この記事では、自己推薦書の定義や書き方、書くことがないときの探し方、例文、提出前のチェックポイントまで解説します。実際の文字数や様式は学校ごとに異なるため、募集要項の確認も含め、執筆の参考にしてください。
- 自己推薦書とは?志望理由書との違いと役割
- 志望理由書との違い
- 学校推薦型選抜や総合型選抜で自己推薦書が必要な理由
- 自己推薦書作成のスケジュールと必要な事前準備
- 自己推薦書に書くことがない場合の対処法と内容例
- 自己推薦書の基本構成と評価される書き方の手順
- 結論から伝える書き出し(序論)の書き方
- 根拠となる具体的なエピソード(本論)の書き方
- 入学後の目標や展望(結論)の書き方
- アピールポイント別に見る自己推薦書の構成例文
- 部活動・クラブ活動をアピールする構成例文
- 委員会・生徒会活動をアピールする構成例文
- 資格・検定取得をアピールする構成例文
- 自己推薦書の書き方で注意したいポイント
- アドミッション・ポリシーとの関連性の具体的な説明
- 自己分析による自分自身の強みの把握
- 論理的に伝えるためのPREP法などの活用
- 学校や大学が課す指定フォーマットの確認
- 抽象的な表現を避けた具体的なエピソードの記載
- 虚偽や誇張を避けた事実に基づく記載
- 例文の丸写しや生成AI出力のそのままの提出の回避
- 第三者による内容や誤字脱字の添削と提出前確認
- 自己推薦書に関するよくある質問
- Q. 手書きとパソコンどちらで作成するべきですか?
- Q. 指定された文字数の何割まで書くべきですか?
- Q. 志望理由書と内容が重複しても問題ないですか?
- 自己推薦書は募集要項を確認して自分の言葉で仕上げよう
自己推薦書とは?志望理由書との違いと役割
自己推薦書とは、自分の強みや経験、学び、適性を、志望校のアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)や選抜趣旨と関連づけて伝える書類です。
学校推薦型選抜や総合型選抜で受験する際に、提出を求められることがあります。自身の経験や強み、長所などを交えて記載するのが一般的です。
字数の目安として以下のような例がありますが、あくまで一例ですので、実際の文字数は募集要項や指定様式を優先してください。
2027年度(令和9年度)入試においても、広島市立大学、群馬大学、福井県立大学などで自己推薦書や活動報告書等の名称・様式が選抜ごとに異なることが確認できます。
すべての学校推薦型選抜・総合型選抜で必須とは限らないため、必ず志望校の要項を確認しましょう。
志望理由書との違い
自己推薦書と似た書類として「志望理由書」があります。
上述したように、自己推薦書は「自分がどのような人間か」ということを出願学校にアピールする書類です。
一方で、志望理由書は「自分がなぜこの学校を志望するのか」を記載する書類であり、性質が異なります。
ただし、この2つを固定的に分けすぎる必要はありません。
自己推薦書でも志望理由や入学後の計画を問われることがあり、志望理由書でも自分の経験や強みを根拠として示すことがあります。
名称だけで判断せず、学校側が指定する設問や記入項目に従って作成することが大切です。
学校推薦型選抜や総合型選抜で自己推薦書が必要な理由
学校推薦型選抜(旧:推薦入試)や総合型選抜で学校側が自己推薦書を提出させるのは、自己推薦書を通して「出願者の人間性や人物像」を把握するためです。
学校推薦型選抜や総合型選抜において、学校側は受験生の学力だけではなく、人物面も評価の対象としています。
学校には「求める人物像(アドミッション・ポリシー)」があり、学校推薦型選抜や総合型選抜ではその方針を理解し共感する出願者を受け入れたいと考えています。
自己推薦書は、自分の経験や人となりを文章を通じて伝えることで、自身の経験・学び・入学後の目標とアドミッション・ポリシーとの関連を具体的に説明するためのものです。
これらの書類は、面接などとあわせて総合評価に用いられることがあります。
自己推薦書作成のスケジュールと必要な事前準備
自己推薦書を作成するためには、以下のようなステップが必要です。
それぞれにどれくらいの時間がかかるかは人によりますが、添削を受けて修正する工程は何回か繰り返す必要があります。
添削・修正の時間を確保するための目安として、自己推薦書の提出締切の1か月くらい前には、「初稿」を完成させておくと安心です。
個人差はありますが、1週間に1度のペースで「添削・修正」を繰り返せば、余裕をもって提出用の書類を仕上げることができます。
1週間に1度のペースで「添削・修正」をするのが難しい方や、もう少し添削回数を増やしてもらいたい方は、スケジュールを前倒しして考えるとよいでしょう。
いずれにせよ、どのようなスケジュールを組むかは人それぞれなので、納得のいく自己推薦書を書き上げられるように早めに考え始めることが重要です。
自己推薦書に書くことがない場合の対処法と内容例
「自己推薦書に書くことがない」と悩んでいる場合は、日常のささいな経験を見落としている可能性があります。目立つ実績がなくても焦る必要はありません。
日々の学習、委員会や部活動での役割、家庭・地域での役割、資格取得の過程、あるいは失敗からの改善などから、自分なりの行動や工夫、学びを十分に掘り下げられます。
どうしても記載内容に悩んでしまうという方は、以下の項目を参考に自己推薦書に記載すべき内容とそれに関連するエピソードやテーマを考えてみてください。
自己推薦書の基本構成と評価される書き方の手順
自己推薦書を作成する際は、「序論・本論・結論」の3段構成で書くのが基本です。文章の構成を明確に分けることで、読み手にとって論理的でわかりやすい内容になります。
まずは序論で自分の強みやアピールポイントを提示し、続く本論でそれを裏付ける具体的なエピソードを展開します。そして最後の結論で、入学後の目標や将来の展望につなげる流れが王道です。
この基本構成を意識することで、面接官にしっかりと熱意が伝わる、説得力のある自己推薦書を作成できます。
結論から伝える書き出し(序論)の書き方
序論では、自分が最もアピールしたい強みや特徴を簡潔に宣言します。
たとえば、「私の強みは、目標達成に向けて計画的に努力を継続できる力です」といったように、一文目で結論を伝えることが大切です。
ダラダラと過去の背景から書き始めてしまうと、結局何が言いたいのかが読み手に伝わりにくくなってしまいます。
冒頭で面接官の興味を引きつけ、「この受験生をもっと知りたい」と思ってもらうためにも、結論からスッキリと書き出すことを心がけてください。
根拠となる具体的なエピソード(本論)の書き方
本論では、序論で述べた自分の強みを裏付ける具体的なエピソードを記載します。
部活動や委員会などでの経験を振り返り、「どのような課題があり、どう考え、どのような行動を起こしたか」を具体的に書くことが重要です。
たとえば「県大会出場を目指し、毎日の練習メニューを独自に改善した」のように、自分ならではの工夫や行動を盛り込むのがポイント。客観的な事実や数字を交えて詳細に語ることで、アピールポイントの説得力が一段と高まります。
入学後の目標や展望(結論)の書き方
結論では、自分の強みや経験を活かして、入学後にどう活躍したいかという将来の展望を述べます。
単に「入学したら勉強を頑張りたいです」と書くのではなく、「高校での〇〇の経験を活かし、貴学の△△プロジェクトに貢献したい」など、志望校の特色と結びつけることが重要です。
自分の経験や目標と、出願校が求める人物像との関連性をしっかりと説明しましょう。過去の経験から未来への意欲へとつなげることで、前向きで魅力的な自己推薦書が完成します。
アピールポイント別に見る自己推薦書の構成例文
ここでは、部活動、委員会、資格取得など、よくあるアピールポイント別の例文を紹介します。
自分の経験に近いものを参考にしながら、具体的なエピソードや志望校への熱意を自分自身の言葉に置き換えてみてください。
例文はあくまで構成例です。そのまま書き写すのではなく、構成や言い回しの参考として活用し、自身の事実に基づかない記載にならないよう注意してください。
自分らしいオリジナルの自己推薦書を作成するためのヒントとして、ぜひ役立ててください。
部活動・クラブ活動をアピールする構成例文
部活動での経験は、協調性や継続力、リーダーシップをアピールするのに最適です。
実績そのものよりも、目標に向けた過程での努力や工夫を強調するようにしましょう。
委員会・生徒会活動をアピールする構成例文
委員会や生徒会での活動は、責任感や企画力、周囲を巻き込む力を伝えるのに効果的です。
具体的な数字を入れることで、成果がより明確に伝わりやすくなります。
資格・検定取得をアピールする構成例文
資格や検定の取得は、目標に向けた計画性や継続的な学習意欲をアピールできます。
資格取得に向けた具体的な学習プロセスを記載することがポイントです。
自己推薦書の書き方で注意したいポイント
自己推薦書は、学校推薦型選抜や総合型選抜において、面接などとあわせて総合評価に用いられる重要な書類です。
自己推薦書を通して自分という人間を適切に評価してもらうために、作成時には以下の点に注意しましょう。
アドミッション・ポリシーとの関連性の具体的な説明
自分の経験や目標と志望校との関連を具体的に説明するためには、まず出願学校のことを知らなければなりません。
各学校が掲げる「アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)」や建学の精神、力を入れている分野などを把握し、自己推薦書に記載する内容をそれらと関連づけることが大切です。
たとえば、「グローバルに活躍できる人材を育てる」ということに力を入れている学校であれば、語学学習への取り組みや異文化交流の経験を踏まえた内容を記載できるとよいでしょう。
自身の経験や学びが、学校の求める人物像とどのように関連しているかを具体的に説明しやすくなります。
自己分析による自分自身の強みの把握
自己推薦書は自分をアピールするための書類です。自分自身のことを深く理解してから作成することが大切です。
自分自身のことを知るために、「モチベーショングラフ」を活用してみてください。モチベーショングラフとは、これまでの人生を振り返り、モチベーションの変化にフォーカスして整理する方法です。
過去の行動や感情に対して「なぜ?」という気持ちをもって考えることで、自分自身を客観的に分析できます。自分自身の価値観や性格を適切に把握するのに役立ててください。
論理的に伝えるためのPREP法などの活用
自己推薦書の中身はもちろん大事ですが、その中身をわかりやすく伝える表現方法も意識しましょう。
文章をわかりやすく伝えるための選択肢の一つとして、「PREP法」を活用するのも有効です。
PREP法とは文章構成方法のひとつで、以下のような順番で文章を構成することを指します。
ただし、PREP法は必須の型ではありません。
重要なのは、設問に応じて以下の項目を一貫させることです。
論理的な構成を用いることで、相手に伝わりやすくよい印象を与えられる文章を作成できるでしょう。
学校や大学が課す指定フォーマットの確認
自己推薦書作成のために課されるフォーマットは、学校や大学・学部、さらには選抜方式ごとに異なります。
既定のフォーマットがある場合は、公式サイトや出願サイトからダウンロードして漏れなく記入しましょう。
その際、字数制限の有無や必要書類の有無などを確認し全体のイメージをつかんだうえで記載を進めるようにしてください。
抽象的な表現を避けた具体的なエピソードの記載
これまでの経験や頑張ったことをアピールするためには、なるべく具体的なエピソードを盛り込むことが重要です。
たとえば、部活のキャプテンとして県大会優勝に導いたエピソードを自己推薦書に記載するとしましょう。このとき、「キャプテンとしてチームのみんなを引っ張り県大会優勝まで導いた」と記載するだけでは具体性が欠けています。
「上級生と下級生が風通しよく意見を言い合える環境を作るために、定期的に話し合いの場を設けた」や「県大会優勝というゴールを目指すために短期で達成すべき目標を設定し、そのために必要な練習内容を一から考案した」など、自分がどのような形でその取り組みに関わったかがわかるような内容の記載が必要です。
読み手に伝わりやすい工夫として、以下を心がけましょう。
虚偽や誇張を避けた事実に基づく記載
自己推薦書は自分のことを志望校に評価してもらうための書類なので、なるべくよい内容を書きたいと思うのは当然の心理です。
しかし、少しでも良く見せようとして虚偽の内容や過度な誇張を記載してはいけません。
たとえば、生徒会役員として働いていたことをアピールしたい場合に、役職が副会長だったのにもかかわらず「生徒会長として学校全体をまとめて…」というような虚偽の記載をするようなことは避けましょう。
面接では自己推薦書の内容について質問されることがあり、その際の受け答えで自己推薦書の内容が嘘や誇張であることがわかると、矛盾が生じてしまいます。
虚偽の内容や確認できない内容を記載すると、不利益につながる可能性があります。面接で説明できる事実に基づいて、具体的に記載しましょう。
例文の丸写しや生成AI出力のそのままの提出の回避
自己推薦書を作成する際、インターネット上の例文をそのまま丸写ししたり、生成AIが出力した文章をそのまま提出したりすることは避けましょう。
自分の経験に基づいていない内容を提出すると、虚偽申告につながるリスクがあります。
面接で深掘りされた際に、自分の言葉で具体的な状況や感情を説明できず、評価を下げる原因になりかねません。
例文や生成AIはあくまで構成の参考として活用し、必ず自分の経験や表現に直すことが重要です。
なお、生成AIの利用に関する方針は学校ごとに異なります。各大学の最新の募集要項や公式FAQを確認し、使用の可否や範囲を必ず確認してください。
生成AIを利用した場合でも、記載する内容は自分で確認した事実に限り、最終的な責任は本人が負います。
第三者による内容や誤字脱字の添削と提出前確認
上述したようなことを意識して、一度自分で自己推薦書を完成させましょう。出来上がった書類を提出する前に、学校の先生や塾の講師など第三者に添削してもらいましょう。
自分では筋の通った内容になっていると感じても、初めて読む人からすれば読みにくい内容になっている場合があります。
また、自分のことをよく知ってくれている方であれば、自己推薦書に記載するべきよりよい内容を提案してくれる可能性も考えられます。
第三者に確認してもらう際は、以下のポイントを意識しましょう。
これらをブラッシュアップすることで、よりよい自己推薦書を完成させられるでしょう。
自己推薦書に関するよくある質問
ここでは、自己推薦書を作成する際、多くの受験生が抱くよくある疑問について解説します。
細かい指定やルールは学校によって異なるため、まずは募集要項をしっかり確認することが大前提となります。
よくある疑問を解消し、不安をなくした状態で自信を持って自己推薦書の作成を進めましょう。
Q. 手書きとパソコンどちらで作成するべきですか?
手書きとパソコンのどちらで作成すべきかは、学校からの指示に従うのが基本です。
募集要項や出願サイト、所定様式の注意事項をよく確認し、指定がある場合は必ずそれに従ってください。
近年はWeb出願の普及により、パソコンでの入力を必須・推奨する学校も増えています。
もし指定がなく、どちらで作成すべきか迷った場合は、入試担当窓口に問い合わせて確認するのが確実です。
手書きの場合の筆記具や訂正方法についても、所定様式や募集要項の指示に従い、不明点があれば入試担当窓口へ確認するようにしましょう。
Q. 指定された文字数の何割まで書くべきですか?
文字数については、学校側が定めた文字数制限と指定欄を必ず守り、必要な内容を過不足なく具体的に書くことが重要です。
「〇〇字以上」という下限の指定がある場合は、必ずその文字数を超えなければなりません。
「〇〇字以内」という指定の場合は、制限文字数を1文字でも超えるのはルール違反となります。
指定された枠や文字数の条件を満たしたうえで、自分の強みや志望校への意欲がしっかりと伝わるように内容を充実させることを意識しましょう。
Q. 志望理由書と内容が重複しても問題ないですか?
結論から言うと、自己推薦書と志望理由書で内容の一部が重複すること自体は問題ありません。
たとえば、自己推薦書で「部活動で培ったリーダーシップ」をアピールし、志望理由書で「そのリーダーシップを活かして貴学の〇〇プロジェクトに参加したい」と記載する場合、根拠となる経験が同じになるのは自然なことです。ただし、同じ文章を使い回すのは避けましょう。
自己推薦書では「自分の強みや経験」に比重を置き、志望理由書では「その学校を志望する理由や入学後の目標」に比重を置くなど、それぞれの書類の目的にあわせて書き分けることが大切です。
自己推薦書は募集要項を確認して自分の言葉で仕上げよう
自己推薦書は、学校推薦型選抜や総合型選抜などで「自分がどのような人間か」を出願校に伝えるための書類です。
自分の経験や学び、入学後の目標と志望校のアドミッション・ポリシーとの関連を具体的に説明するための書類なので、自己推薦書を書くにあたっては志望校の校風や選抜趣旨、自分の性格や価値観を適切に把握しなければなりません。
これまでの人生で自分がどのようなことに力を入れてきたか、その結果どのようなことを学んだかを自己推薦書の内容に落とし込んで、読み手に伝わりやすいような文章を構成しましょう。
提出する書類は面接などとあわせて総合的に評価されるため、虚偽や誇張のない、自分自身の言葉で語れる内容に仕上げる必要があります。
学校や塾の先生に添削をお願いして、客観的な視点から内容や構成をブラッシュアップし、自信を持って提出できる自己推薦書を完成させましょう。


