「旧帝大とはどの大学を指す?」「早慶やほかの国立大学と比べて難易度はどう違う?」と疑問を持つ受験生も多いでしょう。旧帝大は、現在の東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・東北大学・九州大学・北海道大学の7校を指す通称です。
この記事では、旧帝大の意味や各大学の特徴、入試難易度の見方、他大学群との違いをわかりやすく整理します。志望校選びと受験準備にお役立てください。
- 旧帝大(きゅうていだい)とは?定義と対象の7大学
- 旧帝大は公式な大学分類ではない
- 対象となる7大学
- 金岡千広・5Sなどほかの国立大学との違い
- 【大学別】旧帝大7校の特色を紹介
- 【東京大学】科類と進学選択制度
- 【京都大学】自由の学風と幅広い研究分野
- 【大阪大学】実学の伝統と4つのキャンパス
- 【名古屋大学】基礎研究と産学連携
- 【東北大学】研究第一主義と門戸開放
- 【九州大学】伊都キャンパスを中心とする教育研究
- 【北海道大学】総合入試とフィールド科学
- 旧帝大の偏差値・難易度【2027年度入試】
- 2027年度入試の偏差値・共通テスト得点率
- 共通テストの目標得点率は方式ごとに決める
- 入りやすい「穴場」は固定されていない
- 旧帝大の序列は?早慶・MARCHとの比較
- 旧帝大と早慶の違い
- 旧帝大とMARCH・関関同立の違い
- 旧帝大の医学部を選ぶときの注意点
- 旧帝大に進学するメリット|研究・進路・学費
- 幅広い就職先と進学先
- 大規模な研究環境
- 学費は大学ごとの最新情報を確認する
- 旧帝大に合格するための受験対策
- 共通テスト対策は科目別の目標を設定する
- 個別試験は大学別の記述対策を進める
- 現役生・浪人生とも2027年度の条件で準備する
- 旧帝大は7校の違いを理解して選ぼう
旧帝大(きゅうていだい)とは?定義と対象の7大学
受験情報で使われる「旧帝大」は、かつての帝国大学を前身とする7つの国立大学を指す通称です。
大学が定めた公式な大学群ではありませんが、歴史や研究規模、入試難易度を説明するときに広く使われる呼称です。
旧帝大は公式な大学分類ではない
帝国大学は、近代日本の高等教育・研究を担うため、帝国大学令などに基づいて設置されました。制度上は、現在の日本国外に置かれた京城帝国大学と台北帝国大学を含めて9校が存在しました。
現在の日本の大学受験で「旧帝大」と呼ぶ場合は、国内にある7つの国立大学を指すのが一般的です。旧帝大という呼称は歴史的な沿革を示すもので、現在の大学の公式な序列ではありません。
7大学はいずれも学部・大学院を幅広く備え、基礎研究から社会実装まで多様な研究をおこなっています。ただし、得意分野、教育制度、キャンパス環境、入試方式は大学ごとに異なります。
対象となる7大学
旧帝大として一般に挙げられる大学は、以下の通りです。
東京大学と京都大学だけでなく、各地域に立地する大学にも全国から受験生が集まります。大学群の名称だけで判断せず、志望学部の学問分野や入試科目まで確認しましょう。
金岡千広・5Sなどほかの国立大学との違い
「金岡千広」や「5S」も受験情報で使われることがある通称です。旧帝大との違いとして、研究規模や大学院組織が挙げられることはありますが、大学群だけで教育内容や入試難易度を一律に順位づけすることはできません。
科学研究費助成事業(科研費)の配分額では旧帝大が上位に入る年度が多く、大規模な研究設備や研究者層を持つことがわかります。一方、特定分野では旧帝大以外の大学が強い研究拠点を持つ場合もあります。
受験校を比較するときは、同じ学問分野・入試日程・選抜方式で、偏差値、共通テスト得点率、科目、配点を比べましょう。研究環境は、教員や研究室、共同利用設備、大学院への進学状況まで見ると判断しやすくなります。
【大学別】旧帝大7校の特色を紹介
旧帝大7校は、それぞれ異なる歴史と教育制度を持っています。ここでは受験生が比較するときに押さえたい特徴を紹介します。
【東京大学】科類と進学選択制度
東京大学の一般選抜では、文科一類・二類・三類、理科一類・二類・三類の科類ごとに募集します。入学後は教養学部前期課程で学び、所定の条件と成績に基づく進学選択を経て後期課程の学部・学科へ進みます。
専門を入学時に完全に固定せず、教養教育を通じて進路を考えられる点が特徴です。ただし、進学先ごとに要件や定数があるため、希望する分野が決まっている場合は進学選択の条件も確認しておく必要があります。
本郷・駒場・柏など複数のキャンパスがあり、学年や所属組織によって学ぶ場所が変わります。志望する学部の教育内容とキャンパスをあわせて確認しましょう。
【京都大学】自由の学風と幅広い研究分野
京都大学は、「自由の学風」を基本理念の一つとして掲げています。学生の自主性を重んじる教育環境があり、人文・社会科学から自然科学、医療分野まで幅広い学部・研究科を置いています。
ノーベル賞受賞者を含む研究者を輩出してきた実績がありますが、大学選びでは受賞者数だけでなく、現在の研究室やカリキュラムを確認することが大切です。
主なキャンパスは、吉田・宇治・桂で、所属によって利用する施設が異なります。研究テーマを深く掘り下げたい受験生は、学部から大学院までの教育体系も比較するとよいでしょう。
【大阪大学】実学の伝統と4つのキャンパス
大阪大学は、適塾や大阪帝国大学などの歴史を受け継ぐ総合大学です。医学・理学・工学だけでなく、人文社会科学や外国語分野まで幅広い教育組織を持っています。
主な拠点は、豊中・吹田・箕面・中之島の4キャンパスです。旧大阪外国語大学との統合により外国語学部を置き、専攻語と地域研究を組み合わせた教育もおこなっています。
学部間でキャンパスが分かれるため、所在地や移動方法、学年による通学先の変化を確認しておきましょう。関西の企業や研究機関との共同研究もおこなわれていますが、就職先は学部や専攻によって異なります。
【名古屋大学】基礎研究と産学連携
名古屋大学は、東山キャンパスを中心に教育研究をおこなう総合大学です。物理学・化学などの基礎研究で多くの成果を上げ、大学関係者からノーベル賞受賞者も出ています。
東海地域には自動車・航空宇宙をはじめとする製造業が集積しており、大学も企業や研究機関との共同研究を進めています。情報学部など、社会と自然の両面から情報を扱う教育組織も特徴です。
医学部医学科・保健学科などは鶴舞・大幸地区も利用します。志望学部の学びやキャンパスの情報は、公式サイトで確認しましょう。
【東北大学】研究第一主義と門戸開放
宮城県仙台市にある東北大学は、「研究第一主義」「門戸開放」「実学尊重」を理念として掲げています。1913年に女性の入学を認めたことでも知られています。
材料科学、工学、医学など多様な分野で研究を進めており、2024年には国際卓越研究大学の第1号として認定されました。これは研究体制の強化を目的とした制度であり、入試難易度を示すものではありません。
川内・青葉山・星陵・片平の各キャンパスがあり、地下鉄を利用して移動できます。研究を重視する受験生は、学部と大学院の連携や研究室のテーマも確認しましょう。
【九州大学】伊都キャンパスを中心とする教育研究
九州大学は、福岡市西区の伊都キャンパスを主要拠点とする総合大学です。工学・理学・農学など多くの組織が伊都にありますが、医療系は病院キャンパス、芸術工学部は大橋キャンパスなどを利用します。
全学部が伊都キャンパスへ移転したわけではないため、志望学部の所在地と、授業・実習で使うキャンパスを確認しておきましょう。
アジアに近い立地を生かした国際連携や、多様な分野を組み合わせる共創学部も特徴です。学部ごとに選抜科目や配点が異なるため、大学全体の難易度だけで判断しないことが大切です。
【北海道大学】総合入試とフィールド科学
北海道大学は、札幌キャンパスと函館キャンパスなどを持つ総合大学です。農学・獣医学・水産学をはじめ、広い研究フィールドを生かす教育研究に特色があります。
一般選抜には、学部別入試に加えて総合入試文系・総合入試理系があり、入学後の成績と希望などに基づいて学部・学科へ移行する仕組みがあります。すべての学生が同じ移行制度を利用するわけではない点に注意してください。
水産学部では学年により札幌と函館で学ぶなど、所属によって生活拠点が変わる場合があります。キャンパス環境とカリキュラムをセットで確認しましょう。
旧帝大の偏差値・難易度【2027年度入試】
2027年度(令和9年度)入試を受験する場合は、2027年度の方式別データと各大学の選抜要項を確認する必要があります。
ここでは、河合塾「Kei-Net」が公表する一般選抜のボーダーラインを大学全体の範囲で整理します。ボーダーラインは合格可能性が50%となる予想値であり、大学の教育内容や社会的評価を示す順位ではありません。
2027年度入試の偏差値・共通テスト得点率
大学全体の範囲には、医学科、後期日程、保健系学科なども含まれます。そのため、志望校を検討する際は、大学全体の目安だけでなく、学部・学科別の最新情報も確認しましょう。
【2027年度入試の方式別ボーダーライン】
| 大学名 | 偏差値 | 共通テスト得点率 |
|---|---|---|
| 東京大学 | 67.5~72.5 | 85%~90% |
| 京都大学 | 60.0~70.0 | 77%~90% |
| 大阪大学 | 55.0~70.0 | 70%~87% |
| 名古屋大学 | 50.0~67.5 | 65%~92% |
| 東北大学 | 52.5~67.5 | 65%~92% |
| 九州大学 | 52.5~67.5 | 66%~90% |
| 北海道大学 | 50.0~67.5 | 63%~88% |
※2026年9月時点で河合塾Kei-Netが公表している2027年度入試の方式別ランク。一般選抜の日程・方式ごとの範囲であり、偏差値が設定されない方式もあります。出願時は各大学の学生募集要項を確認してください。
共通テストの目標得点率は方式ごとに決める
旧帝大の共通テスト得点率は、大学全体で見ると幅があります。東京大学は85%以上のボーダーですが、ほかの大学では学部・日程によって60%台から90%台まで差があります。
このため、「旧帝大なら一律に80%」と決めるのではなく、志望学部の方式別ボーダー、共通テストと個別試験の配点比率、科目ごとの傾斜配点を確認して目標を設定しましょう。
共通テストは第1段階選抜に使われる場合もあります。実施の有無や倍率は大学・学部・年度で変わるため、2027年度の選抜要項で確認が必要です。
入りやすい「穴場」は固定されていない
同じ大学内でも、募集人員、試験科目、前期・後期の違いによって倍率やボーダーは変わります。ただし、前年の倍率が低かった学部に翌年の志願者が集まることもあり、過去1年の結果だけで穴場と判断するのは危険です。
また、偏差値が比較的低い方式でも、共通テストの科目数が多い、個別試験との相性が合わない、募集人員が少ないといった難しさがあります。入りやすさより、学びたい内容と得意科目が選抜方式にあっているかを優先しましょう。
旧帝大の序列は?早慶・MARCHとの比較
旧帝大のなかでも入試難易度は学部・方式で異なります。固定的な大学序列を作るより、同じ条件で入試負担と教育内容を比較するほうが志望校選びに役立ちます。
旧帝大と早慶の違い
早稲田大学・慶應義塾大学と旧帝大では、一般選抜の仕組みが大きく異なります。旧帝大は共通テストと個別試験を組み合わせる方式が中心で、早慶には学部ごとに独自の私立大学型入試や共通テスト利用方式などがあります。
受験科目数が異なるため、偏差値をそのまま比較して「どちらが上」と判断することはできません。併願する場合は、科目の重なり、出題形式、試験日程、記述・論述の量を確認しましょう。
研究環境、学生数、立地、卒業後の進路も大学・学部によって異なります。就職は大学名だけで決まらないため、希望する業界への進路実績やキャリア支援を学部単位で確認することが重要です。
旧帝大とMARCH・関関同立の違い
MARCHや関関同立にも幅広い学部と研究分野があり、立地や学生規模を生かした教育・就職支援があります。一方、旧帝大は国立の大規模総合大学として、大学院や附置研究所を含む研究体制を持つ点が特徴です。
ただし、研究予算が大きいことと、個々の学生にとって教育環境があうことは同じではありません。学びたい専攻、ゼミ・研究室、資格課程、留学制度、通学環境を具体的に比較してください。
国立大学と私立大学では、入試科目と学費の構造が違います。受験難易度は同じ模試の数字だけでなく、必要な科目数と準備時間を含めて判断しましょう。
旧帝大の医学部を選ぶときの注意点
旧帝大7校はいずれも医学部医学科を設置し、大学病院と研究組織を持っています。長い沿革や研究実績はありますが、大学名だけで医師としての進路が保証されるわけではありません。
医学部を選ぶ際は、カリキュラム、臨床実習、研究機会、関連病院、医師国家試験への支援、卒業後の研修先などを確認しましょう。地域枠には出願資格や卒業後の従事要件が設けられる場合があるため、条件を十分に理解する必要があります。
入試では高い共通テスト得点率と個別試験の学力が求められる方式が多く、面接も重要です。方式別の科目・配点・第1段階選抜を大学公式の募集要項で確認してください。
旧帝大に進学するメリット|研究・進路・学費
旧帝大の魅力は大学名だけではなく、学べる分野の広さや研究環境、進路の選択肢にあります。一方で、居住費やキャンパスの場所など、進学前に確認すべき点もあります。
幅広い就職先と進学先
7大学は、民間企業、官公庁、教育機関、医療機関などへの就職実績を公表しています。理系学部では大学院進学者が多い場合もあるため、全学の就職率だけでなく、学部・研究科別の進路を確認しましょう。
「旧帝大なら学歴だけで選考を通過できる」「特定企業の採用対象から外れない」といった断定はできません。採用では専攻、学業、研究、資格、経験、応募書類、面接などが総合的に評価されます。
地域外での就職を希望する場合は、卒業生の勤務地、オンラインを含むキャリア支援、インターンシップ情報も確認するとよいでしょう。
大規模な研究環境
旧帝大は大学院や研究所を含む大規模な教育研究組織を持ち、科研費の配分でも上位に入る大学が多くあります。専門的な設備や共同研究の機会があることは、研究を重視する学生にとって魅力です。
ただし、利用できる設備や指導体制は研究室ごとに異なります。志望分野の教員、研究テーマ、学部生が研究室に所属する時期、大学院進学率を確認してください。
研究費の総額だけでなく、自分が参加できる教育・研究機会を具体的に調べることが大切です。オープンキャンパスや研究室紹介も活用しましょう。
学費は大学ごとの最新情報を確認する
国立大学の授業料には国が定める標準額がありますが、各法人は一定の範囲で異なる金額を設定できます。そのため、旧帝大7校の授業料がすべて同額とは限りません。
たとえば東京大学では、2025年度以降の学部入学者を対象に、授業料を年額64万2,960円と案内しています。国立大学の標準額である年額53万5,800円とは異なるため、2027年度の納付額は志望大学の公式情報で確認してください。
学費を比較するときは、入学料、教材・実習費、PC購入費、留学費用も含めます。自宅外通学では家賃や交通費が大きくなるため、4年間または6年間の総額で考えましょう。
授業料免除や奨学金には家計・学業などの要件と申請期限があります。利用を検討する場合は、日本学生支援機構と各大学の制度を早めに確認してください。
旧帝大に合格するための受験対策
旧帝大対策では、大学群としての目安より、志望学部の配点と出題傾向を基準に学習計画を作ります。2027年度の変更点を確認し、必要な科目を早めに確定しましょう。
共通テスト対策は科目別の目標を設定する
共通テストでは、総合得点率だけでなく科目ごとの安定性が重要です。まず志望方式の換算方法を確認し、配点の高い科目と苦手科目に優先順位を付けます。
高校3年の夏までを目安に主要科目の基礎を固め、秋以降は時間を計った演習と復習を繰り返します。「情報Ⅰ」を含む必要科目は大学・学部によって配点が異なるため、扱いを確認してください。
模試では判定だけでなく、知識不足、読み違い、時間不足、マークミスなど失点理由を分類します。本番までに再現性のある得点方法を作ることが大切です。
個別試験は大学別の記述対策を進める
個別試験では、大学・学部ごとに問題構成や解答量が異なります。過去問を早めに確認し、必要な記述力と時間配分を把握しましょう。
数学・理科は途中式や根拠、国語・地歴は設問に対応した論述、英語は和訳・英作文など、答案として伝える練習が必要です。自己採点だけで判断しにくい記述答案は、学校や塾で添削を受けると改善点が見つかります。
過去問を解く年数は一律ではありません。まず1年分で現状を確認し、出題傾向が大きく変わった年度や新課程との違いを踏まえて、必要な演習量を決めましょう。
現役生・浪人生とも2027年度の条件で準備する
現役生と浪人生の割合は大学・学部・年度で異なるため、「旧帝大は浪人生が多い」と一括りにはできません。大学が公表する入試結果に現浪別データがある場合は、それを確認しましょう。
重要なのは、2027年度入試で必要な全科目を把握し、現在の得点と目標との差を埋めることです。現役生は未習範囲の進度を考慮し、浪人生は既習内容の忘却や新しい出題条件に注意して計画を立てます。
秋以降は模試と過去問の結果を科目別に記録し、共通テストと個別試験のどちらに時間を配分するか定期的に見直してください。
旧帝大は7校の違いを理解して選ぼう
旧帝大とは、国内の帝国大学を前身とする東京大学・京都大学・大阪大学・名古屋大学・東北大学・九州大学・北海道大学をまとめた通称です。歴史と大規模な研究環境を共有する一方、教育制度、得意分野、キャンパス、入試方式は異なります。
偏差値や共通テスト得点率は、大学名だけでなく学部・日程ごとに確認してください。早慶やMARCHなど私立大学との比較でも、受験科目数が違うため、偏差値だけで単純な序列を作ることはできません。
2027年度(令和9年度)入試を受験する方は、予備校の難易度データを目安にしながら、最終的には大学公式の入学者選抜要項・学生募集要項を確認しましょう。
学びたい内容と得意科目にあう大学・学部を選び、必要得点を踏まえて対策を進めることが、合格を目指すうえで有効な考え方です。
