「うちの子も中学生になったし、そろそろ塾に通うべき?」「同級生は塾に行きはじめたみたいだけど、本当に通うべきなの?」など、お子さんの通塾について悩んでいる保護者の方も多いでしょう。
塾にはメリットとデメリットの両方があり、子どもの状況によっては塾に通うことが最適解ではない場合もあります。
とはいえ、子どもが塾に行くべきかどうかを、学校の成績や学力だけで見極めてはいけません。この記事では、中学生が塾に行くメリットや、塾に行かなくてもよい場合などについて説明します。
通塾を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 中学生は塾に行くべきか?塾に行ってる割合を紹介
- 中学生は塾に行くべきか?判断するポイントを紹介
- 本人の意思があるか
- 学習習慣がついているか
- 塾に行くことで満足してしまわないか
- 家計に通塾する余裕があるか
- 中学生が塾に行く理由・メリットとは?
- 子どもに学習習慣が身につく
- 高校受験の対策ができる
- 学校の内申点を上げられる
- 塾で新たな仲間ができる
- 塾の設備やデータなどを利用できる
- 中学生が塾に行くデメリットとは?
- 一定の費用がかかる
- 必ず成績が上がるわけではない
- 行くだけで満足する場合がある
- 部活や習い事との両立が難しい
- 中学生が塾に通うときにかかる費用
- 中学生が塾に通い始めるときの注意点|3つのポイントに気をつけよう
- 必ず成績が上がるわけではない
- 保護者のサポートが必要になる
- 子どものレベルや性格にあった塾を選ぶ
- 中学生での塾選びの失敗しないポイント5つ
- 塾の指導形態が子どもの性格や学習スタイルに合っているか確認する
- 通塾の目的と塾のカリキュラムが一致しているか見極める
- 通いやすい立地や時間帯であるかチェックする
- 体験授業を活用する
- 費用が予算内に収まるか料金体系を把握する
- 中学生が塾に行かずに自宅で学習する際の注意点
- 目標や戦略、スケジュールをしっかり定める
- 適度に休憩を挟んで集中力を維持する
- 動画サイトの解説動画なども活用する
- 中学生は塾に行くべきかに関するよくある質問
- 中学生はいつごろから塾に行くべきですか?
- 高校受験に向かない子の特徴は?
- 塾に行ったほうがいい人は?
- 塾は「目的」ではなく「手段」である
- 中学生が塾に行くべきかどうかは事情を考慮して判断しよう
中学生は塾に行くべきか?塾に行ってる割合を紹介
お子さんが中学生になったからといって、必ずしも塾に行かせる必要があるわけではありません。ただし、実際に中学生になると塾に行く子どもが多いのも事実です。
「Ameba塾探し」が全国の小中学生の子どもがいる保護者約3000人に実施したアンケートによると、塾に行ってる中学生の割合は全体の58.9%という結果となり、中学生の2人に1人は塾に通っていることがわかります。
また、今は塾に行かせていない方に「今後、塾に通わせたいと思いますか?」と質問したところ、「とても通わせたい」(10.6%)、「やや通わせたい」(27.2%)と、約4割近い保護者が子どもの通塾を希望していることがわかりました。
とはいえ、子どもを塾に行かせるべきかどうかは、塾に行くことのメリット・デメリットを理解し、子どもが向いているかどうかを確認したうえで判断することが大切です。
中学生は塾に行くべきか?判断するポイントを紹介
塾に行かず自学自習する中学生もいるとはいえ、塾に通いはじめた同級生も多く、「うちの子も塾に行かせたほうがよいのでは」と悩んでいる保護者もいるかと思います。
子どもを塾に行かせるべきかどうかを判断するために、まずは以下の観点からお子さんの状況を振り返ってみましょう。
本人の意思があるか
どんな取り組みも、成果を挙げられるかどうかには本人の「やる気」が大きく関わってきます。
本人が塾に行きたくないと言っているにも関わらず、無理矢理塾に行かせても期待しているような成果は得られない可能性が高いです。自身が学生だった頃を思い返すと、勉強を強いられるのは大きなストレスでしたよね。実際に、「塾には行きたくないな…」と感じる子どもも少なくありません。
子ども本人が、勉強を無理強いされていると感じてしまった場合、かえって勉強を嫌いになってしまうことも考えられるでしょう。
もしまだ高校受験まで時間に余裕があるのであれば、本人がやる気を出したり、受験に向けて危機感を覚えるであろう中学3年生のタイミングで塾通いを検討してみましょう。
学習習慣がついているか
すでに勉強する習慣が身についている場合や、学校の授業を十分理解している場合は、塾で勉強する必要がないこともあります。
たとえば、テストで常に高得点を取れていたり、模試でもよい順位に位置している場合、自分なりに効率的な学習方法を身につけていると判断できます。
そのような子どもの場合、無理に塾に行かせると通塾の時間や授業が負担となり、逆効果となるケースも考えられます。
自宅に良好な学習環境が確保されているのであれば、受験シーズンに入っても無理に塾に行かせる必要はありません。子どもの学力と学習習慣、志望校の難易度などを踏まえて判断するのが賢明です。
塾に行くことで満足してしまわないか
子どもによっては塾に行くことで満足してしまい、本来の目的である学力向上や学習習慣が身につかないことも考えられます。
塾に行くことは目的ではなく、あくまでも成績を上げる、受験に合格するといった目的に対する「手段」です。
しかし、なかには塾に行くことで「塾に行ってるから安心だ」という気持ちになってしまう子どももいるでしょう。
そのような場合、塾に行っても自宅での学習習慣が身につくことはなく、安心感だけ得られてしまい、逆効果になることも考えられます。
塾に行き始める前に子どものやる気を確認するのはもちろん、通いはじめた後も定期的な面談などで塾での子どもの学習態度をしっかり確認する必要があります。
家計に通塾する余裕があるか
塾に行くには当然費用がかかり、受講する授業の数によっては、毎月数万円かかることもあります。
また、毎月発生する授業料や教材費などに加えて、長期休みには夏期講習や冬期講習といった季節講習の費用が追加で必要になります。
家庭によっては、これらの費用が家計の負担となることも考えられるでしょう。
最近では動画サイトなど無料で視聴できる教材もあるため、利用を検討してみるのも一考です。
中学生の塾の費用については、下記の記事で詳しく解説しています。費用相場や内訳などが知りたい方は、ぜひご覧ください。
中学生が塾に行く理由・メリットとは?
中学生が塾に行く理由・メリットは、主に以下のようなことが挙げられます。
上記のポイントから、中学生が塾に行く必要はあるのか、必要ないのかを判断するとよいでしょう。それぞれの行く理由・メリットについて、詳しく説明します。
子どもに学習習慣が身につく
自発的に勉強をする子どもであれば問題ありませんが、普段勉強する習慣のない子どもの場合は、塾に行かせることで学習習慣を身につけられるメリットがあります。
自分の子どもに「勉強しなさい」と口うるさくいったとしても、勉強をさせるのはなかなか難しく、お互いにストレスとなってしまうことが考えられます。
塾に行くことで学校以外の場所でも週に数回、強制的に勉強をする機会を作ることができることに加え、塾では課題を適切に出してくれるため、家庭での学習習慣の定着につながるでしょう。
高校受験の対策ができる
塾に行くことで基礎的な学力を上げられることはもちろん、受験問題の傾向に沿った対策もおこなえるため、自主学習するよりも効率的な受験対策が可能です。
費用を払っている分、学校に比べて質問や相談をしやすいのもメリットといえるでしょう。
限られた時間のなかで合格を目指すには、戦略を練ることが何より大切です。自分の得意科目を活かせる高校を選ぶことや、出題傾向を踏まえた勉強をすることで、合格に大きく近づくことができます。
しかし、中学生は初めての受験の場合も多く、自分ひとりで戦略を立てるのが難しいこともあるでしょう。
少しでも不安な方は、まずは1科目のみ塾に行くことをおすすめします。1科目でも行くことで、講師へ質問をしたりアドバイスをもらう機会を獲得できます。
勉強方法は大丈夫か、公立と私立の高校どちらを目指したらよいか、スケジュールはどのように立てたらいいのかなど、こまめに相談をするとよのいでしょう。
中3になると受験生としての実感がわきはじめ、進路に悩むこともあるでしょう。塾の講師と相談することで自分では見つけられなかった進路を探せるかもしれません。
また自習室などの施設を使用できることも塾に行くことのメリットです。
自宅で集中して勉強ができないとき、図書館などを使用することもあるでしょう。ただし、公共の場はとくに受験シーズンには席が埋まりやすいため、塾に自習室があると便利です。
なお、自習室の席と在籍生徒数のバランスはあらかじめ確認しておきましょう。
学校の内申点を上げられる
高校受験では内申点も重要な要素になります。塾に行くことで、内申点アップも期待できるでしょう。
内申点を上げるには、定期テストで安定してよい成績をとることが必要です。全科目の成績を学年を通してまんべんなく高く保つ必要があるため、苦手な科目がある場合は、その科目だけでも塾に行くようにするとよいでしょう。
とくに、学校の問題集や宿題を教材として使用できる塾であれば、塾でおこなう学習をそのまま学校の成績につなげやすいのでおすすめです。
多くの場合、学校の問題集などは提出期限が定められており、それ以降に提出すると内申点に影響が出るおそれがあります。塾で先取りして学習を進めておくことでリスクを減らせるでしょう。
また、塾の講師とともに問題を解くことで、不明点をそのままにすることがなく、わからない部分をその場で解消できるのもメリットです。
ただし、学校によっては学習の先取りを推奨していないところもあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
また、夏期講習や冬期講習などでは1日に数コマ以上、時間にすると多い場合で10時間前後も授業を受けることもあります。
中学生のときに学習習慣が身につくと、今後の人生全体にプラスに働くでしょう。
塾で新たな仲間ができる
塾に行くことで、同じ目標を持つ仲間ができて勉強へのモチベーションが向上する可能性があります。
多くの場合、中3の秋ごろから徐々にクラスの雰囲気が受験モードに変わりますが、塾の仲間は春や夏の早いうちから受験勉強に取り組んでいます。
塾の仲間とともに過ごすことで刺激を受け、勉強へのモチベーションを高めることができます。学校の友人にはできないような相談事も、適切な距離がある塾の友人であればかえってしやすい場合もあるでしょう。
同じ目標を持つ仲間と情報を交換したり悩みを相談しあったりすることで、ほどよく息抜きができ、長い受験生活を乗り越える助けになるはずです。
塾の設備やデータなどを利用できる
塾のなかには、自習室を設けているところもあり、授業がない日でも自由に利用できるケースがあります。
塾の自習室は、勉強に集中できるように設計されています。自分の部屋ではなかなか集中して勉強できないという子どもにとって、塾の自習室を利用できるのはありがたいでしょう。
自習室を利用する際は、利用可能時間と、在籍生徒数とのバランスをあらかじめ確認しておきましょう。とくに受験間際になると利用者が増え、満席で自習室が利用できない、ということもありえます。
また、塾はこれまで多くの受験生を送り出してきたことで蓄積されてきた、受験に関する膨大なデータを保有しています。そういったデータを自分の学習に活用できるのも、中学生が塾通いすることのメリットのひとつといえます。
塾に行くのであれば、利用できるものはすべて利用するぐらいの意気込みでいるとよいでしょう。
中学生が塾に行くデメリットとは?
中学生が塾に通うことには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。通塾を検討する際は、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで判断することが大切です。
一定の費用がかかる
塾に通うには、毎月の授業料や教材費など、一定の費用が必要になります。受講する科目数や授業形態によっては、想定よりも毎月数万円上乗せでの出費になることも珍しくありません。
さらに、通常の授業料に加えて、夏期講習や冬期講習といった季節講習の費用が追加で発生します。とくに受験学年になると、講習の回数が増えて費用負担が大きくなる傾向があるでしょう。
家庭によっては、これらの費用が家計を圧迫する可能性も考えられます。塾に通わせる前に、年間でどの程度の費用が必要になるのかを確認し、家計に無理のない範囲で通塾を検討することが大切です。
必ず成績が上がるわけではない
塾に入ったからといって、自動的に成績が伸びるわけではありません。最終的には、本人のやる気や努力が成績向上の鍵を握ります。
どんなに優れた授業を受けても、本人に学ぶ意欲がなければ期待する効果は得られないでしょう。
塾から出された宿題をこなすことはもちろん、理解力を高めて効率的に知識を吸収するためには、予習や復習が必要不可欠です。
また、子どもの学力レベルと塾のレベルが合っていない場合も、成績が上がりにくくなります。塾を選ぶ際は、子どもの現在の学力や目標に合った塾を選ぶことが重要です。
行くだけで満足する場合がある
子どもによっては、塾に行くことで満足してしまい、本来の目的である学力向上や学習習慣が身につかないことも考えられます。
塾に行くことは目的ではなく、あくまでも成績を上げる、受験に合格するといった目的に対する手段です。
しかし、中には塾に通っていることで「塾に行っているから安心だ」という気持ちになってしまう子どももいるでしょう。そのような場合、塾に行っても自宅での学習習慣が身につくことはなく、安心感だけを得てしまう可能性があります。
塾に通い始めた後も、定期的に塾での学習態度や取り組み姿勢を確認することが大切です。面談などを通じて、子どもがきちんと目的意識を持って授業を受けているか確認しましょう。
部活や習い事との両立が難しい
中学生は部活動や習い事に力を入れている時期でもあるため、塾との両立が難しいと感じるケースも少なくありません。
とくに運動部に所属している場合、練習が夕方まで続くこともあり、塾の授業時間に間に合わないこともあるでしょう。部活と塾の両立が難しくなると、どちらかを諦めなければならない状況に陥る可能性もあります。
また、無理に両立させようとすると、睡眠時間が削られて体調を崩したり、疲労が蓄積して学習効率が下がったりすることも考えられるでしょう。
通塾を検討する際は、子どもの生活スケジュールを考慮し、無理なく通える曜日や時間帯を選ぶことが重要です。
塾によっては曜日や時間帯の変更に柔軟に対応してくれるところもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
中学生が塾に通うときにかかる費用
お子さんを塾に行かせるか検討している方のなかには、費用が気になるという方も多いのではないでしょうか。
文部科学省が公表した「令和5度子供の学習費調査」によれば中学生の塾にかかる費用の平均は以下のようになっています(※)。
| 学年 | 公立中学校(年間) | 私立中学校(年間) |
|---|---|---|
中学1年生 | 133,845円 | |
中学2年生 | 213,742円 | 151,425円 |
中学3年生 | 340,918円 | 202,127円 |
平均 | 230,343円 | 168,058円 |
※出典:文部科学省「令和5度子供の学習費調査」
公立中学校、私立中学校ともに、学年が上がるにつれて塾の費用も高くなる傾向があります。
とくに公立中学校では高校受験があるため、中学3年生になると塾にかける費用が大幅に増加する点が大きな特徴です。
一方、私立中学校では、費用が高くなっているものの、高校3年生になっても大幅な増加はしていません。
私立中学校は中高一貫のシステムを採用しているため、そもそも高校受験をする生徒数が少ないこと、公立に比べて補習などの学習サポートが充実していることなどが理由として考えられるでしょう。
なお、全体で見た場合、1年間の費用は公立中学校が約230,000円、私立中学校が約170,000円という結果になっています。 月額にすると、公立中学校では約19,000円、私立中学校では約14,000円となるので、中学生の塾にかかる費用の目安にしてください。
中学生が塾に通い始めるときの注意点|3つのポイントに気をつけよう
塾は行くことが目的ではないため、入ったあとが大切です。塾に通う際は、以下のように気をつけなければいけない点がいくつかあるため、事前に確認しておきましょう。
それぞれ解説します。
必ず成績が上がるわけではない
塾に入ったからといって勝手に成績が伸びるわけではなく、最終的には本人のやる気や努力が必要です。
どんなに優れた授業を受けても、本人に学ぶ意欲がなければ意味のないものになってしまいます。
塾から出された宿題をこなすことはもちろんですが、理解力を高めて効率的に知識を吸収するためには、予習や復習が必要不可欠になるため、本人が目的意識を持って積極的に勉強することが重要です。
保護者の方は、子どもを塾に行かせる前に、「塾に行く目的や勉強する理由」を本人と一緒によく話し合っておきましょう。
保護者のサポートが必要になる
子どもが塾通いをしているからといって放置してしまうのはよくありません。中学生は難しい時期でもあるため、干渉し過ぎるのもよくありませんが、勉強に取り組める環境を作るためにも、保護者の方のサポートは必要です。
たとえば、進路や勉強方法で相談をされたら親身に対応したり、勉強のストレスをケアしたりと、できる範囲で子どものサポートをしましょう。
また、子どもが勉強しやすい環境を整えることも大切です。とくに、中学3年になると高校受験があり、受験生は精神的に不安定になることも考えられます。
勉強の邪魔にならないように、テレビの音や会話のトーンなどに気をつけて、勉強に集中できる環境作りに協力してあげてください。
子どものレベルや性格にあった塾を選ぶ
塾を選ぶときは、子どもの学力や性格を考慮する必要があります。塾によって特徴は異なり、難関校を目指す進学塾や学校の授業にあわせて学習を進める補習塾などさまざまです。
子どもの学力とかけ離れた塾を選んでしまうと、成績が伸びるどころか勉強が嫌いになってしまうこともあるため、塾側の説明をしっかりと聞いて最適な塾を選びましょう。
また、塾の授業形態には大きく3つの種類があるので、どの形態の塾が子どもに適しているのかを見極めることも大切です。
| 授業形態 | 特徴 |
|---|---|
集団授業 | ・学校の授業に近いイメージで、大勢の生徒に対して1人の講師が指導 ・周囲の刺激を受けながら学習ができる |
個別指導型 | ・マンツーマンまたは、1~2名の生徒に対して1人の講師が指導 ・本人のペースにあわせた学習ができる |
映像授業 | ・録画を配信するタイプと、リアルタイムで配信するタイプがある ・塾に通う手間がなく、あとから授業を見返すことができる場合もある |
中学生での塾選びの失敗しないポイント5つ
中学生にとって塾選びは、学力向上や受験対策に大きく影響する重要な決断となります。ここでは、塾選びで失敗しないために押さえておきたい5つのポイントを紹介します。
塾の指導形態が子どもの性格や学習スタイルに合っているか確認する
塾の指導形態には、集団授業・個別指導・映像授業など、いくつかの種類があります。それぞれに特徴があり、子どもの性格や学習スタイルによって向き不向きがあります。
たとえば、競争心が強く周囲の刺激を受けて伸びるタイプの子どもには、集団授業形式がおすすめです。
一方、マイペースに学習を進めたい子どもや、苦手科目を重点的に学びたい場合は、個別指導が向いているでしょう。
また、部活や習い事で忙しく決まった時間に通うのが難しい場合は、映像授業を選ぶことで自分のペースで学習を進められます。
子どもの性格や生活スタイルを考慮して、最適な指導形態を選ぶことが大切です。
通塾の目的と塾のカリキュラムが一致しているか見極める
塾を選ぶ際は、通塾の目的と塾のカリキュラムが一致しているかを確認することが重要です。塾には進学塾や補習塾など、目的によってさまざまな種類があります。
たとえば、難関校を目指している場合は、受験対策に特化した進学塾を選ぶとよいでしょう。
一方、学校の授業についていけず基礎固めをしたい場合は、補習塾が適しています。
また、内申点を上げることを目的とするなら学校の定期テスト対策に力を入れている塾を選ぶことをおすすめします。
目的とカリキュラムがずれていると、期待する効果が得られない可能性があるため、入塾前にしっかり確認しましょう。
通いやすい立地や時間帯であるかチェックする
塾の立地や授業時間は、継続して通うために非常に重要な要素です。
自宅や学校から遠い場所にある塾を選んでしまうと、通塾に時間がかかり、子どもの負担が大きくなってしまいます。
とくに夜遅い時間帯の授業になる場合は、帰宅時の安全面も考慮しましょう。駅やバス停から近い場所にある塾や、保護者が送迎しやすい立地の塾を選ぶことをおすすめします。
また、部活動や習い事との両立を考えている場合は、授業の開始時間にも注意が必要です。
部活が終わってから余裕を持って通える時間帯の授業があるか、曜日の変更に柔軟に対応してくれるかなどを事前に確認しておきましょう。
体験授業を活用する
多くの塾では、入塾前に体験授業を受けられる制度を設けています。体験授業は、塾の雰囲気や講師との相性、授業の進め方などを実際に確認できる貴重な機会です。
パンフレットやホームページの情報だけでは分からない、教室の雰囲気や講師の指導スタイルを肌で感じることができるでしょう。
また、子ども自身が「この塾で勉強したい」と感じられるかどうかも重要なポイントです。
可能であれば、複数の塾で体験授業を受けて比較検討することをおすすめします。子どもが実際に授業を受けた感想を聞きながら、最も合っている塾を選ぶようにしましょう。
費用が予算内に収まるか料金体系を把握する
塾選びでは、費用面も重要な判断材料になります。入塾前に、月謝だけでなく入会金や教材費、季節講習の費用なども含めた年間の総額を確認しておきましょう。
塾によっては、通常の授業料のほかに、夏期講習や冬期講習で数万円から十数万円の追加費用が発生することもあります。
とくに受験学年になると、特別講習や模試の費用が増えるため、予想以上の出費になる可能性があるでしょう。また、兄弟割引や成績優秀者への特待生制度などを設けている塾もあります。
料金体系をしっかり把握し、家計に無理のない範囲で通える塾を選ぶことが、長く続けるためのポイントです。
中学生が塾に行かずに自宅で学習する際の注意点
中学生のなかには、塾に行かない、行きたくないという方も一定数います。その場合は、自宅学習によって学力を向上させる必要があります。
ここでは、自宅で学習する際に意識すべきことや注意点を紹介します。
各項目について、次より詳しく説明します。
目標や戦略、スケジュールをしっかり定める
塾に行って勉強する場合は、塾が設けた中学生向けのカリキュラムに沿って勉強することになるため、真剣に取り組めば着実に学力を身につけることが可能です。
一方、独学の場合は、手探りで勉強の方針を決めなければなりません。
勉強はただ時間をかければよいというわけではなく、きちんとした目標を立て、どのような方針で勉強するかを考えて、守るべきスケジュールに則って進めていくことが必要です。
中学生が一人でこれらを考えるのはかなり難しいため、両親が適宜相談に乗ったり、学校の先生に相談に乗ってもらったりして、効率的に勉強を進められるようにしましょう。
適度に休憩を挟んで集中力を維持する
人間の集中力は最大でも90分程度が限界といわれています。
集中力がない状態で勉強をしようとしても、内容が頭に入ってこず、時間を無駄にしてしまいます。適度に休憩を挟んで脳をリフレッシュさせ、集中力を維持することを心がけましょう。
また、マンネリ感も集中力を削ぐ要因になり得ます。
普段、自室で勉強している人は、勉強する場所を変えることで意識がリフレッシュされて、集中しやすくなることもあります。ぜひ試してみてください。
動画サイトの解説動画なども活用する
最近では、Youtubeなどの動画サイトに勉強の解説動画を投稿する人が増えてきているため、自宅で勉強する場合にはそのような動画視聴サービスを活用することも検討してみましょう。
動画によって内容は異なりますが、問題を解く際に注目すべきポイントやユニークな語呂合わせによる暗記事項の覚え方など、参考になる内容も多いです。
自宅学習では主体的に勉強に取り組まなければいけませんが、動画を見ている間は学校で授業を受けているときと同じように多少受け身でも勉強になります。
また、少しリフレッシュしたいときに動画を見るのもよいでしょう。
動画の方向性や出演者によって好みが分かれることも多いため、自分にあっていて自然と視聴できる動画投稿者を見つけられると学習が捗ります。
中学生は塾に行くべきかに関するよくある質問
中学生の塾通いについて、頻繁に寄せられる質問をまとめました。塾選びや通塾の判断に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
中学生はいつごろから塾に行くべきですか?
中学生が塾に通い始める時期は、子どもの学力や目的によって異なります。一般的には、中学1年生の春から通い始める生徒が多い傾向にあるでしょう。
2008年における文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」でも、中学1年生は45.1%、2年生は50.9%、3年生は65.2%の方が学習塾に通っていることがわかっています(※1)。
中学1年生から通い始めることで、早い段階で学習習慣を身につけられ、基礎学力をしっかり固められます。
ただし、学校の授業だけで十分に理解できている場合や、部活動に専念したい場合は、無理に早くから通う必要はありません。
中学2年生の後半や中学3年生になってから、高校受験対策として通い始めるケースも多くあります。子どもの学習状況や本人の意思を尊重しながら、適切なタイミングを見極めることが大切です。
高校受験に向かない子の特徴は?
高校受験に向かない子の特徴として、まず本人に受験する意思がない場合が挙げられます。
保護者の希望だけで無理に受験させようとしても、子ども自身にやる気がなければ良い結果は期待できないでしょう。
高校受験の勉強は中学3年生から本格化するため、部活動でも最終学年として注力する時期に勉強漬けの日々を送ることになります。
子どもの性格や価値観を考慮せずに受験を強いると、勉強嫌いになったり、親子関係が悪化したりする可能性もあるため注意が必要です。
塾に行ったほうがいい人は?
塾に行ったほうがいい人は、まず自宅では集中して勉強できない人が挙げられます。
家だと誘惑が多く、ついスマートフォンやゲームに手が伸びてしまう場合は、塾の学習環境を活用することで勉強に集中できるでしょう。
また、学習習慣が身についていない人や、何から勉強すればよいか分からない人も、塾に通うことで計画的な学習ができるようになります。塾では適切なカリキュラムと宿題が用意されているため、学習習慣が身につきやすい環境です。
さらに、高校受験を控えていて、志望校の対策方法が分からない人にも塾はおすすめです。塾には受験に関する豊富なデータやノウハウがあり、志望校に合わせた効率的な対策ができます。
塾は「目的」ではなく「手段」である
先ほども少し触れましたが、塾に行くことは目的ではなく、あくまでも成績を上げる、志望校に合格するといった目的に対する「手段」です。
塾に行くこと自体が目的化してしまうと、なぜ塾に通っているのかという意識が薄れてしまい、「親に言われたから行ってる」「まわりの子がみんな行ってるから自分も行ってる」という状態に陥ってしまう可能性があります。
勉強に限らずスポーツや仕事などでもそうですが、「なぜこれをしているのか」「この取り組みにはどのような意味があるのか」ということを意識するのとしないのでは、成果に大きな差が生まれます。
子どもには「国語に対する苦手意識を払拭するために塾の授業を受ける」「志望校の傾向に沿った対策をおこなうために塾に行く」といったように、目的意識をきちんと持って授業を受けてもらいましょう。
中学生が塾に行くべきかどうかは事情を考慮して判断しよう
中学生が塾に行くことには、高校受験の対策ができる、学習習慣が身につくといったメリットがありますが、学校の勉強や自主学習で十分対応できるケースもあります。
また、何より本人が塾に行きたくないと言っている場合は、無理矢理行かせても思ったような成果が得られない可能性が高く、時間とお金の無駄になってしまいます。
塾に行くことは目的ではなく、あくまでも手段であるということを意識し、本人がやる気を出したり、受験に向けて危機感を覚えたりしたタイミングで通塾を検討しましょう。