「進学したいけれど学費が足りない」「親に負担をかけず、自分で教育ローンを利用したい」と考える方もいるでしょう。
結論からいうと、教育ローンを学生本人が借りられるケースは一部に限られます。多くは保護者が契約者となるため、まずは奨学金や授業料・入学金の減免などの公的支援もあわせて確認することが大切です。
この記事では、学生本人でも教育ローンを利用できるのかをはじめ、教育ローンと奨学金の違い、利用条件、学生が利用できる教育資金の調達方法についてわかりやすく解説します。進学後の返済負担をできるだけ抑えるためにも、自分にあった制度を見つける参考にしてください。
- 教育ローンは学生本人でも借りられる?
- 学生本人が契約できる教育ローンは限られている
- 多くの教育ローンは保護者が契約者になる
- 学生本人が借りられるケースとは
- 教育ローンとは?奨学金との違い
- 教育ローンの特徴
- 奨学金との違い
- 学生ローンとの違い
- 学生本人が利用できる主な教育資金の調達方法
- 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
- 国の教育ローン(保護者が契約)
- 銀行の教育ローン
- 学生本人向けローン
- 大学独自の奨学金・授業料減免制度
- 学生本人が教育ローンを利用するための条件
- 安定した収入が求められる場合が多い
- 年齢条件を満たしている必要がある
- 信用情報も審査対象になる
- 保証人が必要になるケースもある
- 教育ローンの審査で見られるポイント
- 学生本人が教育ローンを利用するメリット・デメリット
- メリット① 必要なタイミングで教育資金を準備できる
- メリット② 自分で返済計画を立てられる
- デメリット① 学生本人では利用できる商品が少ない
- デメリット② 卒業後の返済負担がある
- 学生本人が教育資金を準備するときの注意点
- 借りられる金額だけで判断しない
- 卒業後の返済額をシミュレーションする
- 奨学金と教育ローンを併用できるか確認する
- 金利や返済期間を比較する
- 教育ローンが利用できない場合の対処法
- 奨学金を利用する
- 授業料減免制度を利用する
- 教育ローンを保護者名義で申し込む
- 学費の分納・延納制度を利用する
- 教育ローンに関するよくある質問
- まとめ
教育ローンは学生本人でも借りられる?
教育ローンを検討している学生の多くが、「自分名義で借りられるのか」という疑問を抱えています。
結論からいうと、学生本人が契約できる教育ローンは一部に限られ、多くの教育ローンでは保護者が契約者になります。
ここでは、学生本人が利用できるケースと利用できないケースについて詳しく解説します。
学生本人が契約できる教育ローンは限られている
一般的な教育ローンは、安定した返済能力がある人を対象としているため、契約者は保護者になるケースがほとんどです。
特に銀行の教育ローンや日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は、学生本人ではなく保護者が申し込む制度となっています。
一方で、一部の金融機関では、一定の年齢条件や安定した収入などを満たす学生本人を対象とした教育ローンを取り扱っています。ただし、利用条件は金融機関ごとに異なるため、事前に確認することが大切です。
多くの教育ローンは保護者が契約者になる
教育ローンは、学費や入学金など教育費の負担を軽減することを目的としたローンです。そのため、返済能力が十分にある保護者を契約者とする商品が多く、学生本人は資金の利用者という位置づけになります。
たとえば、日本政策金融公庫が取り扱う「国の教育ローン」は、学生本人ではなく、主に保護者が申し込みをおこなう制度です。国の教育ローンには、世帯年収(所得)や利用目的などの条件があります。年収要件は子どもの人数などによって異なるため、申込前に日本政策金融公庫の最新条件を確認しましょう。
学生本人が借りられるケースとは
学生本人が教育ローンを利用できるケースとしては、次のような例があります。
たとえば、アルバイトや就職して一定の収入を得ている場合は、学生本人でも申し込めるローンが見つかることがあります。
ただし、「学生であれば誰でも借りられる」というわけではありません。年齢や収入、勤務状況などが審査対象となるため、利用できる商品は限られます。
教育ローンとは?奨学金との違い
教育資金を準備する方法には、教育ローンだけでなく奨学金や大学独自の支援制度など、さまざまな選択肢があります。
それぞれ仕組みや返済方法が異なるため、違いを理解したうえで自分にあう制度を選ぶことが重要です。
教育ローンの特徴
教育ローンとは、入学金や授業料、教材費、アパートの家賃など、教育にかかる費用を借り入れるためのローンです。
金融機関によって利用条件は異なりますが、一般的には審査後に必要な金額を一括または分割で借り入れ、商品によっては在学中から返済が始まるものや、在学中は利息のみ返済できるものなどがあります。
借り入れまでの期間が比較的短く、必要なタイミングで資金を用意しやすい点が特徴です。
奨学金との違い
| 項目 | 教育ローン | 奨学金 |
|---|---|---|
| 主な契約者 | 保護者(一部は学生本人) | 学生本人 |
| 実施主体 | 金融機関など | 日本学生支援機構・地方自治体・大学など |
| 利用目的 | 教育費全般 | 学費・生活費など |
| 返済開始 | 商品によって異なる | 貸与型は卒業後からが一般的 |
教育ローンと奨学金の主な違いは、契約者、資金を受け取る時期、返済開始時期、金利や支援内容です。教育ローンは入学前後の資金準備に使いやすい一方、奨学金は学生本人が利用する制度が中心で、貸与型は卒業後に返還が始まるのが一般的です。
特に給付型奨学金は、学業や家計など一定の要件を満たすことで利用でき、授業料等減免制度とあわせて利用できる場合もあります。
学生ローンとの違い
教育ローンと混同されやすいものに「学生ローン」があります。学生ローンは、学生本人を対象とした使い道が比較的自由なローンです。一方、教育ローンは教育費に限定して利用することが前提となっています。
また、学生ローンは教育目的以外にも利用できる場合がありますが、その分、金利や返済条件は商品ごとに大きく異なります。
教育費を準備したい場合は、教育ローンや奨学金も含めて比較し、自分にあう制度を選ぶことが重要です。
学生本人が利用できる主な教育資金の調達方法
教育資金を準備する方法は、教育ローンだけではありません。学生本人が利用できる制度のなかには、返済負担を抑えられるものや、家庭の状況に応じて支援を受けられるものもあります。
ここでは、代表的な教育資金の調達方法を紹介します。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
学生本人が教育資金を準備する方法として、まず検討したいのが日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。
JASSOの奨学金には、大きく分けて「給付型」と「貸与型」の2種類があります。
「給付型奨学金」は返済が不要で、世帯収入や学業成績などの条件を満たした学生が対象です。また、高等教育の修学支援新制度の対象者になると、給付型奨学金と授業料・入学金の減免をあわせて受けられます。2025年度の制度拡充もあるため、対象校や世帯要件などの最新情報はJASSOや文部科学省の公式案内をご確認ください。
一方、「貸与型奨学金」は卒業後に返還が必要ですが、教育ローンと比べて金利負担が小さい制度です。第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)があり、家計基準や学力基準などを満たす必要があります。
進学前から予約採用を申し込めるため、進学を予定している人は早めに学校へ相談するとよいでしょう。
国の教育ローン(保護者が契約)
国の教育ローンは、日本政策金融公庫が取り扱う教育資金融資制度です。
利用目的は、大学や短期大学、専門学校などへの入学金や授業料だけでなく、教科書代やパソコン購入費、自宅外通学に必要な住居費など幅広い教育費が対象となります。
ただし、契約者は学生本人ではなく保護者です。また、利用には世帯年収などの条件が設けられているため、利用を検討する際は最新の条件を確認しましょう。
学生本人が契約する制度ではありませんが、保護者と相談しながら教育費を準備したい場合には有力な選択肢です。
銀行の教育ローン
銀行でも教育ローンを取り扱っています。銀行の教育ローンは、金利や借入可能額、返済期間などが金融機関ごとに異なるため、複数の商品を比較することが大切です。
なお、多くの商品では契約者を保護者としているため、学生本人だけで申し込めるケースは多くありません。また、銀行ごとに審査基準も異なるため、申し込み前に利用条件や返済計画を十分確認しておきましょう。
学生本人向けローン
一部の民間金融機関では、学生本人が申し込める商品があります。ただし、一般的な教育ローンではなく、別の商品類型にあたる場合もあります。
利用目的、金利、返済期間、手数料、遅延時の負担まで確認し、教育費に使える商品かどうかをよく確かめましょう。
教育費として利用できるかどうかだけでなく、返済総額や返済期間も確認し、無理のない返済計画を立てることが重要です。
大学独自の奨学金・授業料減免制度
大学や短期大学、専門学校では、独自の奨学金制度や授業料減免制度を設けている場合があります。
対象となる条件は学校によって異なりますが、学業成績が優秀な学生や、経済的支援が必要な学生を対象としているケースが多くみられます。また、災害や家計急変などを理由に一時的な支援を受けられる制度を設けている学校もあります。
制度内容は各学校で異なるため、進学予定の学校や在学中の学校の学生支援窓口で確認してみましょう。
学生本人が教育ローンを利用するための条件
学生本人が教育ローンを利用したい場合は、「学生だから借りられる」と考えるのではなく、金融機関が定める条件を満たしているか確認することが重要です。
ここでは、多くの金融機関で審査時に確認される代表的なポイントを紹介します。
安定した収入が求められる場合が多い
学生本人向けの教育ローンでは、安定した収入を条件としている商品が少なくありません。
たとえば、継続してアルバイトをしている場合でも、勤務期間や収入状況によっては審査対象となることがあります。一方で、収入がほとんどない場合は、返済能力が十分ではないと判断され、審査に通りにくくなる可能性があります。
年齢条件を満たしている必要がある
教育ローンには年齢制限が設けられています。18歳以上を対象とする商品もあれば、20歳以上を条件としているものもあるため、事前に確認が必要です。
18歳以上は成人のため、民法上は原則として保護者の同意なく契約できます。一方で、教育ローンの申込可否は金融機関ごとの年齢、収入、在学状況、保証人などの条件や審査によって決まります。17歳以下が契約する場合は、原則として保護者の同意が必要です。
信用情報も審査対象になる
金融機関は、申し込み時に信用情報を確認します。過去にローンやクレジットカードの支払い遅延がある場合は、審査へ影響する可能性があります。
学生であっても、契約者本人として申し込む以上、信用情報は重要な審査項目です。
保証人が必要になるケースもある
商品によっては、保証人や保証会社の利用が必要になることがあります。保証人が必要な場合は、誰が保証人になれるのか、保証人にはどのような責任が生じるのかを事前に確認しておくことが大切です。
保証会社を利用する商品では、保証料が必要になる場合もあるため、借入金額だけでなく諸費用も含めて比較しましょう。
教育ローンの審査で見られるポイント
教育ローンでは、年齢や収入だけでなく、勤続年数や信用情報、借入状況なども総合的に審査されます。
金融機関によって審査基準は公表されていませんが、返済能力を判断するために複数の要素が確認されます。
学生本人が教育ローンを利用するメリット・デメリット
教育ローンは、進学に必要な資金を準備する有効な手段ですが、借り入れである以上、返済義務が生じます。
制度のメリットだけを見るのではなく、デメリットも理解したうえで利用を検討することが大切です。
メリット① 必要なタイミングで教育資金を準備できる
教育ローンの大きなメリットは、入学金や授業料など、まとまった教育費が必要なタイミングに資金を準備しやすいことです。
大学や専門学校への進学では、入学前にまとまった費用が必要になるケースも少なくありません。教育ローンを利用することで、自己資金だけでは不足する場合に進学資金を準備できることがあります。ただし、利用には所定の条件や審査があり、返済負担も生じます。
また、授業料だけでなく、教材費やパソコン購入費、自宅外通学にかかる住居費など、教育に必要な幅広い費用へ利用できる商品もあります。
メリット② 自分で返済計画を立てられる
学生本人が契約できる教育ローンであれば、自分自身で返済計画を立てながら利用できます。
将来の収入や卒業後のライフプランを見据えて返済方法を考えられるため、「いつまでに返済するか」という見通しを立てやすい点もメリットです。
ただし、返済期間が長くなるほど支払う利息も増えるため、無理のない返済計画を立てることが重要です。
デメリット① 学生本人では利用できる商品が少ない
教育ローンの多くは保護者が契約者となるため、学生本人が利用できる商品は限られています。また、学生本人向けの商品であっても、年齢や収入など一定の条件を満たさなければ利用できません。
「学生だから申し込める」と考えるのではなく、利用条件を十分確認したうえで申し込みましょう。
デメリット② 卒業後の返済負担がある
教育ローンは借りたお金であるため、返済が必要です。卒業後に就職しても、家賃や生活費などさまざまな支出が発生します。そのため、教育ローンの返済額が大きいと、家計への負担になる可能性があります。
特に複数の制度を併用している場合は、卒業後の返済総額を事前に確認し、無理のない借入額に抑えることが大切です。
学生本人が教育資金を準備するときの注意点
教育資金を準備するときは、「借りられるかどうか」だけではなく、「卒業後も無理なく返済できるか」という視点が欠かせません。
ここでは、教育ローンを利用する前に確認しておきたいポイントを紹介します。
借りられる金額だけで判断しない
借入可能額が大きいからといって、上限まで借りる必要はありません。借入額が増えるほど返済総額や利息も増えるため、本当に必要な金額だけを借りることが大切です。
入学金や授業料だけでなく、手元の自己資金や利用できる支援制度も含めて検討しましょう。
卒業後の返済額をシミュレーションする
教育ローンを利用する前に、毎月の返済額や返済期間を試算しておくことが重要です。
金融機関では返済シミュレーションを公開している場合もあるため、卒業後の収入を想定しながら、無理なく返済できる金額かどうかを確認しましょう。
返済期間が長いほど毎月の返済額は少なくなりますが、総返済額は増える傾向があります。
奨学金と教育ローンを併用できるか確認する
教育資金は、教育ローンだけで準備する必要はありません。JASSOの奨学金や大学独自の奨学金、授業料減免制度などを組みあわせることで、借入額を抑えられる場合があります。
まずは返済不要の給付型奨学金や授業料減免制度を確認し、不足する分を教育ローンで補う方法を検討するとよいでしょう。
金利や返済期間を比較する
教育ローンを選ぶ際は、金利だけでなく返済期間や繰上返済の可否、保証料の有無なども比較しましょう。
一見すると金利が低い商品でも、保証料などを含めると総返済額が大きくなることがあります。複数の商品を比較し、総合的に判断することが大切です。
教育ローンが利用できない場合の対処法
教育ローンの審査に通らなかった場合でも、進学をあきらめる必要はありません。
公的な支援制度や学校独自の制度を利用できる可能性があるため、ほかの方法もあわせて検討しましょう。
奨学金を利用する
教育ローンを利用できない場合は、まずJASSOの奨学金を確認しましょう。
給付型奨学金の対象になれば返済の必要がなく、貸与型奨学金も比較的利用しやすい教育資金のひとつです。募集時期が決まっているため、早めに学校へ相談することをおすすめします。
授業料減免制度を利用する
大学や専門学校によっては、授業料や入学金の減免制度を設けています。
また、高等教育の修学支援新制度では、対象となる学生に対して授業料・入学金の減免がおこなわれます。利用条件は学校や制度によって異なるため、最新情報を確認しましょう。
教育ローンを保護者名義で申し込む
学生本人が契約できなくても、保護者が契約者となる教育ローンを利用できる場合があります。
国の教育ローンや銀行の教育ローンは、この方法で利用されるケースが一般的です。学生本人だけで判断せず、保護者とも相談しながら資金計画を立てることが大切です。
学費の分納・延納制度を利用する
大学や専門学校では、学費の分納や延納制度を設けている場合があります。一括で納付することが難しい場合でも、学校へ相談することで支払い方法を変更できるケースがあります。
制度の有無や申請方法は学校によって異なるため、学生課や学務課などの窓口へ早めに相談しましょう。
教育ローンに関するよくある質問
ここでは、学生本人が教育ローンを検討する際によくある疑問について回答します。
まとめ
学生本人が教育ローンを利用する際に押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 学生本人が契約できる教育ローンは一部に限られます
- 18歳以上でも、申込条件や審査は金融機関ごとに異なります
- まずは給付型奨学金や授業料・入学金の減免など、返済不要または負担の軽い支援を確認しましょう
- 借入額は卒業後の返済まで見据えて必要最小限に抑えることが大切です
- 申込前に必ず公式サイトで最新条件を確認しましょう
教育費は決して小さな負担ではありません。しかし、利用できる制度を正しく理解し、自分にあった方法を選ぶことで、進学の選択肢を広げることができます。
まずは返済不要の給付型奨学金や授業料減免制度などの公的支援を確認し、それでも不足する場合に教育ローンを検討すると、卒業後の返済負担を抑えやすくなります。
制度は変更されることがあるため、申込前に文部科学省、日本学生支援機構(JASSO)、日本政策金融公庫、各金融機関の公式サイトで最新情報を確認しましょう。