中学生の塾代は、学年や受講科目、授業形式、季節講習の回数によって大きく変わり、家計への負担が重くなることがあります。
費用を払えないと感じたときは、塾をすぐに諦めるのではなく、料金の内訳や利用できる支援制度、学び方の選択肢を整理することが大切です。
本記事では、中学生の塾代の目安と高額になる原因、費用を抑えるコツを解説します。オンライン塾や通信教育、独学も含め、お子さんにあう無理のない学習方法を考える際の参考にしてください。
- 中学生の塾代は高い?平均費用と相場
- 中学生の塾代が高くなってしまう原因
- 授業料以外にかかる費用
- 多くの授業・科目の受講
- 個別指導塾への通塾
- 中学生の塾代が払えない時に利用できる支援制度
- 塾代貸付事業や奨学金制度の利用
- 生活困窮世帯向けの学習支援事業の利用
- 自治体独自の塾代助成事業の活用
- 中学生の塾代を抑えるコツ
- キャンペーンの利用
- 割引特典の利用
- トータルの費用を踏まえた塾選び
- 受講科目の絞り込み
- 特待生制度の利用
- オンライン塾(映像授業)の利用
- 塾に行かずに高校受験に向けた対策はできる?
- 通信教育や学習アプリの活用
- 無料の学習動画や市販の参考書での独学
- 無料塾やボランティア塾の利用
- 塾代を抑えるためにはキャンペーンや割引特典を活用しよう!
中学生の塾代は高い?平均費用と相場
文部科学省が公表した「令和5年度子供の学習費調査」によると、中学生のお子さんがいる家庭の平均費用は以下のとおりです(※)。
◆中学生の塾費用の平均(年間・月間)
| 項目 | 公立中学生 | 私立中学生 |
|---|---|---|
| 年間平均費用 | 349,000円 | 328,000円 |
| 月間換算費用 | 約29,000円 | 約27,000円 |
※出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」
公立と私立で差がある背景としては高校受験の有無があげられ、公立中学の方が費用が高くなる傾向にあると考えられます。
とはいえ、学年によって費用は変動し、集団塾や個別指導塾といった授業形式の違いで金額に差が生じる場合もあります。上記の金額は、あくまでも参考としてとらえてください。
中学生の塾代が高くなってしまう原因
毎月約3万円の費用がかかると想定した場合、「高くて家計に響きそうだ」と感じる方も多いでしょう。
通う塾や受講科目数などによって塾代は異なるため、一概に塾代が高いと断言できるわけではありません。
しかし、中学生の塾代が高くなってしまう原因は、主に以下が挙げられます。
それぞれの原因について解説します。
授業料以外にかかる費用
塾に通うために必要な費用は、授業料だけではありません。そのため、想定よりも高く感じてしまう場合があります。
授業料以外に必要な費用は塾によって異なりますが、主に以下のような費用が挙げられます。
入塾金は、塾に通い始める際に支払う費用のことです。1万円前後かかるのが一般的ですが、塾によってはキャンペーンや割引が適用され、無料になるケースもあります。
教材費は、授業で使用する教材にかかる費用です。教材費や諸経費などは授業料に含まれている場合もありますが、季節講習費や特別講習費は別途支払うのが一般的です。
さらに、テストや模試に加えて、夏期講習や冬期講習といった特別講習を受講することで多額の費用が必要になる可能性があります。
多くの授業・科目の受講
塾の授業料は、受講する講座や科目の数で費用が算出されること一般的です。したがって、授業や科目を多く受ければ受けるほど授業料は高くなります。授業料に加え、教材費が多くかかってしまうことも塾代が高くなってしまう一因です。
お子さんの現状を踏まえたうえで「難関高校を受験するために塾で質の高い指導を受けたい」「志望高校合格のためには偏差値を大幅に上げなければならない」と考える方もいるでしょう。
やみくもに受講科目や授業数を決めるのではなく、無理なく通いつづけられる費用であることを確認したうえでカリキュラムを決めましょう。
個別指導塾への通塾
塾の授業形式は、「集団塾」と「個別指導塾」に大きく分けられます。
◆集団塾と個別指導塾の違い
| 項目 | 集団塾 | 個別指導塾 |
|---|---|---|
| 指導人数 | 1対多数 | 1対1~4程度 |
| 授業料の傾向 | 比較的安い | 高めに設定 |
集団塾は、学校の授業のように講師一人が大勢の生徒に対して指導をおこなう塾です。対して個別指導塾は、講師と生徒が少ない人数比で指導をおこなう塾です。
個別指導塾のほうが、講師1人が一度に担当できる生徒の人数が少ない分、授業料は高めに設定されている傾向にあります。
そのため、お子さんを個別指導塾に通わせて授業を複数コマ受講させると、「塾代が高い」と感じる可能性があるでしょう。
中学生の塾代が払えない時に利用できる支援制度
中学生の塾代が家計の負担となり、どうしても払えないと悩む場合は、公的な支援制度を利用できる可能性があります。
国や自治体では、子どもの学習機会を確保し、経済的な理由で進学を諦めることがないようにさまざまなサポートを提供しています。
具体的には、費用の貸付や無料の学習支援、独自の助成金などが挙げられます。どのような制度があるのか、代表的な支援事業の具体例を詳しく見ていきましょう。
塾代貸付事業や奨学金制度の利用
お住まいの自治体によっては、塾にかかる費用の補助や奨学金制度を利用できることがあります。
たとえば、東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、中学3年生・高校3年生を対象に、学習塾の受講料や受験料を無利子で貸し付けるプログラムです(※)。
自治体によってこういったプログラム・制度の有無は異なりますし、利用するための条件も異なります。
まずは自治体の公式サイトを確認してみて、そのような事業や制度がないかをチェックしてみるとよいでしょう。
※参考:東京都社会福祉協議会「受験生チャレンジ支援貸付事業サイト」
生活困窮世帯向けの学習支援事業の利用
生活保護受給世帯や生活困窮世帯のお子さんを対象に、無料の学習支援をおこなう事業があります。厚生労働省の「生活困窮者自立支援制度」に基づき、多くの自治体が無料の学習教室を開催しています。
大学生のボランティアや元教員が学習をサポートしてくれるため、塾に通えなくても基礎学力の向上や高校受験対策が可能です。利用条件や実施状況は地域によって異なるため、まずは一度お住まいの自治体の福祉窓口で相談してみてください。
自治体独自の塾代助成事業の活用
自治体によっては、塾代そのものを助成してくれる独自の制度を設けている場合があります。
たとえば、大阪市の「塾代助成事業」では、一定の所得要件を満たす中学生を対象に、学習塾や文化・スポーツ教室で使えるカードを月額1万円分交付しています。
このような制度を活用すれば、毎月の塾代負担を大幅に軽減できるでしょう。
お住まいの市区町村でも似たような助成制度がないか、自治体のホームページなどで確認してみることをおすすめします。
中学生の塾代を抑えるコツ
中学生のお子さんを塾に通わせる場合、費用が高くなってしまう場合があるという点は前述しました。
しかし、高校受験合格という目的を確実に達成するために、塾に通わせて後悔ない対策をしてほしいと考えるのが親心でしょう。
そこで、塾に通わせつつ費用を抑えるためのコツを紹介します。
それぞれのコツについて、解説します。
キャンペーンの利用
塾によっては、「入会金無料」や「転塾で授業料オフ」などのキャンペーンを設けている場合があります。こういったキャンペーンを活用することで、塾代をうまく抑えられるでしょう。
ただし、キャンペーンは適用条件や実施期間があり、いつでも利用できるわけではない点に注意が必要です。
入塾時にキャンペーンを利用したい場合は、適用条件を把握したうえで、キャンペーン期間中に入塾や転塾の手続きをすることを心がけましょう。
割引特典の利用
塾によっては、複数のコマを受講したり、兄弟で同時に通塾することで割引になったりするような特典を設けていることもあります。キャンペーンと同様に塾代を抑えるのに便利で、効果が一時的ではないので、授業料を抑えるのにより効果的です。
たとえば、「個別指導の森塾」では兄弟で同時に通塾することで、兄弟のうち金額が低いほうの授業料が20%割引になります。
また、「ITTO個別指導学院」ではひとり親家庭のお子さんが通塾する場合、入会金が半額免除になったうえで、授業料が5%割り引かれます。
キャンペーン同様に、適用条件に注意したうえで塾代を抑えるために活用しましょう。
※参考:個別指導なら森塾「森塾のお得なキャンペーン・割引制度」
※参考:ITTO個別指導学院「授業料、年会費の各種割引」
トータルの費用を踏まえた塾選び
塾に通う場合、授業料だけではなく教材費や管理費などの費用も必要です。また、長期休暇時に季節講習を受講する場合、その受講費用も支払わなければなりません。
そのため、毎月の授業料とは別途必要になる費用や、季節講習の受講費用なども踏まえて塾を選ぶことで、より費用を抑えられる塾選びが可能な場合があります。
パンフレットに目を通して各種費用を確認したり、入塾前の面談で教室長に話を聞いてみたりして、トータルの費用を把握したうえで塾を選びましょう。
受講科目の絞り込み
塾では、授業を多く受講するほど、費用が高くなります。塾で主要5科目すべての授業を受けるのではなく、とくに対策が必要な科目に絞って受講することで、費用を抑えることが可能です。
受講する授業が少ないと成績が伸びるのか不安という場合は、普段は受講数を絞って塾にかかる費用を抑える工夫ができます。その分、季節講習時だけでも受講数を増やすといった対策も考えられるでしょう。
特待生制度の利用
塾によっては、入塾テストで優秀な成績を残した生徒を特待生として扱い、授業料を優遇するような制度を設けているところもあります。
たとえば、「湘南ゼミナール」では、「特種」「第一種」「第二種」「第三種」の4つの模範特待生制度を設けています(※1)。特種~第三種のいずれかの模範特待生に選ばれることで、対象期間の通常授業料を3,000円~20,000円割り引いてもらうことが可能です。
また、「臨海セミナー ESC難関高校受験科」では、学力診断テストの結果などによって、「SS特待」「S特待」「A特待」の3つの特待生制度を設けています(※2)。SS特待生に選ばれれば、月額授業料を全額免除してもらうことが可能です。
特待生に選ばれるかどうかは入塾時に受けるテストの結果が大きく関わってくるので、特待生制度のある塾を選ぶ場合は最初が肝心です。
※1 湘南ゼミナール 「模範特待生制度」より
※2 臨海セミナー 「ESC難関高校受験科 授業料」より
オンライン塾(映像授業)の利用
塾のなかには、教室を持たずにオンラインでの映像授業を提供するところもあります。そのようなオンライン塾は教室の維持費や清掃費などが必要ないので、一般的な塾よりも授業料が割安な傾向があります。
オンライン塾はスマートフォンやタブレット、PCを通して授業を受けられるため、場所や時間にとらわれず、いつでもどこでも学習できる点が魅力。個々の習熟度にあわせて自分のペースで学習を進められるのも、オンライン塾のメリットといえるでしょう。
オンライン塾は、授業を受けるきっかけをお子さん自身で作らなければならないので、お子さんの自主性や学習意欲が必要不可欠です。
また、講師から生徒に向けて一方的に解説する形で授業が進むケースも多く、わからないことをその場で質問し解消できない点をデメリットに感じる方もいるでしょう。
オンライン塾のメリット・デメリットを踏まえて、お子さんにあっていそうなら、オンライン塾の利用を検討してもよいでしょう。
塾に行かずに高校受験に向けた対策はできる?
塾の費用が高く家計を圧迫してしまうため、塾以外で高校受験対策をする方法を探しているという方もいるでしょう。
オンライン塾については前述しましたが、「スタディサプリ」のようなデジタル教材を使って学習を進めることもできます。
スタディサプリは、実力派講師陣による講義動画をオンラインで試聴することができる学習サービスです。塾に行かずとも、高品質の指導を受けることができます。
対面授業ではないため、不明点や疑問があっても質問できない点がデメリットではありますが、動画は何回でも視聴できるので、わかるようになるまで繰り返し動画を見返すことが可能です。
通信教育や学習アプリの活用
塾に通わなくても、通信教育や学習アプリを活用すれば十分に高校受験対策が可能です。前述の「スタディサプリ」のような動画学習アプリに加え、専用タブレットを使用する通信教育も人気を集めています。
たとえば、「進研ゼミ」や「スマイルゼミ」などは、一人ひとりの理解度にあわせたカリキュラムが組まれ、定期テストや受験に向けた学習を効率よく進められます。塾に比べて費用が安く、自分のペースで学べるのが大きなメリットといえます。
無料の学習動画や市販の参考書での独学
さらに費用を抑えたい場合は、無料の学習動画と市販の参考書を組み合わせた独学もひとつの手です。近年は、YouTubeなどで教育系クリエイターがわかりやすい授業動画を無料で公開しています。
これらの動画でわからない部分を補いながら、数千円で購入できる市販の問題集で演習を重ねれば、学習コストを最小限に抑えられます。本人の強い学習意欲と自己管理能力が必要不可欠ですが、最も安価に受験対策ができる選択肢です。
無料塾やボランティア塾の利用
地域によっては、NPO法人や地域のボランティアが主体となって運営する「無料塾」を利用できることがあります。
公民館や地域の施設を利用し、大学生や社会人が無償または低価格で勉強を教えてくれる仕組みです。
学習指導だけでなく、進路の相談に乗ってくれる居場所としての役割を果たしている施設も少なくありません。
開催頻度や対象者は施設によって異なるため、自治体の広報誌やホームページ、地域の掲示板などで情報を探してみましょう。
塾代を抑えるためにはキャンペーンや割引特典を活用しよう!
中学生が塾に通うために必要な費用は平均して月3万円程度で、家庭によっては家計を圧迫してしまう可能性もあります。
塾代を抑えるためには、塾で設けられているキャンペーンや割引特典などを活用するのがおすすめです。
ただし、キャンペーンや割引特典は適用条件が定められているので、条件を満たせているかどうかを確認したうえで申し込みましょう。
塾以外の方法で高校受験合格を目指すことも可能ですが、あくまでもお子さんの性格にあった授業形態である塾を選ぶことを重視して対策方法を検討しましょう。