「総合型選抜の面接を練習したいけれど、相手が見つからない」「自分の回答を客観的に見直したい」と悩む受験生もいるでしょう。
生成AIは、志望理由書をもとに想定質問を作ったり、回答の論理や具体性を点検したりする補助ツールとして活用できます。一方、AIの評価は大学の採点基準そのものではなく、誤情報や個人情報の扱いにも注意が必要です。
この記事では、生成AIで想定質問を作る方法、模擬練習の進め方、活用時の注意点をわかりやすく解説します。最後は学校や塾の先生とも練習し、対人での受け答えを確認しましょう。
- 総合型選抜の面接対策に生成AIを活用するメリット
- 志望理由書から自分向けの想定質問を作れる
- 回答への深掘り質問を繰り返し練習できる
- 音声の書き起こしや対応サービスで話し方を振り返れる
- 生成AIで総合型選抜の対策をおこなう手順|3ステップで紹介
- 【ステップ1】生成AIで想定質問リストを作る
- 【ステップ2】生成AIを面接官に見立てた「模擬練習」の実践
- 【ステップ3】生成AIのフィードバックを自分の言葉に変えるリライト術
- 総合型選抜の面接対策に役立つAIツール・サービス
- ChatGPT / Gemini:想定質問の作成や対話練習に使う
- アオマル:総合型選抜向けのAI面接練習
- steach(スティーチ):録画・音声による面接練習
- Perplexity:出典候補を探す補助に使う
- 【注意】生成AIは万能ではない!人との練習も組み合わせよう
- 生成AIだけでは対人場面の反応を十分に確認できない
- ハルシネーションによる誤情報に注意する
- 個人情報や未公開書類を入力しない
- 生成AIを賢く使い自信をもって本番に臨もう!
総合型選抜の面接対策に生成AIを活用するメリット
これまでの面接対策は、対人での練習が不可欠でした。しかし、昨今の生成AIの性能向上によって、一人でも面接対策が可能になっています。
面接対策に生成AIを活用することで、以下のようなメリットが考えられます。
文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜で面接による評価を必ずおこなうとされています。想定質問への回答を声に出して練習し、考えを整理しておくことが重要です。
志望理由書から自分向けの想定質問を作れる
生成AIに志望理由書の内容を伝えると、志望動機、活動経験、入学後の計画などに沿った想定質問を作れます。一般的な質問だけでなく、説明が不足している箇所や、経験と将来像のつながりを確かめる質問も考えさせられます。
AIサービスには、氏名、住所、学校名、受験番号のほか、志望理由書の原文、評定、活動歴、連絡先など個人を特定できる情報を入力しないでください。利用前に学校や塾のルールも確認しましょう。
回答への深掘り質問を繰り返し練習できる
学校の先生や家族との練習は時間を合わせる必要がありますが、生成AIなら自分の都合にあわせて繰り返し練習できます。
「回答の曖昧な部分を質問してください」「理由や具体例が不足していたら指摘してください」と依頼すると、一問一答で終わらず、考えを掘り下げる練習になります。AIの指摘を正解と決めつけず、回答を具体化するための材料として使いましょう。
音声の書き起こしや対応サービスで話し方を振り返れる
音声入力や面接練習サービスを使うと、回答時間、話す速度、言いよどみ、フィラーなどを振り返れます。録音や録画を見返すことで、視線や姿勢、声量も確認できます。
ただし、AIが示すスコアは大学の評価結果を予測するものではありません。数値は練習前後の変化を見る目安にし、内容の妥当性や印象は先生などにも確認しましょう。
生成AIで総合型選抜の対策をおこなう手順|3ステップで紹介
ここからは、総合型選抜の面接対策に生成AIを活用する手順について紹介します。
【ステップ1】生成AIで想定質問リストを作る
まずは、大学情報や面接の詳細を調査し、自分を知るための「準備」に生成AIを使ってみましょう。
志望学部・学科に沿った質問を作る
まず、志望校の公式サイトでアドミッション・ポリシー、カリキュラム、研究内容、面接方法を確認します。募集要項に口頭試問やプレゼンテーションの記載がある場合は、その内容も整理しましょう。
生成AIには、確認した情報と自分の志望理由を伝え、「大学が求める学生像とのつながりを確認する質問を5つ作ってください」と依頼します。AIが大学情報を正しく読み取っているとは限らないため、質問の前提が公式情報と一致しているか必ず確認してください。
プロンプト付き!志望理由書から「深掘り質問」を生成させるコツ
生成AIに質問を作らせる際、単に「質問を作って」と言うだけでは不十分です。
以下のプロンプト例を参考に、生成AIに具体的な役割と視点を与えてください。
このプロンプトを使うことで、生成AIはあなたの文章の隙を見つけ出し、本番で受験生が答えに詰まりやすい「痛いところ」を突く質問を生成してくれます。
時事問題や学問分野の話題を調べて対策する
総合型選抜では、志望分野に関連する社会課題やニュースについて考えを問われる場合があります。検索機能を備えた生成AIは、調べる観点や検索語を考える補助に使えます。
ただし、AIの回答や引用元が最新・正確とは限りません。面接で使う事実や数値は、官公庁、大学、研究機関などの一次情報で確認し、確認日も記録しておきましょう。
【ステップ2】生成AIを面接官に見立てた「模擬練習」の実践
想定質問リストができたら、次は練習に進みましょう。生成AIとの対話を通じて、アウトプットの質を高めます。
ChatGPTの音声機能を活用した対話練習
ChatGPTで音声機能を利用できる環境では、画面を見ずに質問を聞き、声で回答する練習ができます。提供される機能や利用上限は、端末やプランによって異なります。
テキスト入力とは異なり、質問を聞いてから答え始めるまでの間や、言葉に詰まりやすい箇所を自分で把握できます。実際の面接に近づけるため、質問は一問ずつ出し、回答後に次の質問へ進むよう指定しましょう。
深掘りする面接官を演じさせる
一問一答で終わらず、一つの回答に対して理由や具体例を問い直してもらうと、考えを整理しやすくなります。
同じ質問を繰り返すのではなく、回答内容に応じた質問を一つずつ出すよう指示すると、対話形式の練習になります。
回答の一貫性と具体性をAIに点検してもらう
練習後は回答を文字に起こし、次の観点で点検させましょう。
AIの採点や点数は、大学の評価基準に基づく客観的な判定ではありません。数値を合否の目安にせず、前回の回答から改善した点を確認するために使いましょう。
【ステップ3】生成AIのフィードバックを自分の言葉に変えるリライト術
生成AIがくれたアドバイスをそのまま使うのはNGです。自分の言葉に置き換えて準備を進めることは、面接で考えを伝えやすくする助けになります
生成AIの回答例をそのまま使わない
生成AIは読みやすい回答例を作れますが、本人の経験や感情を正確に代弁できるわけではありません。AIが作った文章を丸暗記すると、追加質問に対応できず、志望理由書との不一致が生じる可能性があります。
回答例は構成を考える参考にとどめ、事実や経験を自分で確認し、自分が普段使う言葉で説明できる形に直すことが重要です。
生成AIの指摘を基に、自分の「原体験」を肉付けする
生成AIから「具体性が足りない」と指摘されたら、それはあなたの原体験(エピソード)を語るチャンスです。
たとえば、生成AIは「〇〇という社会貢献をしたい」という構成は作れますが、「中学生の時、近所の公園でゴミを拾っているお年寄りを見て、胸が熱くなった」というあなた自身の心の動きは作れません。
指摘された箇所の修正には、必ず「その時、自分はどう感じ、どう動いたか」という具体的なエピソードを自分で書き足してください。
話し方のクセ(「えー」「あのー」)をAIツールで矯正する
いくら内容が素晴らしくても、フィラー(「えー」「あー」「えっと」といった無意味な言葉)が多いと、自信がないように見えてしまいます。
生成AIの書き起こし機能を使うと、自分の発言の中にどれだけフィラーが含まれているかが一目瞭然になります。
「1分間に10回も『えー』と言っている」という事実を突きつけられることで、意識的に発言を短く区切ったり、沈黙を恐れずに話したりするトレーニングが可能になります。
総合型選抜の面接対策に役立つAIツール・サービス
利用できる機能や料金、対象年齢、データの扱いは変更されることがあります。利用前に各サービスの公式サイトで最新情報を確認してください。
ChatGPT / Gemini:想定質問の作成や対話練習に使う
ChatGPTやGeminiは、志望理由に沿った質問の作成、回答の要約、論理の確認などに利用できます。音声機能を使える環境では、画面を見ずに答える練習も可能です。機能の提供状況は端末やアカウントによって異なります。
アオマル:総合型選抜向けのAI面接練習
アオマルは、総合型選抜対策に特化したサービスです。公式サイトでは、AI面接官との音声対話、志望学部別の想定問答、回答へのフィードバックなどが案内されています。利用できる機能や料金は公式サイトで確認しましょう。
steach(スティーチ):録画・音声による面接練習
steachは、主に就職や採用面接向けの練習サービスです。総合型選抜にそのまま特化したサービスではありませんが、話し方や表情の振り返りに活用できる場合があります。回答内容は学校や塾の先生にも確認してもらいましょう。
Perplexity:出典候補を探す補助に使う
Perplexityは、回答とともに参照先を示しますが、表示された出典が主張を直接裏づけているとは限りません。面接で扱う情報は、リンク先を開き、官公庁や大学などの一次情報まで確認してください。
【注意】生成AIは万能ではない!人との練習も組み合わせよう
生成AIは質問作成や反復練習に便利ですが、合否を予測したり、大学の評価基準を完全に再現したりすることはできません。
生成AIだけでは対人場面の反応を十分に確認できない
生成AIは回答の論理や具体性を見直す補助になりますが、入退室の所作、面接官との間合い、聞き返し方、緊張した場面での対応までは十分に再現できません。
仕上げでは学校や塾の先生などに模擬面接を依頼し、内容と話し方の両方について助言を受けましょう。
ハルシネーションによる誤情報に注意する
生成AIは、実在しない制度や研究、誤った数値をもっともらしく示すことがあります。大学の教育内容、教員の研究テーマ、入試制度、社会情勢について話す場合は、必ず大学や官公庁などの公式情報で裏づけを取りましょう。
個人情報や未公開書類を入力しない
志望理由書や活動報告書には、氏名、学校名、活動先、受験番号などが含まれることがあります。不要な個人情報は削除し、学校から外部サービスへの入力を禁止されていないか確認してください。
ChatGPTではデータコントロールや一時チャット、Geminiではアクティビティ設定など、会話データの扱いを管理する機能が用意されています。設定内容は変更されることがあるため、利用時点の公式案内を確認しましょう。
生成AIを賢く使い自信をもって本番に臨もう!
生成AIを使った面接対策は、決して「楽をするための手抜き」ではありません。むしろ、一人で悩む時間を減らし、「自分をより深く知り、より高く成長させるための助け」になります。
生成AIとの対話を繰り返す中で、弱点と向き合い、それを改善するための言葉を自分の中から整理していくことになります。落ち着いて話すための準備方法の一つとして、AIを活用した練習を取り入れてみてください。
生成AIを練習相手の一つとして活用し、人からのフィードバックも受けながら、自分の考えを落ち着いて伝えられる状態を目指しましょう。


