この記事では、浪人生・現役生で異なる定期券の扱い、購入時の必要書類、学校法人の予備校や補助制度の確認ポイントを解説します。予備校に毎日通う予定がある方は、ぜひ参考にしてください。
予備校の通学定期券は買える?現役生と浪人生の違い
ただし、現役生(高校生)と浪人生(高卒生)で扱いが異なります。
現役生の場合、すでに高校用の通学定期券を持っています。
鉄道会社の規定で通学定期券の二重発行は原則認められていないため、高校の通学経路から外れる区間は、一般の「通勤定期券」などを購入して通うことになります。
一方、浪人生の場合は、通う予備校やコースが鉄道会社の「指定学校」として扱われ、通学証明書などを用意できれば、予備校生として通学定期券を購入できます。
自身の状況にあわせて、利用できる定期券の種類を事前に確認しておきましょう。
学校法人が運営する予備校は「通学定期券」を購入できる
予備校への定期券を購入する場合、「通学定期券」と「通勤定期券」のどちらを選べばよいのかわからない方もいるのではないでしょうか。
「通学定期券」とは、学校や各種学校、専修学校に通学する際に発行されるものです。通勤定期券よりも割引率が高いのが特徴。
通学定期券を購入できるのは、JRなど各鉄道会社が定める「指定学校」に在籍する生徒です。学校法人かどうかだけでなく、利用する鉄道会社で指定学校として扱われるかを確認することが大切です。
では、例を挙げて定期券の料金を確認してみましょう。
【定期券代の例(JR中央線の吉祥寺駅 - 新宿駅間)】
| 期間 | 切符代(※) | 通勤定期 | 通学定期(大学生) |
|---|---|---|---|
| 1か月 | ¥10,400 | ¥7,840 | ¥5,960 |
| 3か月 | ¥31,200 | ¥22,340 | ¥16,990 |
| 6か月 | ¥62,400 | ¥41,630 | ¥32,210 |
※1か月に20日間往復した場合で計算
※2026年7月時点での運賃。普通運賃はきっぷ運賃260円で計算
月に20日間通うと仮定すると、定期券を購入する場合・しない場合で3か月で1万円以上、6か月で3万円以上交通費に差がつきます。
JRのみでこれだけ費用が変わりますので、私鉄や地下鉄など、ほかの鉄道事業者との乗り換えが発生した場合、費用の差はより大きくなります。通学定期券を購入できるのであれば、積極的に利用しましょう。
学校法人の予備校とは?
そうなると次に気になるのが、学校法人の予備校がどの程度あるのかという点ではないでしょうか?
通学定期券を購入できるか確認するには、運営形態だけでなく、在籍するコースや校舎が鉄道会社の指定学校として扱われるかを調べる必要があります。
公式サイトやパンフレットに運営会社が書いてある場合が多いので確認しておきましょう。
有名な予備校の運営会社がどのような形態であるかをまとめたのが下表になります。
【大手予備校の運営団体】
| 学校名称 | 団体種類 |
|---|---|
河合塾 | 学校法人 |
駿台予備学校 | 学校法人 |
代々木ゼミナール | 学校法人 |
東進ハイスクール | 株式会社 |
四谷学院 | 株式会社 |
武田塾 | 株式会社 |
「三大予備校」とも称される河合塾・駿台・代々木ゼミナールは学校法人が運営をおこなっています。
なお、パンフレットや公式サイトでははっきりわからない場合は、文部科学省のWebサイトでも確認が可能です。文部科学省の情報では学校種別や設置者を確認できますが、通学定期券の可否は利用する交通機関や在籍コースの扱いもあわせて確認しましょう。
予備校通いのために通学定期券を購入する際の注意点
通学定期券を購入できるかどうか事前に確認したい方は、利用する鉄道会社に直接問いあわせ、通う校舎と利用する路線を告げて確認するのが一番確実な方法です。
それ以外にも、定期券を購入する際は以下の点に注意しましょう。
購入できる区間は決まっている
通学定期券を購入できる区間は、自宅の最寄り駅から通学する校舎の最寄り駅までの区間のみです。それ以上の区間や関係ない区間に関しては、購入できません。
もし区間に変更がある場合は、変更後の区間が記載された通学証明書などの提出が必要になります。
窓口などで必要書類を提出する必要がある
通学定期券を購入するためには、各鉄道会社の窓口へ行く必要があります。
学校や予備校で発行される「通学証明書」もしくは「通学定期券購入兼用証明書」の提出が求められるため、忘れずに持参しましょう。
【提出が必要な書類】
※ 鉄道会社によっては申込書の記載が必要な場合があります
通う予備校ごとに対応が異なる
指定学校として扱われる予備校では通学定期券を購入できる場合がありますが、予備校やコースによって条件が異なる点に注意してください。
ここでは、大手予備校である駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナールを例に挙げて詳細を解説します。
駿台予備学校:4月に入学しなければ購入できない
この通学証明書を持って利用路線の発売窓口へ行きましょう。ただし、後期から通学をする生徒は通学定期券の対象ではありません。
通常運賃で通うより、通勤定期券を購入したほうが交通費はお得になりますので、購入しておきましょう。
なお、横浜市営地下鉄では、通学定期券を購入できる学校に通っている方を対象に、学習塾に通うための定期券制度があります。
河合塾:校舎ごとに対応が異なる
6月以降の入塾は対象外ですが、一部の交通機関では5月入塾も対象です。秋葉原館、藤沢館の2つの校舎に通う場合は、交通機関の規定により通学定期券を購入できません。
ただし、秋葉原館、藤沢館の2校舎に通う方は、申請をおこなえば通学定期券と通勤定期券の差額分を補助してもらえます。詳しくは入塾が決まった後に送付される「入塾関係書類」で確認するようにしましょう。
代々木ゼミナール:サテライン校舎は通学定期を購入できないので注意
代々木ゼミナールで注意したい点は、「代ゼミサテライン予備校」に関してです。これは、各地の校舎で代々木ゼミナールの本部校舎などでおこなわれている講座を映像で受けることができる校舎です。
ただし、この代ゼミサテライン予備校は、代々木ゼミナールとフランチャイズ契約をしている塾などになります。学校法人ではない場合も含まれており、その場合は通学定期券を購入できないことが多いため注意が必要です。
こういったフランチャイズ契約の校舎に通うことを検討している方は、まず通う校舎に問いあわせておきましょう。
東進などその他の予備校の対応状況
通学定期券の対象となるのは、各鉄道会社が認める「指定学校(主に学校法人)」に通う生徒に限られるためです。
そのため、これらの予備校に通う場合は、一般の「通勤定期券」を購入して通学することになります。
ただし、通学定期券が使えない代わりに、独自の交通費補助制度を設けている予備校もあります。詳細については、次の項目で解説します。
学校法人でない場合に利用できる割引制度・補助金制度
株式会社が運営する予備校では、通学定期券の対象外になることが多いため、入学時の割引や校舎ごとの交通費補助の有無を確認しましょう。
とくに高卒生向けコースは、設置校舎や年度によって案内内容が変わるため、最新の入学規定や学費規定での確認が必要です。
確認したいのは、入学時の割引やキャンペーンの有無です。金額や対象者は年度・校舎・コースによって異なるため、申し込み前に確認しましょう。
たとえば、東進ハイスクールの高卒生本科コースは新宿校に集約されているため、通学費の扱いも通う校舎の最新案内を確認しましょう。
交通費補助や定期券の差額補助がある場合も、対象期間や申請条件が定められることがあります。補助対象になるかどうかは、実際の通学区間と年度ごとの規定で確認しましょう。
確認時は、以下の点を見ると安心です。
条件を満たしたうえで申請が必要な場合もあるため、入学時に案内書類を確認しておきましょう。
補助や割引は後日申請となる場合もあります。領収書や定期券情報など、申請に必要な書類は早めに確認して保管しておきましょう。
予備校で通学定期券を発行してもらえなかった場合の対処法
予備校や受講コースによっては通学定期券が発行されないこともあります。
その場合でも、交通費を抑える工夫や別の方法を考えることで、無理なく通塾を続けることができます。
通勤定期券や各社の割引サービスを利用する
通学定期券が使えない場合でも、通勤定期券は誰でも購入できます。費用は通学定期より高くなりますが、1回ずつ運賃を支払うよりはお得です。
交通機関によっては、回数券型の割引やポイントサービスを利用できる場合もあります。また、先述のとおり、予備校によっては交通費の補助をおこなっているところもあります。
通勤定期と通学定期の差額を補填してくれたり、授業料から一定額を交通費として差し引いたりと、内容はさまざまです。事前に問い合わせてみるとよいでしょう。
学校や自宅の近くの予備校を選ぶ
予備校に通う目的では通学定期券を買えなくても、現役高校生であれば「学校に通うための通学定期券」は購入できます。そのため、学校のそばにある予備校を選べば、通学定期券以外に交通費をかけることなく通えるでしょう。
浪人生の場合は、自宅の最寄り駅周辺や自宅近くにある予備校に通えば、交通費を余分にかけずにすみます。
移動時間も短縮できるので、勉強時間を確保しやすくなる点もメリットです。徒歩や自転車で通えるエリアの予備校から選ぶとよいでしょう。
通う頻度によっては定期券が不要な場合もある
通学定期券は、毎日予備校に通う方に向いている制度ですが、通う回数が少ない場合はかえって割高になることがあります。
たとえば週5日で通学するならお得ですが、授業コマ数が少ない場合やオンライン授業を組みあわせている場合など、毎日通学する必要がない場合は注意が必要です。
このようなケースでは、通常運賃や各社の割引サービスのほうが安くなる場合もあります。受講スタイルにあわせて、定期券を購入するかどうかを慎重に検討しましょう。
まとめ
一般的には学校法人であれば、ほぼ購入できると考えていいでしょう。ただし、地域や路線によっては対象外となっているケースもありますので、気になる方は利用する鉄道会社に問いあわせてみましょう。
学校法人の場合でも購入対象者となるのは、通年その校舎に通う生徒のみであるケースが多いので、入学の際の案内書などで確認するようにしましょう。
学校法人ではない場合でも、通学費用の補助制度のあるケースもあります。補償に関しては出席率などの条件が付く場合もありますので、こちらも確認が必要です。
予備校の授業料は決して安いものではありません。授業料以外でかかる経費を抑えられるのであればぜひ利用したいところです。
ただし、運営が学校法人かどうかを理由に予備校を決めるのは本末転倒です。予備校選びは開催しているコースや、合格者数、そしてご自身の勉強方法やスタイルにあった予備校を選ぶようにしてください。