「中学受験をするなら、やはり地元のトップ校を目指したい」「神奈川御三家という言葉は聞くけれど、それぞれの学校で何が違うの?」
神奈川県内にお住まいの方にとって、聖光学院、栄光学園、浅野、そしてフェリス女学院といった名門校は、憧れであると同時に非常に高い壁でもあります。
しかし、中学受験は単に偏差値が高い順に選べば良いというものではありません。特に神奈川御三家は、学校ごとに個性が驚くほどはっきりと分かれています。
わが子にあわない学校を選んでしまうと、入学後に「こんなはずじゃなかった…」と親子で後悔することになりかねません。
そこで、この記事では2026年度入試を見据えた最新情報をもとに、神奈川御三家の各校の特徴、入試傾向、そして合格を勝ち取るための併願戦略を徹底解説します。
- 神奈川御三家とは?男子校・女子校それぞれの顔ぶれ
- 男子御三家:聖光学院・栄光学園・浅野
- 女子御三家:フェリス女学院・横浜雙葉・横浜共立学園
- 東京の御三家と何が違う?神奈川独自の入試日程と特徴
- 【男子御三家】各校の校風と進学実績・入試傾向
- 聖光学院:圧倒的な進学実績を誇る、手厚い指導と「紳士」の教育
- 栄光学園:広大な敷地で「自走」を促す、キリスト教精神と自由な校風
- 浅野:文武両道を地で行く、伝統的な「九転十起」の精神と堅実な進学校
- 【入試分析】算数の思考力か、総合的なスピード感か?
- 【女子御三家】各校の校風と進学実績・入試傾向
- フェリス女学院:自由と自立を重んじる、神奈川女子最高峰の伝統校
- 横浜雙葉:カトリックの教えに基づいた、品格と学力を磨く教育
- 横浜共立学園:落ち着いた環境で「誠実」な人間性を育む進学校
- 【入試分析】記述力重視のフェリス、正確性が問われる横浜雙葉・共立
- 神奈川御三家合格のための偏差値と最新倍率推移
- 近年の倍率変動から見る「狙い目」と「激戦」の傾向
- 後悔しない併願戦略!神奈川御三家と東京・共学校の組み合わせ
- 午後入試や2月2日以降の戦略:洗足学園・慶應普通部・中大横浜など
- わが子にあうのはどこ?神奈川御三家選びのチェックリスト
- 通学時間だけじゃない!坂道や環境も重要なポイント
- 大学合格実績の「中身(現役合格率・学部傾向)」を比較する
- 校風を深く知ることが神奈川御三家合格への近道
神奈川御三家とは?男子校・女子校それぞれの顔ぶれ
「御三家」という言葉は、もともとは東京の伝統校(開成・麻布・武蔵など)を指すものでしたが、神奈川県内でもトップクラスの進学実績と伝統を誇る学校をまとめてこう呼びます。
まずは、その顔ぶれと全体像を把握しましょう。
男子御三家:聖光学院・栄光学園・浅野
神奈川の男子中学受験界において、頂点に君臨するのがこの3校です。
- 聖光学院(横浜市中区):圧倒的な東大合格実績を誇る、県内最難関校。
- 栄光学園(鎌倉市):広大なキャンパスと独特の教育哲学を持つカトリック校。
- 浅野(横浜市神奈川区):質実剛健な校風で、文武両道を重んじる進学校。
かつては「栄光・聖光」の2強時代が長かったですが、近年は浅野の進学実績と人気が非常に安定しており、この3校を併願する受験生も多くなっています。
女子御三家:フェリス女学院・横浜雙葉・横浜共立学園
女子の場合は、横浜の山手エリアに校舎を構える伝統校3校を指し、「横浜山手御三家」とも呼ばれます。
- フェリス女学院(横浜市中区):自由な校風とキリスト教精神を重んじる、女子の最高峰。
- 横浜雙葉(横浜市中区):カトリックの規律ある教育と、品格を大切にする伝統校。
- 横浜共立学園(横浜市中区):プロテスタントの誠実な教育で、堅実な進学実績を出す実力校。
いずれも明治時代に創立された歴史を持ち、独自の教育文化を色濃く残しています。
東京の御三家と何が違う?神奈川独自の入試日程と特徴
東京の御三家は、男子・女子ともに「2月1日」に入試が集中しており、基本的に1校しか受験できません。
しかし、神奈川男子御三家の最大の特徴は「併願が可能」である点です。
つまり、2月1日に開成や麻布(東京)を受け、2日に聖光や栄光を受け、3日に浅野を受けるという「3日間連続のトップ校受験」が可能なのです。これが、神奈川の入試が非常にハイレベルかつ戦略的になる理由です。
【男子御三家】各校の校風と進学実績・入試傾向
男子校3校は、驚くほどタイプが異なります。「どこが一番か」ではなく「どこがわが子にあうか」という視点で見ていきましょう。
聖光学院:圧倒的な進学実績を誇る、手厚い指導と「紳士」の教育
現在、神奈川県内で最も勢いがあるのが聖光学院です。2024年度の東大合格者数は100名の大台に乗り、全国的にもトップクラス。
- 校風:カトリックの流れを汲みつつも、非常に「面倒見が良い」のが特徴。塾に通わずとも学校の指導だけで難関大を目指せる体制が整っています。
- 環境:校舎は非常にモダンで、ICT教育も最先端。文化祭(聖光祭)の盛り上がりは県内随一です。
栄光学園:広大な敷地で「自走」を促す、キリスト教精神と自由な校風
鎌倉の山の上にある栄光学園は、聖光学院とは対照的な「自由と自律」の学校です。
- 校風:イエズス会を母体とし、生徒一人ひとりの精神的な成長を重視します。制服はあるものの、校則は最小限。自分を律して学ぶ「自走する力」が求められます。
- 環境:裸足で走り回れる広大なグラウンドや、隈研吾氏デザインの木の温もりあふれる校舎など、環境の豊かさは唯一無二です。
浅野:文武両道を地で行く、伝統的な「九転十起」の精神と堅実な進学校
浅野は、「打倒・聖光、栄光」ではなく、独自の浅野らしさで根強い人気を誇ります。
- 校風:創立者・浅野総一郎の「九転十起(何度失敗しても立ち上がる)」を校訓とし、泥臭く努力することを厭わない土壌があります。部活動も盛んで、まさに「文武両道」。
- 環境:JR新子安駅から徒歩圏内とアクセスが良く、3校の中で最も「普通の男の子」が伸び伸びと過ごせる雰囲気があります。
【入試分析】算数の思考力か、総合的なスピード感か?
入試においても3校の傾向は異なります。
- 聖光学院:
算数の難度が高く、処理能力と高い思考力の両方が求められます。社会・理科も知識の深さが問われ、弱点がないことが絶対条件です。 - 栄光学園:
算数は非常に独特で、数理的なセンスや記述力が問われます。国語も骨太な文章が出題され、「地頭の良さ」を試す試験内容です。 - 浅野:
基本〜標準問題を確実に解き切る力が重要です。ただし、近年は難化傾向にあり、特に算数は聖光・栄光に劣らない思考力が必要になっています。
【女子御三家】各校の校風と進学実績・入試傾向
女子の御三家は、長い歴史の中で育まれた「教育の質」と「校風」に強い誇りを持っています。
フェリス女学院:自由と自立を重んじる、神奈川女子最高峰の伝統校
「For Others」をモットーとするフェリス女学院は、生徒の自主性を何よりも尊重します。制服がない時期があったほど自由で、自立した女性を育てる校風です。
入試では記述力が重視され、自分の意見を論理的に述べる力が求められます。
横浜雙葉:カトリックの教えに基づいた、品格と学力を磨く教育
非常に落ち着いた、清楚な雰囲気を持つのが横浜雙葉です。少人数教育で生徒一人ひとりに目が届きやすく、丁寧な指導がおこなわれます。
近年、入試日程を複数回にするなど柔軟な変化も見せており、伝統を守りつつ進化している学校です。
横浜共立学園:落ち着いた環境で「誠実」な人間性を育む進学校
「堅実」という言葉が最も似合うのが横浜共立です。学習面での指導が非常にしっかりしており、大学進学実績も安定しています。
規律を重んじる校風があり、真面目にコツコツと努力できる生徒に向いています。
【入試分析】記述力重視のフェリス、正確性が問われる横浜雙葉・共立
女子3校においても入試の傾向は異なります。
- フェリス女学院:
全教科で記述量が多く、思考過程を問う問題が並びます。 - 横浜雙葉・共立:
標準的な問題をミスなくスピーディーに解く力が重要です。特に横浜共立は、理科・社会の知識の正確さが合否を分けます。
神奈川御三家合格のための偏差値と最新倍率推移
2026年度入試を目指す上で、現在の立ち位置を知る指標となるのが偏差値です。
【2026年度入試予想】主要塾の偏差値一覧(80%ライン)
| 学校名 | 四谷大塚(結果/予想) | 日能研(R4予想) |
|---|---|---|
聖光学院(1次) | 70 | 69 |
栄光学園 | 67 | 67 |
浅野 | 64 | 64 |
フェリス女学院 | 62 | 62 |
横浜雙葉(1次) | 56 | 56 |
横浜共立学園(A) | 55 | 54 |
※偏差値は2025年実施模試の最新データ(2026年度入試予測値)を参照。
※横浜雙葉と横浜共立(A)は、入試日程や模試のタイミングにより偏差値が拮抗しています。近年は横浜雙葉が2月1日・2日の複数回入試を導入した影響もあり、偏差値・倍率ともに上昇傾向にあります。
近年の倍率変動から見る「狙い目」と「激戦」の傾向
男子では、聖光学院の偏差値上昇が止まらず、東京の開成を辞退して聖光に進む層が一定数存在する「県内最高峰」の地位を固めています。
浅野は入試が2月3日1回きりであるため、1日・2日の上位校併願者が殺到します。実質倍率は2倍強ですが、上位校併願者が多いため合格ラインが非常に高く、わずかなミスが命取りになる激戦が続いています。
後悔しない併願戦略!神奈川御三家と東京・共学校の組み合わせ
神奈川の入試は、さまざまな併願パターンが考えられます。
【2月1日にどこを受ける?「東京御三家」との併願パターン】
- パターンA(最難関狙い):1日 開成(東京)→ 2日 聖光1次 → 3日 浅野
- パターンB(神奈川第一志望):1日 駒場東邦 or 早稲田 → 2日 聖光1次 or 栄光 → 3日 浅野
- パターンC(女子最難関):1日 フェリス → 2日 横浜共立B or 横浜雙葉 → 3日 慶應中等部
※最新情報は各校の公式サイトをご確認ください。
午後入試や2月2日以降の戦略:洗足学園・慶應普通部・中大横浜など
最近のトレンドは「午後入試」の活用です。
2月1日の午後に算数1教科入試(広尾学園、東京都市大付属など)で合格を確保し、2日以降の御三家入試に精神的余裕を持って臨むのが成功の鍵です。
また、共学志向が強い場合は、山手学院や中央大学附属横浜を組み合わせるケースも増えています。
わが子にあうのはどこ?神奈川御三家選びのチェックリスト
最後に、偏差値以外の判断軸を整理しましょう。
通学時間だけじゃない!坂道や環境も重要なポイント
神奈川の学校は、山手や大船など坂道の上にあることが多いです。6年間通うことを考え、必ず一度は親子で実際に歩いてみてください。
「この景色の中で過ごしたい」という直感は、受験勉強の大きなモチベーションになります。
大学合格実績の「中身(現役合格率・学部傾向)」を比較する
東大の合格数だけでなく、「現役でどのレベルに受かっているか」「医学部に強いか」など、出口戦略もチェックしましょう。
たとえば、聖光は東大に圧倒的に強いですが、浅野は現役でのGMARCH・早慶合格層が非常に厚いといった特徴があります。
校風を深く知ることが神奈川御三家合格への近道
神奈川御三家は、どこも素晴らしい教育を提供する超名門校です。しかし、その中身は驚くほど多様です。
「偏差値が届いているから」という理由だけで選ぶのではなく、文化祭や学校説明会に足を運び、そこにいる生徒たちの表情を見てください。
わが子がこの制服を着て、この校庭を歩いている姿が想像できる学校こそが、第一志望にすべき学校です。
中学受験は、合格がゴールではありません。入学後の6年間を最高のものにするために、ぜひ広い視野で最高の一校を見つけてください。