総合型選抜の志望理由書で生成AIを使いたいものの、「どこまでなら問題ないのか」「AIの文章を提出してよいのか」と迷う受験生もいるでしょう。
大学や選抜区分によって取扱いは異なり、利用を認めない例もあれば、内容の責任を出願者本人に求めたうえで利用の有無を問わない例もあります。
この記事では、総合型選抜の志望理由書で生成AIを使う際の注意点と活用方法を解説します。最終稿は自分の経験と考えに基づき、自分の言葉で説明できる内容に仕上げましょう。
- AI活用の前に!必ず志望校の「募集要項」と「ポリシー」を確認しよう
- 総合型選抜での生成AI利用が増加中!志望理由書作成の現状とリスク
- 生成AIが志望理由書作成でできること
- 総合型選抜の志望理由書作成における生成AI利用のリスク
- AI判定だけを気にするのではなく、大学の規定と本人性を重視する
- 生成AIを安全かつ最大限に活用する志望理由書の作り方
- ①生成AIは「ゼロイチの創造」ではなく「肉付けと推敲」に使う
- ②生成AIに「自分の経験」を詳細にインプットする
- ③答えを作らせるのではなく、質問と改善点を求める
- 【プロンプト集】志望理由書の作成に活用できるテンプレート
- フェーズ1:「骨子の決定」のための構成案提案プロンプト
- フェーズ2:「ロジック強化」のための論理構造チェックプロンプト
- フェーズ3:「表現力向上」のための言葉選び・添削プロンプト
- 生成AI利用時のNG行動と対処法
- ①すべてを生成AIに丸投げして提出する
- ②志望理由書の使い回しをそのまま利用する
- ③専門用語の誤用を見落とす
- ④生成AIの回答を「そのままコピペ」するのはNG
- ルールを守って「自分だけの合格戦略」を!
AI活用の前に!必ず志望校の「募集要項」と「ポリシー」を確認しよう
総合型選抜で生成AIを活用する際に最も重要なのは、大学ごとのルールに従うことです。
大学・学部・選抜区分によって、生成AIの取扱いは異なります。
- 利用を認めない大学・選抜:志望理由書などの作成に生成AIを使わないよう明示している場合があります。
- 条件付きまたは本人責任で利用できる大学・選抜:補助的な利用を含め、出願者が内容の責任を負う方針が示される場合があります。
- 取扱いが明記されていない大学・選抜:自己判断せず、最新の募集要項・入試情報・FAQを確認し、不明点は大学へ問い合わせましょう。
2025年度の公開資料では、東京学芸大学に出願書類への生成AI利用を認めない旨の記載が見られます。一方、東京農工大学には、出願者本人が内容に責任を負うことを前提に、一律禁止としていない旨の記載があります。
このように、大学の方針は、学部や選抜区分、年度によって異なる場合があります。
※参考:東京学芸大学 2026年度総合型選抜学生募集要項、東京農工大学 出願書類における生成AIの取扱いについて
※2026年9月17日時点の情報です。最新情報は各大学の公式サイトでご確認ください。
まずは志望校・学部・選抜区分の最新の募集要項、入試情報、FAQを確認しましょう。利用を認めない旨が示されている場合は、生成AIを使わずに作成します。記載が見つからない場合も、必要に応じて大学の入試担当窓口へ確認してください。
総合型選抜での生成AI利用が増加中!志望理由書作成の現状とリスク
生成AIは、考えを整理したり文章を見直したりする補助に使えます。ただし、大学の方針、個人情報、著作権、出力内容の正確性に注意が必要です。
生成AIが志望理由書作成でできること
生成AIは、本人が考えた内容を整理し、推敲の観点を得る補助として使えます。
総合型選抜の志望理由書作成における生成AI利用のリスク
生成AIを使う前に、次のリスクを理解しておきましょう。
①本人の経験や考えが伝わりにくくなる
生成AIの出力は一般的な表現になりやすく、本人の具体的な経験や問題意識が薄れることがあります。
出願書類は、自分が何を経験し、何を考え、大学で何を学びたいのかを具体的に示すことが大切です。
②事実誤認や既存表現との類似に気づきにくい
生成AIは、不正確な情報や既存の文章に似た表現を出力することがあります。固有名詞、制度、数値、引用は大学などの一次情報で確認し、第三者の文章を無断で転用しないでください。
利用規定に反した場合の扱いは、各大学・選抜区分の定めに従います。
③「面接での矛盾」による評価ダウン
生成AIに任せた文章は、自分が普段使わない語彙や、十分に理解していない主張を含むことがあります。面接で提出書類の内容を質問されたときに説明できなければ、記載内容の信頼性や理解度を疑われる可能性があります。
提出前にすべての文を読み直し、自分の言葉で具体的に説明できるか確認しましょう。
AI判定だけを気にするのではなく、大学の規定と本人性を重視する
生成AIの利用可否や確認方法は、大学・選抜区分によって異なります。AI判定ツールの結果だけで一律に判断されると決めつけず、志望校が公表する規定に従うことが先決です。
志望理由書は、本人の経験、問題意識、大学で学ぶ目的が一貫しているかを確認し、自分で説明できる内容にしてください。
生成AIを安全かつ最大限に活用する志望理由書の作り方
生成AIを敵に回さず、味方につけるためには、以下の3つの鉄則を守りましょう。
①生成AIは「ゼロイチの創造」ではなく「肉付けと推敲」に使う
最もやってはいけないのが、白紙の状態から「志望理由書を書いて」と命じることです。
まずは拙くても良いので、自分の言葉で下書きを書きましょう。生成AIはその素材を磨き、論理の穴を埋めるための「研磨剤」として活用するのが正解です。
②生成AIに「自分の経験」を詳細にインプットする
生成AIに「〇〇大学の志望理由を考えて」と聞いても、一般的な回答しか返ってきません。
自分にしか語れない経験を整理すると、一般論ではない志望理由を組み立てやすくなります。
生成AIを使う際は、氏名、住所、学校名、連絡先、第三者の個人情報、未公開情報は入力しないようにしましょう。あわせて、利用するサービスの利用規約、プライバシーポリシー、入力内容の保存や学習利用に関する設定も事前に確認しておくことが大切です。
③答えを作らせるのではなく、質問と改善点を求める
生成AIに完成文を作らせるのではなく、「根拠が弱い箇所はどこか」「追加で考えるべき質問は何か」のように、改善点を求めます。
提案を受けた後は、自分の経験と考えに照らして採用するかを判断し、表現を自分で書き直しましょう。
【プロンプト集】志望理由書の作成に活用できるテンプレート
生成AIへ相談するときは、目的、確認してほしい点、変更してほしくない内容を具体的に伝えます。
ここからは、志望理由書の作成段階に応じたプロンプト例を紹介します。大学が生成AIの利用を認めていることを確認したうえで、必要な部分だけ調整して使ってください。
※個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用規約やプライバシーポリシーを確認し、入力する情報を踏まえて利用を判断するよう注意喚起しています。著作物の入力・生成物の利用は、文化庁の資料も確認してください。
※参考:個人情報保護委員会、文化庁 AIと著作権について
フェーズ1:「骨子の決定」のための構成案提案プロンプト
フェーズ2:「ロジック強化」のための論理構造チェックプロンプト
大学のアドミッション・ポリシーは公式サイトで確認し、必要な項目を自分で要約して入力しましょう。全文を貼り付ける場合は、利用規約と著作権上の取扱いを確認してください。
フェーズ3:「表現力向上」のための言葉選び・添削プロンプト
生成AI利用時のNG行動と対処法
生成AIを活用して総合型選抜の対策をする際、合格を遠ざけてしまう、受験生が陥りがちなミスをまとめました。
①すべてを生成AIに丸投げして提出する
生成AIが作成した文章をそのまま提出すると、大学の方針に反する可能性があるほか、面接で自分の言葉として説明できなくなるおそれがあります。
完成した文章は声に出して読み、違和感のある表現は自分の言葉に書き換えましょう。面接は、提出した書類の延長線上にあることを忘れてはいけません。
②志望理由書の使い回しをそのまま利用する
生成AIは汎用的な文章を作るのが得意なため、志望理由がどの大学にも当てはまる内容になってしまう場合があります。
必ず「この大学のカリキュラムの〇〇という点に惹かれた」という固有の情報を生成AIに与え、「その大学でなければならない理由」を強化してください。
③専門用語の誤用を見落とす
生成AIは、事実と異なる内容をもっともらしく出力することがあります(ハルシネーション)。
提案された専門用語や、大学教授の研究内容は必ず公式サイトや論文で再確認し、正しい文脈で使用されているか裏取りをしましょう。
④生成AIの回答を「そのままコピペ」するのはNG
生成AIが作成した文章をそのまま提出すると、大学の利用規定に反したり、本人が作成した書類として評価できなかったりする可能性があります。
利用が認められている場合でも、生成AIは「思考の壁打ち相手」や「構成のヒント」として活用しましょう。最終稿は自分で内容を確認し、自分自身の経験と志望理由が伝わる言葉に仕上げてください。
ルールを守って「自分だけの合格戦略」を!
生成AIは、自己分析や志望理由書のブラッシュアップにおいて非常に強力なパートナーになります。
しかし、繰り返しになりますが、活用の大前提は「大学が掲げるポリシーの確認」です。募集要項を隅々まで読み、ルールを正しく理解した上で、生成AIを「道具」として使いこなしましょう。
生成AIに依存せず、自分の経験と志望校で学びたい理由を掘り下げてください。自分で説明できる言葉に整えることが、志望理由書と面接の一貫性につながります。


