進捗管理とメンタルサポート
- 塾の春期講習を断る際の伝え方
- 「家庭学習の定着」を理由にするのがスムーズ
- 4月からの通常授業への意欲をアピールする
- 春期講習は受けなくてもよい!子どもにあった学習計画を立てよう
中学受験の春期講習を受けないのはアリ?
まずは、昨今の中学受験における春期講習を取り巻く環境を整理しましょう。
中学受験の世界では全員参加が必須のように思われがちですが、通塾している小学生の家庭であっても、季節講習費を支出していない層は一定数存在し、春期講習を「受講しない」あるいは「一部の科目のみ受講する」という選択をしています。
これは経済的な理由だけではなく、近年の個別最適化された学習スタイル(オンライン教材や個別指導へのシフト)の普及により、集団塾の一律なカリキュラムをあえてスキップし、わが子に必要な学習のみを戦略的に選択する家庭が増えていることを裏付けています。
決して「春期講習を受けない=脱落」ではなく、家庭学習の質を高めるための積極的な選択として定着しつつあります。
2027年入試に向けた春休みの重要性の変化
2027年入試を控えるご家庭にとって、春休みの位置づけは以前よりも質重視に変化しています。
近年の入試問題は、知識の詰め込みではなく「思考力・記述力」を問う傾向が強まっており、塾の大量のプリントをこなすだけの学習では対応できない場合もあります。
塾のカリキュラムを消化する期間ではなく、自分の頭で考えたり苦手な分野を理解したりする時間と定義し、あえて集団授業から離れる家庭もいるでしょう。
塾が受講と勧めてくる際の冷静な向き合い方
塾側が「春期講習は受講した方がよい」と強く勧めてくる場合、言われるがまま受講を決断してしまう方もいるでしょう。
塾の先生の言葉をすべて否定するわけではありませんが、「わが子の弱点を一番知っているのは誰か」という視点を忘れてはいけません。
もちろん、集団授業のカリキュラムについていくことも学力向上につながります。しかし、家庭で優先すべきは子どもの現状を理解すること。
子どもに必要な学習内容を整理し、冷静に判断を下す必要があります。
後悔しない!春期講習を受講する判断基準
春期講習を受けるべきかどうか、迷ったときの判断基準を明確にしましょう。
春期講習を受講した方がよい子の特徴
以下に当てはまるお子さんは、春期講習を受講した方がリスクは少ないでしょう。
- 自走できない子:
親が仕事で不在など、家に一人にすると全く勉強しない。また、YouTubeやゲームの誘惑に勝てない場合。 - 予習型カリキュラムの塾:
講習期間中に新出単元を進める塾の場合。4月からの授業では「習った前提」で進むため、未履修分野を作るリスクがある。
春期講習を受講しなくてもよい子の特徴
以下に当てはまる場合は、受けない選択がプラスに働く可能性があります。
- 弱点が特定できている子:
算数の「比」だけがどうしても苦手など、集団授業のペースよりも個別対策が必要な場合。 - 上位クラスの生徒:
塾の講習が既習範囲の復習に終始しており、本人にとって「時間の切り売り」になっている場合。 - 疲弊している子:
2月からの新学年スタートでオーバーワーク傾向にある子。ここで一度立ち止まり、学習環境を整理することが夏の天王山を乗り切る準備になります。
学年別に見る春期講習を受講しないリスク
学年ごとに、春期講習を受講しないことで考えられるリスクを整理しておきましょう。
新4年生は学習習慣を身につける時期なので、家族旅行や読書などの実体験を優先しても学力に悪影響はありません。
新5年生は、算数の重要単元が目白押しの時期です。受けない場合は、自宅でしっかりと基礎を固める必要があります。
新6年生は、「戦略的な不参加」が有効な時期でもあります。塾の全範囲復習に付き合うより、志望校の過去問を見据えた特定分野の補強をおこなうほうが意義が大きいといえるでしょう。
春期講習を受けないメリット・デメリット
春期講習を受けないメリットとデメリットを天秤にかけ、家庭でデメリットを補う環境が用意できるかどうか確認してみてください。
【メリット】苦手科目だけに特化した対策が可能
塾の講習は、得意な科目も苦手な科目も平均的に時間を割きます。
しかし、自宅学習なら「算数5:国語1」といった具合に、学習する割合を極端に配分できます。この選択と集中学習が短期間での成績向上につながります。
【メリット】体力・精神面の回復と中だるみの防止
2月から始まった新学年のカリキュラムは、学年が上がるごとに難易度が上がります。
春休みに塾から離れる時間を作ることで、精神的なゆとりが生まれ、4月以降の「中だるみ」を防ぐ効果があります。
【メリット】講習費を節約し、志望校対策に回せる
浮いた講習費で、プロ家庭教師の個別指導を数回受ける、あるいは夏休み以降の志望校別特訓の費用に充てることができます。
受験は長期戦です。教育資金の投入どころを戦略的に決めることで、受験を有利に進めることができるでしょう。
【デメリット】学習リズムの崩壊と塾の友だちとの情報格差が生まれる
学校もなく塾もない期間は、生活リズムが崩れやすくなります。
また、塾で配られるプリントや、先生が授業中に漏らす「入試の重要トピック」などの情報から取り残される不安も無視できません。
【デメリット】復習テストやマンスリーテストの順位が落ちる
講習を受けている子たちは、短期間に集中して演習量を積みます。そのため、講習直後のテストでは、自宅学習組の順位が一時的に下がる傾向にあります。
ここで親が動揺せず、「今は基礎を固める時期だから」とどっしり構えられるかが問われます。
講習に行かずに成績を伸ばす!春休みの自宅学習計画のヒント
講習を受けないと決めたなら、その時間を有意義な自習時間に変えなければなりません。
以下のような方法で自宅学習の計画を検討しましょう。
塾のカリキュラムを逆算した弱点克服スケジュールを作る
まずは2月・3月のマンスリーテストや小テストをすべて机に広げましょう。間違えた問題を「計算ミス」「理解不足」「未着手」に分類します。
春休みの目標は、このうち「理解不足」をゼロにすることです。1日のスケジュールは、塾の講習時間と同じ時間帯(例:午前9時〜12時)をメインの学習時間に設定します。
重要単元の対策に重きを置く
最新の入試でも、合否を分けやすいのは算数です。主な科目の重要単元は以下になります。
- 算数:4・5年生なら「特殊算の基礎」、6年生なら「速さ」「平面図形」。
- 国語:記述対策よりも、まずは語彙力の強化。
このように、積み上げが必要な科目の「穴」を埋めることに専念してください。
低コストかつ高効率な学習方法を検討する
塾の先生の授業が受けられない場合、映像授業でその穴を埋めることができます。
たとえば「スタディサプリ」なら、苦手な単元だけを、トップ講師の解説で視聴できます。
また、市販教材の「予習シリーズ(四谷大塚)」は、独学用として完成度が高いため、自宅学習に最適です。
これらを利用し、「わからないところを放置しない」仕組みを家庭で作りましょう。
親が無理なくできる進捗管理とメンタルサポート
親が勉強を教える必要はありません。親の役割は子どもに寄り添う「伴走者」です。
「今日は何ページまでやる?」と朝に確認し、夜に「できたね」とチェックするだけ。この進捗管理だけで、子どものサボりは防げます。
また、「塾に行っていないからダメだ」ではなく「自分で課題を見つけて偉いね」というポジティブな声かけを徹底してください。
塾の春期講習を断る際の伝え方
春期講習は受講しないと決めたとしても、普段お世話になっている塾に断りを入れるのに気が引けてしまう方もいるでしょう。
塾との関係性を維持しながら、スマートに春期講習を断る伝え方を紹介します。
「家庭学習の定着」を理由にするのがスムーズ
断る際に「お金がない」「内容が不満」と言うのはNGです。
「現在、塾の宿題を消化することに精一杯で、この春休みを使って、これまでの未消化分を家庭でじっくり定着させたいと考えています。」
説得力があり、塾側も「学習意欲がない」とは判断できない理由です。
4月からの通常授業への意欲をアピールする
電話一本で済ませるのではなく、連絡帳やメールで丁寧に伝えるのも一つの方法です。
「4月からの通常授業をより良い状態で迎えるための選択です。先生には引き続き通常授業でご指導をお願いしたい」というニュアンスを含めることで、担当講師との信頼関係を守ることができます。
春期講習は受けなくてもよい!子どもにあった学習計画を立てよう
中学受験における春期講習は、決して強制ではありません。
春期講習を受けなくても、家庭で毎日コツコツ学習し弱点を補強すれば、それが合格への最短ルートになります。
周囲が塾へ通う中、自宅で学習するのは親子ともに勇気が必要です。しかし、丁寧に設計した学習プランがあれば、4月以降もお子さんは自信をもって学習を続けることができるでしょう。
