たとえば、部活で忙しい現役生なら通いやすさや映像授業を、徹底的に対策したい浪人生なら手厚いサポート体制を重視するなど、状況に応じた基準を持つことが大切です。
本記事では、後悔しない予備校の選び方や比較ポイントをわかりやすく解説します。
- 予備校の基本知識
- 予備校の種類
- 授業の形式
- 予備校と塾の違い
- 大学受験に向けて予備校に通い始める時期
- 予備校にかかる費用相場
- 予備校の選び方│おさえておきたい5つのポイント
- 通いやすい立地にある予備校を選ぶ
- 合計費用を比較して予備校を選ぶ
- 志望大学の合格実績やノウハウが豊富な予備校を選ぶ
- 授業形式やレベルがあっている予備校を選ぶ
- サポート体制が充実している予備校を選ぶ
- 志望校・目的別の予備校の選び方
- 国公立大学志望向けの予備校の選び方
- 難関私立大学志望向けの予備校の選び方
- 医学部志望向けの予備校の選び方
- 予備校選びの具体的な手順
- ①予備校の基本的な情報を収集する
- ②無料の体験授業や相談会に参加する
- ③指導内容や実績・費用を比較検討し一校を選ぶ
- 予備校を選ぶ際の注意点
- 公式サイトや口コミなど多数の情報から判断する
- 体験授業や見学・説明会での相性確認
- 予備校選びに関するよくある質問
- 部活と予備校の両立は可能ですか?
- 途中で予備校を変更してもよいですか?
- オンライン予備校という選択肢はありますか?
- 自分にあった予備校を選び本格的に大学受験対策をスタートしよう
予備校の基本知識
自分にあう学習環境かどうかを適切に判断するためには、予備校がどのようなところか、予備校では何が学べるかなどをきちんと把握しておく必要があります。
まずは、予備校に関する基本知識を確認しましょう。
予備校の種類
予備校は、学校教育法で定められた「専修学校」または「各種学校」にあたる施設で、受験勉強に励むことを主な目的としています。
予備校は、その規模や授業形態から、大きく3つに分類されます。
大手予備校は、講義形式の授業をメインにおこなっている予備校です。ひとつの授業を数十人、場合によっては100人を超える規模の生徒が受講します。
校舎を全国展開しているところも多く、メディア出演などで名前の知られている講師も数多く在籍しています。講師以外にチューターやアドバイザーといった人員もおり、サポート体制が充実しているのも強みです。
中堅予備校の授業形式は大手予備校と同じような形ですが、ひとつの授業を受ける人数が少なめです。生徒と講師の距離が大手予備校よりも近いため、講師の目が生徒一人ひとりに届きやすく、細かなサポートが期待できます。
独自のメソッドを取り入れている予備校もあり、カリキュラムがマッチすれば学力アップも期待できるでしょう。
オンライン予備校は、インターネット上で配信されている授業をパソコンやスマホなどで受講する予備校です。対面式の予備校とは異なり、授業を受ける際の時間や場所の制約がないので、好きな場所とタイミングで授業を受けられるのがメリットです。
配信されている授業は繰り返し受講できるので、一度の説明では理解しきれなかった箇所だけもう一度視聴するなど、効率よく学習できます。
授業の形式
予備校の授業は大きく3つの形式に分けられます。
集団授業型は、大人数を対象に講師が一人ひとりの理解度を確認しながら講義をするスタイルです。効率的に知識を得られ、ライバルと切磋琢磨できモチベーションを保てる環境がある反面、個別のフォローは少なめです。
映像授業型は、オンライン(録画のこともある)で授業を視聴する方式で、対面授業と同様のサービスを受けられます。自分の好きな場所・ペースで学べるのが魅力ですが、自己管理能力が求められます。
個別授業型は、講師と1〜3人程度で進める少人数制で、理解度にあわせた指導が受けられる点が特徴です。基礎力・応用力を身につけられますが、講師が大学生アルバイトの場合もあり、指導力に差が出やすい傾向があります。
予備校と塾の違い
「学校以外に勉強をするところ」という観点で考えると、「予備校」と「塾」はよく似ており、両者を混同してしまう方もいるかもしれません。
予備校と塾の違いはいろいろと考えられますが、大きな違いとして指導方針・カリキュラムや授業形式が挙げられるでしょう。
◆予備校と塾の違い
| 予備校 | 塾 | |
|---|---|---|
| 目的 | 大学受験合格 | 受験、授業フォローなど |
| 授業形式 | 講師の一方的な説明 | 生徒とのやり取り |
予備校の基本的な指導方針は「大学受験合格」です。そのため、受験範囲を効率的に学習するためのカリキュラムが組まれています。予備校に通い始めるタイミングによっては、受験に必要な内容を一部自学自習で補わなければならない可能性もあります。
一方、塾の指導方針は予備校に近いようなところもあれば、学校の授業フォローやテスト対策が中心のところもあるなど、さまざまです。指導方針によってカリキュラムもまちまちなので、通う目的にあったカリキュラムが設けられているところを選びましょう。
授業形式は、予備校では講師が生徒に対して一方的に説明をおこなう形が中心ですが、塾では講師が生徒とのやり取りを交えながら説明を進めていきます。
授業形式に関して優劣はないため、自分にあっているほうを選びましょう。なお、予備校と塾の違いについてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
大学受験に向けて予備校に通い始める時期
予備校に通い始める時期は、高校2年生の秋から冬にかけてが最もおすすめです。この時期からスタートすることで、基礎固めに十分な時間を割き、3年生からの本格的な受験勉強へスムーズに移行できます。
たとえば、部活を引退する前の高2冬から週1〜2回の授業を受け始め、引退後にコマ数を増やすといった通い方が一般的です。もちろん、高3の春や夏からでも遅くはありませんが、志望校のレベルが高い場合は早めのスタートを心がけましょう。
予備校にかかる費用相場
予備校に通う際にかかる費用の相場は、年間で約50万〜100万円程度ですが、選ぶ予備校の形式や受講する科目数によって金額は大きく異なります。
たとえば、大手予備校で複数科目を受講する浪人生の場合は年間100万円前後かかることが多いです。一方、現役生が苦手な1〜2科目だけを単科受講する場合は、年間50万円程度に収まるケースもあります。
夏期講習などの特別講習費も別途必要になるため、あらかじめ年間トータルでの予算を把握しておくことが大切です。
予備校の選び方│おさえておきたい5つのポイント
予備校に通うからには、「大学受験合格」という目的を必ず達成したいところです。
そのためには、予備校を選ぶ際に以下のようなポイントをおさえることを意識しましょう。
それぞれのポイントについて解説します。
通いやすい立地にある予備校を選ぶ
予備校の立地は、現役高校生は学校や家、浪人生は家から近くてアクセスがよいところが理想的です。
とくに浪人生の場合、基本的に予備校には毎日通うため、家から1時間以上かかるような立地やアクセスだと負担が大きくなります。自宅や学校の最寄り駅や、通学で乗る路線の途中の駅などにある予備校を選ぶとよいでしょう。
授業が終わるのが夜遅くなることも多いので、予備校からの帰りに通る道が夜間でも安全かどうかの確認も重要です。
合計費用を比較して予備校を選ぶ
予備校に通うための費用は、選んだ予備校やコースによって異なります。決して安い金額ではないため、保護者と相談して予算にあう予備校を選びましょう。
以下に、主な予備校の入学金と授業料をまとめますので、参考にしてください。
【主な予備校の費用例】
| 予備校・コース名 | 費用項目 | 金額 |
|---|---|---|
| 駿台予備学校(難関国公立大理系・後期入学) | 入学金 | 70,000円 |
| 授業料 | 661,000円 | |
| 合計金額 | 731,000円 | |
| 河合塾(スーパー早慶大文系・2026年9月入塾) | 入塾金 | 70,000円 |
| 授業料 | 570,000円 | |
| 合計金額 | 640,000円 | |
| 代々木ゼミナール(オリジナルカリキュラム[国公立医系]・第2/3学期) | 入学金 | 88,000円 |
| 授業料 | 597,300円 | |
| 諸経費 | 121,000円 | |
| 合計金額 | 806,300円 | |
| 四谷学院(国公立看護医療学部・高卒生コース) | 入学金 | 50,000円 |
| 授業料 | 960,000円 | |
| 合計金額 | 1,010,000円 |
※2026年7月29日時点で各公式サイトを確認した税込料金です。
※駿台予備学校と河合塾は、後期入学・9月入塾など途中入学時の公式掲載額です。入学金減免、校舎、地区、コース、受講時期によって費用は異なります。
※代々木ゼミナールは第2・3学期学費で、諸経費を含みます。
※四谷学院は6月13日開始の場合の授業料で、講習・特訓費用は含みません。詳しくは各予備校の公式サイトや資料をご確認ください。
上表に掲載したコース以外にも、各予備校には多くのコースがあり、コースによって授業料は異なります。通うことを検討している予備校がある場合は、公式サイトで各コースの料金を比較しましょう。
志望大学の合格実績やノウハウが豊富な予備校を選ぶ
志望する大学が明確に定まっているのであれば、その大学への合格実績が豊富な予備校を選ぶのがおすすめです。実績が豊富ということは、予備校自体や講義をおこなっている講師にノウハウが蓄積されているということです。
そのため、志望校合格に向けて効率的に対策をすることができるでしょう。志望校に対する質問や相談もしやすい環境なので、安心して勉強に打ち込むことができます。
授業形式やレベルがあっている予備校を選ぶ
予備校の授業は集団で講義を受ける形式であることが一般的ですが、予備校の規模によって同時に授業を受ける人数は異なります。
大手予備校は、講師は一流で教材も充実していますが、数十人ほど(場合によっては100人近く)が同時に授業を受けます。一方、中堅予備校は大手予備校よりも同時に授業を受ける生徒の人数が少ないです。
周りに人がいすぎるとなかなか集中できない方は、大手予備校よりも中堅予備校のほうが向いているかもしれません。自分が集中して学習できる人数の予備校を選びましょう。
また、人によっては集団授業よりも個別指導のほうが性格的に向いていることもあります。そのような方は予備校ではなく、個別指導塾に通うのがおすすめです。
サポート体制が充実している予備校を選ぶ
受験生の学力アップにつながる適切なカリキュラムの設定や、定期的な三者面談の実施なども重要です。
サポート体制が充実しているかどうかも、予備校を選ぶにあたって重要なポイントです。設けられているサポート体制は予備校によって異なるので、以下を中心に必要な体制が整っているか確認しましょう。
予備校の公式サイトで確認できる内容もあればそうでない内容もあるので、実際に予備校に通っていた方の口コミや評判をチェックするのがおすすめです。
志望校・目的別の予備校の選び方
志望する大学のレベルや学部によって、最適な予備校の選び方は異なります。受験に必要な科目数や求められる解答の形式が違うため、自分の目的にあった対策ができる環境を選ぶことが何より重要です。
たとえば、科目数が多い国公立と、特定の科目に絞られる私立では、効率的な学習スケジュールが全く異なります。ここでは、国公立大学、難関私立大学、医学部志望それぞれのケースに分けた選び方のポイントを具体的に解説します。
国公立大学志望向けの予備校の選び方
国公立大学を志望する場合、共通テスト対策と二次試験対策の両方をバランスよくカバーできる予備校を選びましょう。国公立大は受験科目数が多いため、全科目を効率的に学べるカリキュラムが必須です。
たとえば、共通テスト専用の対策講座が充実しているか、記述問題の添削指導をきめ細かくおこなってもらえるかが重要な比較ポイントになります。幅広い科目に対応できる総合的な指導力を持つ大手予備校などが適しています。
難関私立大学志望向けの予備校の選び方
早慶上理やMARCHなどの難関私立大学を志望する場合は、大学や学部ごとの出題傾向に特化した対策ができる予備校を選ぶのが効果的です。私立大学は3教科に絞られることが多い分、各科目の問題難易度が高く、独自の問題形式が出題されます。
たとえば「早大英語対策」のように、志望校別の専門コースが設置されている予備校を選ぶとよいでしょう。過去問演習や傾向分析のノウハウが豊富な予備校を探してみてください。
医学部志望向けの予備校の選び方
医学部合格を目指すなら、医学部受験に特化した専門予備校や、大手予備校の医系コースを選ぶのが必須です。医学部受験は極めてハイレベルな学力が求められるだけでなく、面接や小論文などの特殊な対策も必要になります。
たとえば、少人数制で徹底的な個別フォローを受けられる環境や、医学部専門の進路アドバイザーが在籍している予備校がおすすめです。合格実績だけでなく、面接対策の手厚さも必ず確認しましょう。
予備校選びの具体的な手順
自分にあった予備校を見つけるには、なんとなく探すのではなく、順序を追って計画的に検討を進めることが大切です。
ここでは予備校選びを成功させるための3つのステップを紹介します。
①予備校の基本的な情報を収集する
予備校選びの最初のステップは情報収集です。インターネットで公式サイトや口コミをチェックしたり、パンフレットで最新のコース内容を確認したりするのが基本です。
また、予備校主催の説明会などに参加すると、講師やスタッフから直接話を聞けるため、より具体的な雰囲気をつかめます。
さらに、実際に通った先輩や友だちからの口コミはとても信頼できる情報源です。複数の方法を組みあわせて情報を集めることが、失敗しない選び方の第一歩です。
②無料の体験授業や相談会に参加する
多くの予備校では無料の体験授業や個別相談を実施しています。実際に授業を受けてみることにより、講師の教え方や授業のスピード、自分との相性を確認できるのが大きなメリットです。
加えて、施設や自習室の雰囲気も体験を通して把握できるので、通いやすさを判断する助けになります。
また、相談会では学習計画や費用面についても質問できるため、不安の解消につながる点も魅力です。なるべく複数の予備校で体験を受け、自分にあうかどうかを確かめることをおすすめします。
③指導内容や実績・費用を比較検討し一校を選ぶ
候補が絞られてきたら、さまざまなポイントを比較検討し、自分に最適な一校を選びます。
チェックするポイントは、学習環境、授業の内容や進め方、サポート体制、合格実績、そして費用などです。費用は学費だけでなく、教材費や講習代などを含めて総額で比べるのが安心です。
また、自習室の使いやすさ、講師の質や相性も学習に大きく影響します。1つの予備校だけを見て決めるのではなく、複数の情報をじっくり比較し、合格に向けてともに闘う一校を選びましょう。
予備校を選ぶ際の注意点
予備校に通っても、自分にあっているところを選ばなければ成績は伸びませんし、長続きしない可能性もあります。
自分にあった予備校を選ぶためには、以下のような点に注意しましょう。
公式サイトや口コミなど多数の情報から判断する
公式サイトに掲載されている情報や予備校が発行しているパンフレットなどで、予備校のことをある程度把握することはできます。しかし、それらはあくまでも予備校自体が発信している情報であることに留意しておかなければなりません。
より客観的な情報を把握したい場合は、過去にその予備校に通っていた人の口コミや評判などもチェックしましょう。リアルな体験を踏まえた情報は、予備校選びにおいて大いに参考になるはずです。
ただし、予備校は受験合格を目指して通うものである以上、受験結果によって口コミの良し悪しが左右される可能性があることは、念頭に置いておきましょう。
体験授業や見学・説明会での相性確認
予備校では、体験や見学・説明会に参加する機会を設けているところもあります。公式サイトやパンフレットの情報を見ているだけではわかりにくいことでも、実際に体験したり見学したりすることで、雰囲気を把握しやすくなるでしょう。
自分にあった予備校に通って志望校合格という結果を出すためには、妥協してはいけません。体験や見学・説明会の機会をフル活用し、講師や学習環境との相性を確認したうえで複数の予備校を比較しましょう。
予備校選びに関するよくある質問
予備校選びを進める中で、多くの受験生や保護者が抱く共通の疑問があります。
ここでは、部活との両立や転塾のタイミング、オンライン予備校の活用など、予備校選びに関するよくある質問とその回答をまとめました。
部活と予備校の両立は可能ですか?
部活と予備校の両立は十分に可能です。多くの現役生が部活動を続けながら受験勉強を進めています。
たとえば、時間の融通が利きやすい映像授業型の予備校を選んだり、部活が終わる遅い時間帯から始まる講座を受講したりすることで、無理なくスケジュールを組むことができます。
また、自習室をうまく活用して部活前後のスキマ時間に学習を進めるなど、時間を効率的に使う工夫が両立の鍵となります。
途中で予備校を変更してもよいですか?
予備校に通い始めてから「自分にあわない」と感じた場合、途中で予備校を変更することは可能です。あわない環境で無理に勉強を続けるよりも、早めに転塾を決断した方が成績向上につながるケースは多くあります。
たとえば、授業のレベルが高すぎてついていけない場合や、質問しづらい雰囲気がある場合は、個別指導塾や面倒見の良い中堅予備校への変更を検討しましょう。ただし、カリキュラムの進度が変わるため、転塾のタイミングには注意が必要です。
オンライン予備校という選択肢はありますか?
オンライン予備校は非常に有効な選択肢の一つです。自宅にいながら質の高い授業を受けられるため、近くに通える予備校がない地方の学生や、通学時間を節約したい受験生におすすめできます。
たとえば、有名講師の映像授業を定額で見放題のサービスや、オンラインで個別指導を受けられる塾など、多様な形態があります。自分のペースで学習を進められる反面、自己管理能力が求められる点には留意して活用しましょう。
自分にあった予備校を選び本格的に大学受験対策をスタートしよう
予備校は大学受験合格を目指すにあたって、とても心強い存在です。
ただし、自分にあった予備校選びをしなければ学力を効果的かつ効率的に伸ばすことは望めません。
授業形式が自分にあっているか、サポート体制が充実しているかなどを踏まえて複数の予備校を比較し、納得のいく予備校選びをしましょう。
予備校を選ぶ際は公式サイトやパンフレットだけから情報を得るのではなく、実際に通っていた方の口コミや評判を確認することも重要です。
自分にあった予備校を見つけて、大学受験対策を本格的にスタートさせましょう!