「小学生の子どもが勉強についていけない」「授業についていけないように見える」「宿題に時間がかかる」と悩む保護者は少なくありません。
小学校では学年が上がるにつれて学習内容が難しくなり、一度つまずくと、その後の学習にも影響することがあります。しかし、勉強についていけないからといって、すぐに「勉強が苦手」と決めつける必要はありません。
つまずきの原因を見極め、お子さんにあった方法でサポートすれば、学習への自信を取り戻せることもあります。
本記事では、小学生が勉強についていけない原因、教科別の対策、家庭でできるサポート、相談先の目安までわかりやすく解説します。
- 小学生が勉強についていけない主な原因
- 学習内容が難しくなり理解が追いつかない
- 基礎学力が十分に身についていない
- 勉強習慣が身についていない
- 勉強への苦手意識や自信を失っている
- 学習方法がお子さんにあっていない
- 小学生の勉強についていけないサイン
- テストの点数が急に下がった
- 宿題に時間がかかるようになった
- 授業内容について話さなくなった
- 「学校がつまらない」「勉強が嫌だ」と言うようになった
- 学校から学習面について連絡があった
- 小学生が勉強についていけない状態を放置するリスク
- 学習の遅れがさらに大きくなる
- 勉強への自己肯定感が低下する
- 中学校の学習でさらに苦労しやすくなる
- 小学生の勉強についていけないときに家庭でできる対策
- つまずいている教科や単元を確認する
- 基礎内容まで戻って学び直す
- 毎日短時間でも勉強する習慣をつける
- 成果だけではなく努力を認める
- 学校の先生にも相談する
- 教科別|勉強についていけないときの対策
- 国語についていけない場合
- 算数についていけない場合
- 英語についていけない場合
- 塾や家庭教師を検討したほうがよいケース
- 家庭学習だけでは改善しない
- 保護者だけで教えることが難しい
- 学習習慣を身につけたい
- お子さんにあう塾・家庭教師の選び方
- 小学生の勉強についていけないことに関するよくある質問
- 小学生で勉強についていけないのは珍しいことですか?
- 前の学年まで戻って勉強してもよいですか?
- 毎日どれくらい勉強すればよいですか?
- 家庭学習だけで改善できますか?
- 小学生が勉強についていけないと感じたら早めのサポートが大切
小学生が勉強についていけない主な原因
「勉強についていけない」と一言でいっても、その背景は一つではありません。
まずは、どのような原因が考えられるのかを知り、お子さんの様子と照らし合わせながら確認してみましょう。
学習内容が難しくなり理解が追いつかない
小学校では、学年が上がるにつれて学習内容が発展していきます。
たとえば、算数では計算から小数・分数・割合へと内容が広がり、国語では文章量が増え、自分の考えを書く問題も多くなります。
また、小学校では、3・4年生で外国語活動に取り組み、5・6年生では外国語を教科として学びます。学年が上がるにつれて、聞くこと・読むこと・話すこと・書くことに関する学習内容も少しずつ増えていきます。
こうした学習内容の変化に対応できず、一度理解できない部分ができると、その後の授業でも理解が難しくなることがあります。
特に、小学校の学習は前の学年で学んだ内容を土台として進むため、「少しわからない」が積み重ならないよう、早めにフォローすることが大切です。
基礎学力が十分に身についていない
勉強についていけない原因として多いのが、基礎学力が十分に定着していないことです。
たとえば、以下のような状態では、新しい学習内容を理解することが難しくなります。
文部科学省の小学校学習指導要領でも、基礎的・基本的な知識や技能を身につけることが重視されています。そのため、「今の単元が難しい」と感じた場合は、前の学年まで戻って復習することも有効です。
勉強習慣が身についていない
学校の授業だけで学習内容をすべて理解することは難しく、家庭で復習する習慣も大切です。しかし、以下のような状況では、知識が定着しにくくなります。
- 宿題だけで終わってしまう
- 家で机に向かう時間がほとんどない
- 学習時間が日によって大きく変わる
また、全国学力・学習状況調査の公表資料も、学習習慣や基礎学力の定着が重要であることを示す参考資料になります。
毎日長時間勉強する必要はありません。まずは短時間でも机に向かう習慣をつくることが、学習の第一歩になります。
勉強への苦手意識や自信を失っている
一度テストで思うような点数が取れなかったり、授業でわからないことが続いたりすると、「自分は勉強が苦手だ」と感じてしまうお子さんもいます。
苦手意識が強くなると、下記のような状況になりやすくなります。
- 問題に取り組む前からあきらめてしまう
- 間違えることを怖がる
- 宿題に取り組む意欲が下がる
このようなときは、結果だけを見るのではなく、「最後まで問題を解けた」「毎日勉強を続けられた」など、小さな成長を認める声かけが大切です。
学習方法がお子さんにあっていない
勉強時間を確保していても、学習方法がお子さんにあっていない場合は、十分な成果につながらないことがあります。
たとえば、以下のような学習では、知識が定着しにくくなります。
- ノートを写すだけで復習をしていない
- 問題集を一度解いて終わりにしている
- わからない問題をそのままにしている
また、お子さんによって理解しやすい学習方法は異なります。文章を読むことで理解しやすい子もいれば、図やイラストを使うほうが理解しやすい子もいます。
「勉強時間が足りない」と決めつけるのではなく、学習方法がお子さんにあっているかを見直すことも重要です。
小学生の勉強についていけないサイン
お子さんは、自分から「授業についていけない」と伝えられないこともあります。そのため、保護者が日頃の様子を見ながら、小さな変化に気づくことが大切です。
ここでは、勉強についていけなくなっている可能性があるサインを紹介します。
テストの点数が急に下がった
これまで安定していたテストの点数が急に下がった場合は、学習内容の理解が十分でない可能性があります。
ただし、一度のテストだけで判断する必要はありません。複数回続けて点数が下がっている場合や、同じ教科で間違いが増えている場合は、どの単元でつまずいているのかを確認してみましょう。
宿題に時間がかかるようになった
以前より宿題に時間がかかるようになった場合も、授業内容の理解が追いついていないサインかもしれません。わからない問題が増えると、考える時間が長くなったり、途中で集中力が切れてしまったりすることがあります。
宿題の様子を見ながら、「どこが難しかった?」「どの問題で止まってしまった?」と声をかけることで、つまずきの原因を見つけやすくなります。
授業内容について話さなくなった
これまで学校であった出来事や授業について話していたお子さんが、急に学校の話をしなくなった場合も注意が必要です。
授業内容が理解できなくなると、「話してもわからない」「聞かれたくない」と感じ、学習に関する会話を避けることがあります。
もちろん、すべてのお子さんにあてはまるわけではありませんが、「今日はどんな勉強をしたの?」「算数はどんなことを習ったの?」など、答えやすい質問から会話を始めることで、お子さんの様子がわかることもあります。
「学校がつまらない」「勉強が嫌だ」と言うようになった
勉強についていけなくなると、学校生活そのものが楽しくないと感じるお子さんもいます。
授業が理解できない状態が続くと、「どうせわからない」「やってもできない」と自信を失い、学習への意欲が低下してしまうことがあります。
そのようなときは、「頑張りが足りない」と決めつけるのではなく、何が難しいと感じているのかを一緒に整理することが大切です。お子さんの話を最後まで聞き、気持ちを受け止める姿勢が安心感につながります。
学校から学習面について連絡があった
個人面談や連絡帳などで、担任の先生から「授業中に困っている様子がある」「課題の提出が遅れている」「学習内容の理解に時間がかかっている」といった話があった場合は、お子さんの学習状況を確認してみましょう。
学校の先生は日頃のお子さんの様子を見ているため、家庭では気づきにくい変化を把握していることがあります。不安な点があれば、一人で悩まず、学校と連携しながら対応を考えることも大切です。
小学生が勉強についていけない状態を放置するリスク
「そのうち追いつくだろう」と様子を見るだけでは、学習の遅れが大きくなる可能性があります。もちろん、一時的なつまずきであれば自然に改善することもありますが、長期間続く場合は早めの対応が大切です。
ここでは、勉強についていけない状態を放置することで考えられる主なリスクを紹介します。
学習の遅れがさらに大きくなる
小学校の学習内容は、前の単元や学年で学んだ知識を土台として進みます。
たとえば、算数では、「足し算・引き算」→「かけ算・九九」→「わり算」→「小数・分数」→「割合」というように、学習内容が積み重なっています。
そのため、一つの単元で理解が不十分なまま次へ進むと、新しい内容も理解しにくくなってしまいます。「今の単元だけだから大丈夫」と考えず、早めに復習することが重要です。
勉強への自己肯定感が低下する
勉強についていけない状態が続くと、「自分は勉強ができない」と思い込んでしまうお子さんもいます。
自己肯定感が低下すると、以下のような行動につながることがあります。
一方で、小さな成功体験を積み重ねることで、「できた」という実感が自信につながり、学習への意欲が高まることも少なくありません。そのため、点数だけではなく、努力や成長の過程を認めることが大切です。
中学校の学習でさらに苦労しやすくなる
小学校で学ぶ内容は、中学校での学習の基礎となります。たとえば、以下の内容などは中学校でも継続して活用します。
基礎が十分に身についていないまま進学すると、中学校の授業でも理解しにくい内容が増え、さらに苦手意識が強くなる可能性があります。だからこそ、小学生のうちに苦手な単元を見つけ、少しずつ学び直していくことが大切です。
小学生の勉強についていけないときに家庭でできる対策
お子さんが勉強についていけないと感じたとき、家庭での関わり方によって学習への意欲や理解度が変わることがあります。
大切なのは、焦って勉強量を増やすことではなく、お子さんの状況にあわせたサポートをおこなうことです。ここでは、家庭で実践しやすい対策を紹介します。
つまずいている教科や単元を確認する
最初に確認したいのは、「何ができないのか」です。「勉強についていけない」と感じていても、「算数だけ苦手なのか」「国語の読解につまずいているのか」「英語が難しく感じているのか」などによって、必要な対策は異なります。
また、算数が苦手だと思っていても、原因は「文章問題」ではなく「九九」や「分数」など、もっと前の単元にあることも少なくありません。テストや学校のプリントを見返しながら、どこでつまずいているのかを確認してみましょう。
基礎内容まで戻って学び直す
苦手な単元がわかったら、必要に応じて前の学年まで戻って復習することも大切です。
たとえば、以下のように基礎から学び直すことで理解が深まります。
「今の学年の内容だけを勉強しなければならない」ということはありません。基礎を固めることが、結果的に現在の学習内容の理解にもつながります。
毎日短時間でも勉強する習慣をつける
勉強時間を一気に増やそうとすると、お子さんにとって負担が大きくなります。そのため、まずは毎日10〜15分程度から始めるのがおすすめです。
たとえば、以下のように短時間でも継続できる内容から始めることで、学習習慣を身につけやすくなります。
学習習慣が定着すれば、徐々に学習時間や内容を増やしていくこともできるでしょう。
成果だけではなく努力を認める
お子さんが勉強についていけないと感じているときは、テストの点数や成績だけに注目しないことも大切です。
「100点が取れたか」ではなく、「毎日机に向かえた」「苦手な問題にも挑戦できた」「昨日より長く集中できた」など、努力や成長した過程を認めることで、「頑張ればできるかもしれない」という気持ちにつながります。
反対に、「どうしてこんな問題もできないの?」「もっと勉強しなさい」といった言葉は、お子さんが自信を失う原因になることもあります。結果だけではなく、努力を具体的にほめることを意識しましょう。
学校の先生にも相談する
家庭だけで解決しようとせず、学校の先生に相談することも大切です。担任の先生は、授業中の理解度や学校での学習態度、友だちとの関わり、得意・苦手な教科など、家庭では見えない様子も把握しています。
たとえば、「どの単元でつまずいているか」「授業中に困っている場面はあるか」「家庭学習では何を優先すればよいか」などを相談すると、具体的なアドバイスをもらえることがあります。
家庭と学校が連携することで、お子さんをより効果的にサポートできるでしょう。
教科別|勉強についていけないときの対策
勉強についていけない原因は、教科によっても異なります。
ここでは、国語・算数・英語でつまずいた場合の対策を紹介します。
国語についていけない場合
国語は、すべての教科の土台となる教科です。文章を読む力が十分に身についていないと、算数の文章問題や理科・社会の問題文も理解しにくくなります。
国語が苦手なお子さんには、次のような取り組みがおすすめです。
また、読書を習慣化することも語彙力や読解力の向上につながります。ただし、難しい本を無理に読ませる必要はありません。まずは、お子さんが興味を持てる本から始めることが大切です。
算数についていけない場合
算数は積み上げ型の教科であり、一つの単元を理解できないまま次へ進むと、その後の内容も理解しにくくなります。
たとえば、以下のような場合は、理解が不十分な単元まで戻って復習しましょう。
計算練習だけではなく、「なぜその答えになるのか」を理解しながら学習することも大切です。図やイラストを使って考えると、理解しやすくなるお子さんもいます。
英語についていけない場合
小学校の外国語では、「聞くこと」「読むこと」「話すこと(やり取り)」「話すこと(発表)」「書くこと」をバランスよく育てることが重視されています。
英語が苦手なお子さんには、以下のような基礎的な学習から始めることがおすすめです。
英語は、一度に多くの単語を覚えるよりも、毎日少しずつ繰り返すほうが定着しやすくなります。また、英語に苦手意識を持たないよう、「読めた」「発音できた」といった小さな成功体験を積み重ねることも重要です。
塾や家庭教師を検討したほうがよいケース
家庭学習だけで改善が難しい場合は、塾や家庭教師などの学習支援を活用することも一つの選択肢です。
ただし、「勉強についていけないから、すぐに塾へ通わせる」という考え方ではなく、お子さんの状況にあわせて判断することが大切です。
家庭学習だけでは改善しない
家庭で復習を続けても、テストの点数が上がらない、同じところで何度もつまずく、学習への意欲が戻らない、という状態が続く場合は、第三者によるサポートを検討してもよいでしょう。
学習塾や家庭教師は、お子さんの理解度や相性によって役立つ場合があります。指導方法や費用、通いやすさを比較し、体験授業などであうかどうかを確認してから検討しましょう。
保護者だけで教えることが難しい
保護者が勉強を教えようとしても、「教え方がわからない」「感情的になってしまう」「親子げんかになってしまう」というケースも少なくありません。
そのような場合は、家庭だけで抱え込まず、塾や家庭教師など専門的なサポートを利用することも有効です。保護者は「教える人」ではなく、「学習を応援する存在」と考えることで、お子さんとの関係も保ちやすくなります。
学習習慣を身につけたい
勉強内容だけではなく、「家ではなかなか机に向かわない」という悩みを抱える家庭もあります。
塾に通うことで、以下のような習慣づくりにつながる場合があります。
勉強習慣が身につけば、家庭学習も進めやすくなるでしょう。
お子さんにあう塾・家庭教師の選び方
塾や家庭教師を選ぶ際は、知名度だけで決めるのではなく、お子さんとの相性も確認しましょう。たとえば、「少人数指導」「個別指導」「集団指導」では、学習環境が異なります。
また、「苦手克服を目指したい」「学習習慣をつけたい」「中学受験を考えている」など、目的によって適した塾も変わります。
体験授業や学習相談を活用し、お子さんが安心して通える環境かどうかを確認することが大切です。
小学生の勉強についていけないことに関するよくある質問
ここでは、小学生のお子さんの学習について保護者からよく寄せられる疑問にお答えします。
小学生で勉強についていけないのは珍しいことですか?
珍しいことではありません。小学校では学年が上がるにつれて学習内容が難しくなり、一時的につまずくお子さんもいます。
特に、算数の分数・割合や国語の読解問題など、理解に時間がかかる単元では苦手意識を持つことがあります。
大切なのは、「ついていけない」と感じたタイミングで原因を確認し、必要に応じて基礎内容まで戻って学び直すことです。
前の学年まで戻って勉強してもよいですか?
もちろん問題ありません。小学校の学習は積み重ねになっているため、前の学年の内容が十分に理解できていないと、新しい単元も理解しにくくなります。
たとえば、「九九が曖昧なら2年生の内容から」「分数が苦手なら分数の基本から」「漢字が苦手なら前学年の漢字も復習する」というように、必要なところまで戻って学習することが、現在の学習内容の理解につながります。
「学年にこだわらず、理解できるところから学び直す」ことを意識しましょう。
毎日どれくらい勉強すればよいですか?
学習時間よりも、毎日続けることが大切です。目安として学年×10分程度が紹介されることもありますが、個人差があるため、まずは10〜15分の短時間から始め、無理なく続けられる時間を少しずつ増やしていく方法がおすすめです。
まずは、学校の宿題、教科書の音読、漢字や計算の復習などに取り組み、10〜15分でも毎日机に向かう習慣をつくりましょう。学校配布のタブレットやデジタル教材がある場合は、復習に無理のない範囲で活用するのも効果的です。
家庭学習だけで改善できますか?
つまずきが小さい段階であれば、家庭学習で改善できる場合もあります。
たとえば、以下のようなサポートによって、学習への意欲や理解度が向上するケースもあります。
一方で、長期間学習の遅れが続いている場合や、保護者だけでのサポートが難しい場合は、学校の先生へ相談したり、塾や家庭教師などを活用したりすることも検討するとよいでしょう。
小学生が勉強についていけないと感じたら早めのサポートが大切
小学生が勉強についていけなくなる背景には、学習内容の難化だけではなく、基礎学力の定着不足や学習習慣、勉強への苦手意識など、さまざまな要因があります。
「勉強についていけないから勉強が苦手」と決めつけるのではなく、まずはどの教科のどの単元でつまずいているのかを確認することが大切です。
家庭では、以下のようなサポートをおこなうことで、お子さんが安心して学習に取り組める環境をつくれます。
また、家庭だけで改善が難しい場合は、塾や家庭教師などの学習支援を利用することも一つの方法です。
勉強のつまずきは、早めに対応するほど改善しやすくなります。お子さんの小さな変化を見逃さず、一人ひとりにあった方法でサポートしながら、無理のないペースで学習を続けていきましょう。
