「総合型選抜と学校推薦型選抜のどちらが自分にあうのかわからない」と悩む受験生は少なくありません。
総合型選抜と学校推薦型選抜は、どちらも一般選抜とは異なる観点や方法で受験生を評価する選抜方式です。ただし、学校長の推薦が必要か、いつ出願するか、どのような資料や試験で評価されるかは異なります。
この記事では、2027年度入試に向けて、総合型選抜と学校推薦型選抜の違い、出願日程、併願時の注意点、主な対策を解説します。
- 総合型選抜と学校推薦型選抜の基本情報
- 総合型選抜・学校推薦型選抜の実施状況
- 総合型選抜(旧AO入試)の仕組み
- 学校推薦型選抜(公募・指定校推薦)の仕組みと種類
- 【徹底比較】総合型選抜と学校推薦型選抜の違い
- 「学校長の推薦」と「評定平均」の有無
- 選考時期と合格発表のタイミング
- 【試験内容】対話重視/実績・学力重視
- 専願(単願)ルールと他大学への併願可否
- 併願戦略と滑り止めの考え方
- 総合型選抜同士の併願はどこまで可能?
- 11月解禁の学校推薦型選抜をどう組み合わせるか
- 一般選抜への切り替えを視野に入れた計画
- 総合型選抜・学校推薦型選抜に向けた3つの対策
- 志望理由書:大学のアドミッション・ポリシーを自分事にする
- 面接・口頭試問:想定外の質問に対応できる対話力を磨く
- 小論文・探究学習:根拠に基づいた論理的思考力を証明する
- 総合型選抜・学校推薦型選抜は募集要項を確認して準備しよう
総合型選抜と学校推薦型選抜の基本情報
2021年度入試から、従来のAO入試は「総合型選抜」、推薦入試は「学校推薦型選抜」に名称が変更されました。名称だけでなく、学力を多面的・総合的に評価する考え方が明確になっています。
まずは、それぞれの選抜方式の基本を整理しましょう。
総合型選抜・学校推薦型選抜の実施状況
文部科学省の令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況によると、大学の入学者数は、総合型選抜が12万6,766人、学校推薦型選抜が22万1,415人でした。両方式は多くの大学で実施されています。
これらの選抜では、知識・技能だけでなく、思考力・判断力・表現力や、主体性を持って学ぶ態度も含め、大学のアドミッション・ポリシーに沿って多面的・総合的に評価されます。
※文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」
総合型選抜(旧AO入試)の仕組み
総合型選抜は、詳細な書類審査と丁寧な面接などを組み合わせ、受験生の能力・適性、学習意欲、目的意識を総合的に評価する方式です。
多くの大学では学校長の推薦を必須とせず、本人の意思で出願できる方式が一般的です。出願条件は大学によって異なるため、募集要項の確認が必要です。
2027年度入試では、志望理由書や活動報告書など本人が記載する資料の活用、面接による評価、書類以外の方法による学力の把握が求められます。学力不問の入試ではなく、大学のアドミッション・ポリシーに沿って複数の観点から評価される選抜です。
学校推薦型選抜(公募・指定校推薦)の仕組みと種類
学校推薦型選抜は、高校の校長による推薦に基づいて出願する方式です。調査書などの提出書類に加え、面接、小論文、基礎学力の確認などを組み合わせて評価する大学が一般的です。大学が定める出願要件に加え、高校の校内選考基準を満たす必要があります。
主な種類は次のとおりです。
指定校推薦も、最終的な合否は大学の選考結果によって決まります。公募制推薦の対象、出願条件、評価方法も大学ごとに異なるため、募集要項と高校からの案内を確認しましょう。
【徹底比較】総合型選抜と学校推薦型選抜の違い
「総合型選抜と学校推薦型選抜、どちらを受ければいいのかわからない」という悩みを解決するために、両者の決定的な違いを見ていきましょう。
「学校長の推薦」と「評定平均」の有無
大きな違いは、学校長の推薦が必要かどうかです。学校推薦型選抜は学校長の推薦に基づいて出願し、総合型選抜は本人の意思で出願できることが基本です。
学校推薦型選抜では、学習成績の状況や履修科目などを出願要件とする場合があります。総合型選抜でも成績、資格、活動歴などの条件を設ける大学があるため、「総合型なら評定基準がない」とは限りません。
選考時期と合格発表のタイミング
選考スケジュールにも違いがあります。
文部科学省の2027年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜の入学願書受付は令和8年9月1日以降、判定結果の発表は11月1日以降とされています。
学校推薦型選抜は、入学願書受付が11月1日以降、判定結果の発表は12月1日以降です。実際の出願期間や試験日、合格発表日は大学ごとに異なるため、2027年度の募集要項で確認してください。
【試験内容】対話重視/実績・学力重視
2027年度入試では、総合型選抜は本人が記載する資料を活用し、面接による評価と、書類以外の方法による学力の把握をおこないます。
学校推薦型選抜は調査書を主な資料としつつ、原則として面接と、書類以外の方法による学力評価を組み合わせます。ただし、高校との連携による丁寧なマッチングがあり、合格時の入学を確約する非公募型の方式では、大学が面接の要否を判断できる例外があります。小論文、プレゼンテーション、口頭試問、教科・科目のテストなど、具体的な選考内容は大学によって異なります。
専願(単願)ルールと他大学への併願可否
専願・併願の扱いは、選抜方式の名称だけでは判断できません。指定校推薦では合格後の入学を前提とする場合が一般的ですが、公募制推薦や総合型選抜でも、大学・学部によって専願、併願可、条件付き併願可などの違いがあります。
出願資格に「合格した場合は入学を確約できる者」などの記載がないか確認し、高校の校内規定にも従いましょう。
併願戦略と滑り止めの考え方
複数の選抜を検討する場合は、出願資格、専願・併願の条件、試験日、合格後の手続き期限を一覧にし、両立できる組み合わせか確認しましょう。
総合型選抜同士の併願はどこまで可能?
併願可能な総合型選抜であれば、複数校へ出願できる場合があります。ただし、大学ごとに志望理由書や課題、面接準備が必要で、試験日や入学手続き期限が重なる可能性もあります。
出願校数に一律の目安はありません。各校の対策時間と一般選抜の学習時間を見積もり、対応できる範囲に絞ることが大切です。
11月解禁の学校推薦型選抜をどう組み合わせるか
総合型選抜の結果や日程によっては、その後に出願できる公募制推薦を検討できます。学校長の推薦や評定などの条件があるため、結果を待ってからでは校内手続きに間に合わない場合があります。
志望理由の整理や小論文・面接の練習は共通して役立ちますが、提出書類や評価基準は大学ごとに確認し、同じ内容をそのまま使い回さないようにしましょう。
一般選抜への切り替えを視野に入れた計画
総合型選抜や学校推薦型選抜の準備に集中しすぎると、結果が不合格だった場合に一般選抜の対策が不足するおそれがあります。出願時から教科学習を継続し、結果発表後にどの選抜へ進むかをあらかじめ決めておきましょう。
「滑り止め」と考えて出願しても、合格時の入学確約が条件なら一般選抜へ進めないことがあります。合格可能性を断定せず、専願・併願条件と入学手続き期限を確認したうえで出願計画を立てることが重要です。
総合型選抜・学校推薦型選抜に向けた3つの対策
年内入試は入念な準備が求められます。以下の3つのステップで対策を進めましょう。
志望理由書:大学のアドミッション・ポリシーを自分事にする
志望理由書では、大学で学びたい内容と、自分の経験・関心・将来像とのつながりを示します。
大学の公式サイトや募集要項でアドミッション・ポリシーとカリキュラムを確認し、自分の経験に基づく具体的な言葉で志望理由を説明しましょう。キーワードを形式的に並べるのではなく、なぜその大学・学部で学びたいのかを明確にします。
面接・口頭試問:想定外の質問に対応できる対話力を磨く
面接や口頭試問では、提出書類の内容を自分の言葉で説明し、質問の意図を踏まえて答える力が求められます。
想定問答を作るだけでなく、学校の先生などに模擬面接を依頼し、追加質問にも答える練習をしましょう。わからないことを取り繕わず、考えた過程を落ち着いて伝えることも大切です。
小論文・探究学習:根拠に基づいた論理的思考力を証明する
小論文では、設問に沿って主張と根拠を筋道立てて示すことが重要です。文章表現だけでなく、資料の読み取りや、反対意見を踏まえて考える練習もおこないましょう。
探究活動について問われる場合は、目的、方法、結果、考察、今後の課題を整理します。統計や資料を使うときは出典と数値を確認し、結果を過大に解釈しないことが大切です。
総合型選抜・学校推薦型選抜は募集要項を確認して準備しよう
総合型選抜と学校推薦型選抜は、推薦の要否、出願時期、評価資料などが異なります。さらに、出願資格、専願・併願の条件、試験内容は大学・学部ごとに設定されています。
まずは志望校の2027年度募集要項を確認し、学校へ推薦や調査書を依頼する期限も含めて予定を立てましょう。提出書類と面接・小論文などの対策を進めながら、一般選抜に向けた教科学習も継続することが大切です。
制度の名称や一般的な傾向だけで判断せず、大学の公式情報と高校の進路指導をもとに、自分にあう選抜方式を検討してください。


