お子さんを塾に通わせている保護者の方にとって、「塾は何時まで授業をしているのか」「法律的に問題はないのか」という疑問は尽きないものです。とくに夜遅い時間まで塾で勉強している子どもたちを見ると、健康面や安全面での心配も出てきます。
実は、塾の営業時間を直接規制する法律は存在しません。しかし、青少年保護育成条例などの関連法規があり、子どもたちの安全は守られています。
本記事では、小中高生別の一般的な授業時間例をご紹介するとともに、塾の営業時間に関する法律、帰宅が遅くなる原因と対策について詳しく解説します。お子さんの安全を確保しながら、効果的な学習環境を整えるための参考にしてください。
- 塾が何時までかを決める法律はあるのか
- 塾の営業時間を直接規制する法律はない
- 青少年保護育成条例により深夜時間帯はある
- 塾帰りでも補導の声かけはあるが、正当な理由として配慮されることが多い
- 塾は何時までやってる?帰りの時間例を小中高別に解説
- 小学生の塾は何時までやってるのか
- 中学生・高校生の塾は何時までやってるのか
- 子どもが塾からの帰宅が遅い原因・確認すべきポイント
- 塾の開校時間と授業時間は一緒ではない
- 授業後に講師に質問している
- テスト期間などは居残りで自習している可能性も
- 授業後に友達とおしゃべりしている
- 塾からの帰りが遅い場合にできる対策
- 保護者が塾の送迎をおこなう
- GPS機能付きスマートフォンで位置情報を共有する
- 友達と一緒に帰宅するようにする
- 塾の入退室管理システムを活用する
- 通塾時間に関連して考慮すべき5つのこと
- 自宅から塾までの距離は適切か
- 保護者の送迎が必要か
- 軽食やお弁当などの用意が必要か
- 子どもの位置確認はどうするか
- 自習室はどこまで活用できるか
- 安全面と生活リズムへの影響をふまえて塾を選ぼう
塾が何時までかを決める法律はあるのか
塾の営業時間について、多くの保護者が気になるのは法的な規制です。深夜まで営業している塾もあれば、早めに終了する塾もありますが、これらはどのような基準で決められているのでしょうか。
実際のところ、塾の営業時間については複数の視点から考える必要があります。ここでは、関連する法律や条例について詳しく見ていきましょう。
塾の営業時間を直接規制する法律はない
日本には、塾の営業時間を直接的に制限する法律は存在しません。学習塾は「教育サービス業」として分類され、一般的な営業の自由が認められています。
そのため、各塾は独自の判断で営業時間を設定できます。早朝から開校する塾もあれば、深夜まで自習室を開放している塾もあるのはこのためです。
ただし、完全に自由というわけではなく、地域の条例や周辺住民への配慮、そして何より生徒の健康と安全を考慮して営業時間を決めているケースがほとんどです。
青少年保護育成条例により深夜時間帯はある
塾の営業時間を直接規制する法律はありませんが、青少年保護育成条例によって間接的な制限があります。各都道府県が定めるこの条例では、18歳未満の青少年が深夜に外出することを制限しています。
たとえば東京都の場合、午後11時から翌日午前4時までが深夜時間帯として定められています。この時間帯に青少年が正当な理由なく外出していると補導の対象となる可能性があるため注意しましょう。
地域によって時間帯は若干異なりますが、多くの自治体で似たような規定を設けています。
このような条例の存在により、塾側も深夜時間帯の営業は避ける傾向にあります。仮に深夜まで授業をおこなったとしても、生徒が補導される可能性があるため、実質的に深夜営業は難しいのです。
塾帰りでも補導の声かけはあるが、正当な理由として配慮されることが多い
青少年保護育成条例では深夜の外出は原則として補導の対象となりますが、「正当な理由」がある場合は配慮されます。
塾からの帰宅は教育上必要な外出として認められることが多く、警察官から声をかけられても、塾の授業や自習を終えて帰宅途中であることを説明すれば、通常は理解を得られます。
塾のカバンを持っていたり、塾の終了時刻を証明できるものがあれば、スムーズに事情を説明することができます。
ただし、これはあくまで「まっすぐ帰宅している」場合の話です。塾が終わった後に寄り道をしたり、友達と遊んだりしている場合は、正当な理由として認められない可能性が高くなります。
塾は何時までやってる?帰りの時間例を小中高別に解説
塾の授業終了時間は学年によって異なります。小学生は比較的早い時間に終わる一方で、中学生・高校生と学年が上がるにつれて終了時間が遅くなる傾向があります。
学年ごとの一般的な塾の時間帯と、それに伴う帰宅時間の目安について、具体例を挙げながら解説していきます。
小学生の塾は何時までやってるのか
小学生の塾の授業は、一般的に19時から20時など夜の早い時間帯に設定されています。ただし、塾や教室、学年によって授業時間は異なるため、入塾前に確認が必要です。
以下は主な塾の授業時間の一例です。
【小学生の塾時間例(※)】
塾名 | 主な授業時間帯 |
|---|---|
早稲田アカデミー | 17:00~19:40 |
SAPIX | 17:00~20:00 |
日能研 | 16:50~19:20 |
四谷大塚 | 17:00〜19:50(4年生) 17:10〜21:00(5年生) |
個別指導の明光義塾 | 17:20~19:25 |
※授業時間帯は教室や学年によって異なります。詳細は公式サイトをご確認いただくか、お近くの教室へお問い合わせください。
学年が上がるにつれて授業時間も長くなる傾向にあり、とくに中学受験コースでは19時以降まで授業がおこなわれることもあります。
なお、上記の授業時間帯はあくまでも一部の教室の例であるため、各塾の正確な時間割については、直接教室にご確認ください。
中学生・高校生の塾は何時までやってるのか
中学生・高校生の塾の授業は、部活動後でも通えるよう16時すぎから始まり、21時過ぎまでやってるのが特徴です。
【中学生・高校生の塾時間例(※)】
塾名 | 主な授業時間帯 |
|---|---|
個別指導 スクールIE | 16:20〜21:10 |
東京個別指導学院 | 17:00~21:20 |
個別指導の明光義塾 | 16:40〜21:20 |
創英ゼミナール | 17:00〜21:30 |
ナビ個別指導学院 | 15:30〜21:20 |
※授業時間帯は教室や学年によって異なります。詳細は公式サイトをご確認いただくか、お近くの教室へお問い合わせください。
個別指導塾では比較的柔軟に時間を選べるため、部活動や学校行事との両立がしやすくなっています。とくに高校生の場合は、受験対策で夜遅くまで自習室を利用することも多いでしょう。
なお、上記の授業時間帯はあくまでも一部の教室の例であるため、各塾の正確な時間割については、直接教室にご確認ください。
子どもが塾からの帰宅が遅い原因・確認すべきポイント
「授業は21時に終わるはずなのに、なぜ22時を過ぎても帰ってこないの?」という疑問を持つ保護者の方は少なくありません。
実は、塾からの帰宅が遅くなる理由は授業の延長だけではありません。授業後の質問時間、自習室の利用、友達との交流など、様々な要因が考えられます。
塾の開校時間と授業時間は一緒ではない
多くの保護者が誤解しがちなのが、塾の開校時間と授業時間の違いです。授業が22時まであるからといって、22時に塾が閉校するわけではありません。
一般的に、塾は授業開始の30分から1時間前には開校し、最後の授業が終わってからも1時間程度は開いています。
たとえば、最終授業が21時に終了する塾でも、自習室は22時まで利用可能というケースは珍しくありません。お子さんがどの時間まで塾にいるのか、授業時間だけでなく塾の利用可能時間も含めて確認しておくことが重要です。
授業後に講師に質問している
授業が終わった後、理解できなかった部分を講師に質問する生徒は多くいます。とくに受験を控えた中学3年生や高校3年生にとって、疑問点をその日のうちに解決できる機会のため、塾からの帰宅が遅くなることも多々あります。
個別指導塾では、授業後に10~15分程度の質問時間を設けているところもあります。集団指導塾の場合、人気講師には質問の列ができることもあり、30分以上待つケースも珍しくありません。
このような質問時間は学習効果を高める大切な機会です。ただし、あまりに遅くなる場合は、翌日の授業前に質問するなど、時間を調整することも検討してみましょう。
テスト期間などは居残りで自習している可能性も
定期テストや受験が近づくと、授業後も塾の自習室で勉強を続ける生徒が増えます。
家では集中できない、わからない問題をすぐに質問したいという理由から、塾での自習を選ぶ子どもは多いです。
とくにテスト前の1~2週間は、普段より1~2時間長く塾に残るケースも見られます。自習室は静かで集中しやすい環境が整っており、周りの生徒も勉強しているため、モチベーションも維持しやすいという利点があります。
保護者としては、自習の必要性を理解しつつも、帰宅時間の目安を決めておくことが大切です。「テスト期間中は22時まで」など、親子で話し合ってルールを決めておくとよいでしょう。
授業後に友達とおしゃべりしている
意外に多いのが、授業後に友達と話をしているために帰宅が遅くなるケースです。同じ学校の友達と塾で会う機会は、子どもたちにとって楽しみの1つでもあります。
勉強の息抜きとしての会話は大切ですが、あまりに長時間になると帰宅時間に影響します。とくに塾の入り口付近や最寄り駅で立ち話をしている場合、1時間以上経過していることも少なくありません。
友達との交流は社会性を育む上で重要ですが、「友達と話すのは30分まで」といったルールを設けるのも1つの方法です。
塾からの帰りが遅い場合にできる対策
お子さんの塾からの帰宅が遅いことに不安を感じている保護者の方は多いはずです。ここでは、塾からの帰りが遅い場合に実践できる具体的な対策を4つご紹介します。
保護者が塾の送迎をおこなう
もっとも確実な安全対策は、保護者による送迎です。とくに小学生や、塾までの道のりが暗い場合は、送り迎えをすることで安心感が得られます。
仕事の都合で完全な送迎が難しい場合でも、帰りだけ迎えに行く、週に数回は送迎するなど、できる範囲で対応することが大切です。
車での送迎が難しければ、最寄り駅まで迎えに行くだけでも安全性は大きく向上します。中学生以上になると「恥ずかしい」と感じる子どももいますが、安全を最優先に考えて話し合うことが重要です。
GPS機能付きスマートフォンで位置情報を共有する
現代のテクノロジーを活用した対策として、GPS機能による位置情報の共有があります。スマートフォンのGPS機能を使えば、お子さんの現在地をリアルタイムで確認できます。
多くのスマートフォンには標準で位置情報共有機能が搭載されており、家族間で簡単に設定できます。「今どこにいるのか」「予定どおりの経路で帰宅しているか」を確認できるため、保護者の不安も軽減されます。
ただし、プライバシーへの配慮も考えましょう。常に監視されていると感じると、子どもとの信頼関係に影響する可能性があります。「塾の行き帰りだけ」「21時以降だけ」など、利用する時間帯を決めておくことをおすすめします。
友達と一緒に帰宅するようにする
1人での帰宅よりも、複数人で帰る方が安全性は格段に向上します。同じ方向に帰る友達がいれば、一緒に帰宅するよう促してみましょう。
塾によっては、同じ地域の生徒をグループ化して集団下校を推奨しているところもあります。保護者同士で連絡を取り合い、交代で見守りをするという方法も効果的です。
ただし、寄り道をしないよう、きちんとルールを決めておくことが大切です。
塾の入退室管理システムを活用する
最近では、ICカードやQRコードを使った入退室管理システムを導入している塾が増えています。生徒が塾に到着したとき、退室したときに、保護者のメールやアプリに通知が届く仕組みです。
このシステムを活用すれば、お子さんがいつ塾を出たかが正確にわかります。帰宅時間の目安がつくため、心配な時間帯には連絡を取ることもできます。
システム導入の有無は塾によって異なるため、入塾時に確認しておくことをおすすめします。
通塾時間に関連して考慮すべき5つのこと
塾選びでは授業の終了時間だけでなく、子どもの生活全体への影響を考える必要があります。送迎の有無、食事のタイミング、通塾距離など、多角的な視点から検討することで、より適切な塾を選べるでしょう。
ここでは、通塾時間に関連する5つのポイントを解説します。
自宅から塾までの距離は適切か
塾までの距離は、とくに夜間の通塾において安全面で重要な要素となります。
距離が長いほど防犯上のリスクが高まるため、必ずしも遠方の有名塾が最適とは限りません。通塾の負担や安全面を考慮すると、自宅から30分以内で通える塾を選ぶのが理想的でしょう。
保護者の送迎が必要か
保護者による送迎は、子どもの安全を確保するもっとも確実な方法です。とくに小学生や夜間の通塾では、犯罪被害のリスクを考えると保護者が送迎することが望ましいでしょう。
仕事などで送迎が難しい場合は、塾の送迎バスがあるかどうかも確認してみてください。授業時間帯を早めに設定したり、行きは子どもだけでも帰りだけ迎えに行ったりするなど、負担を軽減する方法もあります。
中学生以上で自立を促したい場合でも、塾までの距離や通学路の安全性、子どもの成長度合いで総合的に判断することが重要です。家庭の事情にあわせて、最適な送迎方法を選択しましょう。
軽食やお弁当などの用意が必要か
部活動後に塾へ向かう中学生や高校生にとって、適切な栄養補給は学習効率に大きく影響します。
授業前に夕食を食べるか、軽食で済ませるかは子どもの体調や好みにあわせて決めることが大切です。授業前に食べる場合は、おにぎりやサンドイッチなど消化のよいメニューがおすすめですが、食べ過ぎると眠くなることもあるので注意しましょう。
一方、授業後に夕食をとる場合は、翌朝の食欲に影響しない適量を心がけることが重要です。
塾によっては飲食スペースが設けられているところもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
子どもの位置確認はどうするか
スマートフォンにGPSアプリを導入すれば、子どもの現在地をリアルタイムで把握でき、「今どこにいるのか」「予定通りに帰宅できているか」といった心配を軽減できます。
塾によっては入退室管理システムを導入しており、子どもが塾を出た際に保護者へ自動的にメールが送信される仕組みもあります。
ただし、位置確認をおこなう際は子どもとしっかり話しあうことが重要です。過度な監視は子どもの自立を妨げる可能性もあるため、プライバシーと安全のバランスを考慮しながら、お互いが納得できる方法を見つけましょう。
自習室はどこまで活用できるか
多くの塾では22時ごろまで自習室を開放しており、家では集中できない子どもも効率的に学習を進められます。とくに定期テスト前や受験シーズンには、授業後も自習室で勉強を続ける生徒が増えるでしょう。
ただし、自習室の活用には注意が必要です。あまりに遅くまで残っていると、帰宅時間が遅くなり生活リズムが乱れる原因となります。睡眠不足は翌日の学習効率を低下させるため、適切な制限時間を設けることが大切です。
子どもと話し合い、「21時30分まで」「週に4回まで」など、健康的な学習習慣を維持できるルールを決めておきましょう。
安全面と生活リズムへの影響をふまえて塾を選ぼう
塾の授業時間や終了時間は、子どもの安全と生活リズムに大きな影響を与えます。小学生から高校生まで、学年によって適切な授業時間帯は異なりますが、通塾距離、送迎の有無、食事のタイミングなど、多角的な視点から塾選びを検討することが重要です。
よい塾との出会いは、子どもの学習意欲を高め、成績向上につながる大きな一歩となります。何よりも大切なのは、子どもの安全と健康的な生活リズムを第一に考えることです。入塾前には体験授業に参加し、実際の雰囲気や授業時間帯が子どもにあっているかを確認することをおすすめします。
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